isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
まーささんによる「上半期の恋愛占い」、星乃せいこさんによる「2022年の運勢グラフ」も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
「上半期恋愛占い」「年間運勢グラフ」はこちら 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
失われたイニシエーションを求めて
今週のおひつじ座は、野性の生活と文明の生活とを改めて結び直していこうとするような星回り。
ギリシャ神話において、太陽神アポロンの妹であるアルテミスは、狩猟の女神であると同時に清純なる処女神であるという、二重の様相を帯びています。
あらゆる“周辺”に潜んでいるアルテミスは、両者のはざまで境界が揺らぎ、不安が極度に高まったときにこそ、人間が両者の境界を乗り越え可能なものとするよう取り計らいつつも、その境界線が厳然たるものであることを示すために、私たちの前に現われるのです。
あなたもまた、混乱や混沌の最中において守るべき規範を思い出したり、通り抜けるべき獣道をたまたま見出したりといったことが起きていきやすいでしょう。
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拡張された舌を生きる
今週のおうし座は、親和し、浸潤するままに任せていこうとするような星回り。
『夏河を越すうれしさよ手に草履』(与謝蕪村)という句のごとし。ほんの短期滞在のつもりが、足かけ4年にも及んでしまったと手記に書いてありますが、その言い様はさながら竜宮城にでも入り込んでしまったかのようでもあります。
足とは拡張された舌であり、その役割はのばした先の領域と交じり合い、その風土を堪能することにあるのです。
あなたもまた、みずからの手足を通して誰か何かと交わり合い、一体化していくことになるはず。
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自然な物語を紡ぐ
今週のふたご座は、出し惜しみすることなく自身の抱えた物語を解放していこうとするような星回り。
『遠野物語』に登場する語り部のごとし。佐々木嘉兵衛という語り部は名を知られた狩人でしたが、獲物を求めて山の奥へと踏み迷っていったとき、怪異なるものに遭遇しやすい資質が増幅されたのでしょう。
語り部たちというのは、山という豊穣なる物語世界を掘り起こしては、その一部を持ち帰り、伝えることのできた世俗への帰還者であると同時に、それらを文字の記録として残すことをつねとしていった近代以降と、それ以前とをつなぐ媒介者でもあったのだと言えます。
あなたもまた、自身が出会い、掘り起こしてしまった物語を、しかるべき方法でしかるべき相手に伝えていくべし。
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関わりの不思議を記憶していく
今週のかに座は、つねに立ち返るべき命の原型に親しんでいこうとするような星回り。
『朝顔の二葉(ふたば)より又はじまりし』(高浜虚子)という句のごとし。作者の脳裏には何年にもわたる年単位での朝顔の繁茂や、更には普遍的ないのちの継承への思いがあったのかも知れません。
「朝顔の二葉」とはすでに何度も何度も繰り返されてきた小さな命の積み重ねであり、遠い昔のかつて見た記憶の中の朝顔であると同時に、いつか見ることになるだろう遠い未来の朝顔の原像でもある訳です。
あなたもまた、つねに新鮮であり続けることを可能にしてくれる習慣を日常に取り入れていくべし。
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運命は絶えず変化していく
今週のしし座は、まったく相反する二つのものを自身の中に見出していこうとするような星回り。
ドラマの後半にはおぞましい存在として追放され、孤独な「アポリス(ポリスなき存在)」となり果てる「オイディプス王」。
本人に道徳的に落度はありませんが、不幸な運命を成就させたのは、最後の最後に自分で自分の目を潰したのは、他でもない本人の意志であり、そうであるがゆえに、その不幸を通して神聖さを付与され、彼の汚れは恐るべき宗教的な力の源泉となって、聖化された聖なる人物となっていくのです。
あなたも、「聖人」と「野獣」という二重性のあいだで揺れ動くオイディプスの運命を描き出した詩人のごとく、矛盾した性質の一致点をいかに自身の人生において見出していけるかがテーマとなっていくでしょう。
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虚心坦懐
今週のおとめ座は、自分の中の完璧主義を少しだけ崩してみようとするような星回り。
『水鉄砲水入れる間に撃たれつつ』(小川春休)という句のごとし。本来ならあっという間の瞬間的なできごとを、俳句的な言いまわしで時間を引き伸ばし、五七五のリズムのなかでコミカルな「間」を作り出しています。
おそらく、何度でも訪れてしまいたくなるお店だったり、なんとなく帰りたくなる家というのも、こちらがすすんで我が身をはさみ込みたくなるような余地や、ちょっとした間みたいなものが、ごく自然な仕方で空けられているものなのではないでしょうか。
あなたもまた、自身の生活やたたずまいにもまたそんな自然な間を空けるべく、なんとなくのんびりとしてみるといいでしょう。
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道の先に跳ぶために
今週のてんびん座は、重たげな我が身を少しでも軽くしていこうとするような星回り。
芭蕉が一世一代の旅に出て、野に行き倒れて髑髏(どくろ)になっても構わないとうそぶいたとき、彼は41歳でした。
彼は51歳で亡くなっており、その意味で、41歳の芭蕉はまさに変容のとき、成熟のときを迎え始めた門出にあった訳ですが、そこで初めて見えてきたものについて、43歳の芭蕉は「つひに無能無芸にして、ただこの一筋につながる」という言い方で表しています。
あなたもまた、自分が極めていきたい道行きに改めて歩調を合わせていきたいところです。
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深い水の流れを聞く
今週のさそり座は、一見すると何もない場所にこそ注意を向けていくような星回り。
『紫陽花に吾が下り立てば部屋は空ら』(波多野爽波)という句のごとし。なんとなく死者の香りがする一句ではありますが、それは鬱々とした季節を静かに彩る紫陽花という花のいささか妖しい存在感のせいでもあるのかも知れません。
明るい日差しのもとで咲き乱れる花そのものよりも、花を育てた季節の質感がより濃厚に宿る空間の方にこそリアリティを感じているのでしょう。
あなたもまた、目に見えて分かりやすい美しさよりも、その目に見えない実体や源の方にこそ強く惹かれていくはずです。
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もののはずみ
今週のいて座は、遠くの誰かに対し、ほとばしる自身の思いを伝えていこうとするような星回り。
先日たまたまYoutubeのオススメ欄に表示された動画を開いたら、どこかアフリカあたりの国らしい景色を背景に、筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)の上半身裸の男たちと「人生山あり谷ありモハメドアリ」という日本語で書かれたメッセージ・ボードが映った。
これは「世界からのサプライズ動画」といったサービスですが、特定の誰かの利潤を超えたメッセージが届けられたという事実には、それに触れたものの心をほのかに明るくする何かが含まれているような気がします。
あなたもまた、そんな善意といたずらとが相半ばするくらいのもののはずみにみずからを投じていくべし。
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「わたし」の喪失と再発見
今週のやぎ座は、自身を空っぽの器にしていこうとするような星回り。
『病み呆けて泣けば卯の花腐しかな』(石橋秀野)という句のごとし。ふと病人は、来し方のことどもを思い、また行く末を思い、自分の死や、残された夫やまだ幼い娘のことを思って、いつの間にか涙が溢れていたのでしょう。
一体いつまでも降り続くのかと呆れるほどの雨に、自身の身に起きていることを重ねたのです。そしておそらく、自分自身を出し切った仕事ができるかどうかこそが、俳人として自身の腕を昇華させていけるかを大きく左右していくはず。
あなたもまた、いっそどこかで思いをいったん出し切るくらいのつもりで過ごしていくといいでしょう。
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牙を研ぐ
今週のみずがめ座は、へらへらした愛想笑いをやめ、真顔になって緊張感を取り戻していくような星回り。
「荒れ狂った、逆上した、殺気立った 混乱した、めちゃくちゃな」などを意味する、「Amok」という英単語のごとし。日本人はそうした性質を多分に持っていて、現代風の理性的な佇まいを装いつつも、実際にはコントロール不能な情動に大いに流されやすいところがあるのではないでしょうか。
GAFA的アメリカナイズされた単なる一消費者に収まって、歯牙の抜かれた飼い犬になることだけはなんとか避けたいところです。
あなたもまた、どうやって自分の/自分たちの牙を磨いていくべきかを問うていくべし。
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ゆるゆるボンバー
今週のうお座は、快適であることに真剣に取り組んでいくような星回り。
『夏服をゆるゆると着て体育かな』(野口る理)という句のごとし。6月はただでさえ祝日がなく余裕がなくなりがちな月ですから、折り返しに入る今週あたりで、願わくば掲句くらいの「ゆるさ」を意識して過ごしていきたいところ。
上からの声にあまりに従順になる必要もなければ、血相を変えて抗議するのでもなく、四角四面なリアリティを自分なりに「ゆるゆると着て」臨んでいけばいいのです。
あなたもまた、また1つ「ゆるさ」のタガを外していくべし。
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