「男性だから」「女性だから」といった、性別によるイメージや印象は少なからず存在する。なかには家庭の中でも性別によって差がつけられることも。東京都の50代女性(クリエイティブ職/正社員/年収400万円)の体験談を紹介する。(文:コティマム)
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「無条件の愛情というものは自分にはなかった」
戦前には男性優位の家制度が存在したが、現在は法律上、男女平等だ。しかし女性は実家で、性別による扱いや優遇の差を感じて生きてきたという。女性は次女で、下に弟がいる。
「『女だったお前はいらなかった』『お前が女だったから弟を産んだ(産んでもらった)』といったことを、両親と祖父母に言われて育った。それで『女である自分には価値がない』と思うようになり、自分の存在意義は『良い成績・従順さ・期待に十分以上に応えること』などをしなければ、得られないと感じていた」
家族から「女であること」にダメ出しされてきた女性は、「無条件の愛情というものは自分にはなかった」と振り返る。
「女であること自体がマイナスな存在なので、何かを差し出さなければ愛情は得られない。取引が必要であるという圧力」
弟が医師になれないとわかると「医学部を受けなおせ」と迫る祖父
女性は高校生の時、医師になりたいと思っていた。しかし家族からは、「国公立でないと学費を出せない」と言われ諦めたという。
「大学生の時、弟が医者にならない(なれない)ことがはっきりしたら、いきなり祖父が『医学部を受け直せ』と言ってきた。同時に『費用を出してやるのだからああしろこうしろ』と恩に着せてきたので、断った。私が断ると思っていなかったらしく、非常に驚いていた」
時代によっては、家長や男児を優遇することが当たり前で育った世代もいる。女性のようにその「当たり前」を押し付けられて育った人もいるだろう。今後意識が変わっていくことに期待したい。