突然だが、僕は天然パーマだ。天然パーマなので学生時代はそれをよくイジられた。さらさらストレート直毛の同級生たちに。
正直言って天然パーマってだけで、学校でたびたび人権を喪失してきた。僕はガチの当事者だったから今も覚えているが、梅雨時なんか特に天パをつまんねえイジりの対象にされるのが本当に嫌だった。
百歩譲ってイジられるのはまだいいが、バカみたいな直毛同級生の自己満足のユーモアの下地にされるのが勘弁ならなかった。高校時代なんか、それを教員からも食らってバカにされ、クラスのさらし者扱いされたことが2回ほどあり、今は流石に気にしていないが、多感な時期にそれを食らったことで人格がそこそこひねくれてしまった。自分の髪の毛のように。
今日は、そんな天パの人たちの悩みについての話をしていきたい。湿っぽくやっていこう!(文:松本ミゾレ)
天パ「俺たちはどんな髪型なら似合うんだ」
先日、5ちゃんねるに「天パすぎて似合う髪が見つからねえw」というスレッドが立っていた。スレ主は「どうすりゃええねん伸ばしてもおかしくなるしよ」や「ヘアアイロンしたらおかしくなった」などと書き込んでいる。
髪型を、普通の人と同じようにするテクニックというものは一応ある。コーム付きのドライヤーで角度を正す感じで時間を掛けてセットすれば一瞬マシにはなる。だけど湿度が高い日になると、そんな努力は水泡に帰す。それに髪も傷む。
ならばと縮毛矯正をすれば、これは確かにマシにはなるが、施術も数時間に及ぶし、貴重な休日をその施術に費やしてもやっと普通の髪質の人に近づける程度で、途轍もない虚しさを覚える。
そして、若いうちはいいけど、三十路近くなると縮毛矯正も不自然になっていく。よくいるじゃない、明らかに縮毛矯正している、なんか売れないホストみたいな顔した普通のおっさん。ああいう感じになるのがイヤで、もう縮毛矯正はやめちゃった。
それに髪の毛は伸びるから、だんだん矯正した直毛の下からうねりが生じてダサくなる。しっかりお風呂上りに髪の毛をドライヤーで乾かすなどすれば誤魔化すのも可能っちゃ可能だけど、夏場とかにそれをやるのがしんどかったなぁ。
スレッドには、天パを誤魔化すための方法を色々とアドバイスしている人の声もある。
参考にならんけど一応紹介しよう。
「無造作ヘアーがいいよ」
「アイロンしろ 慣れろ」
「縮毛矯正すればいいだろ」
「俺も天パだけどツーブロック楽だぞ。セットしやすいし天パにおすすめらしい」
これを今読んでいる生粋の天パからすれば「そんなの俺はとっくに挑戦してきたわ」という書き込みばかりだと思われる。あとツーブロックを押す天パもいるけど、これもストレートな人のツーブロックと比較すると残念ながら清潔感がないんだよね。ツヤもないし。
だからハードジェルをつけてツヤ出して誤魔化すぐらいのことはしなきゃならないんだけど、側頭部は良くても後頭部のチェックがマジで怠い。それと、頭の形によってもツーブロが似合う・似合わないもあるので、似合わなくてさらに天パだと滑稽な仕上がりになるのもキツい。
一番いいのは、気にしないこと
思春期のころは、僕もそうだったが天パの人ってほぼ全員、髪の毛が綺麗な友人を羨ましいと思うものだ。そしてそういう友人から自分の髪質をイジられると、もう相当に凹むもの。片思いしてた女の子が、そのイジりを見てゲラゲラ笑ってたし(笑)。
僕は思春期の頃にこれをやられて、心根が卑屈になってしまったように感じている。それぐらい、天パイジりってメンタルを抉るのである。多分イジった当人は今はそんなこと一切覚えていないんだろうけどね。
ただ、どんなに傷ついたところで、所詮天パは天パ。こうなったのもまあ、遺伝のせいと諦めていくしかない。諦められないけれども、毎日ヘアアイロンして不自然にまっすぐな髪の毛を作って、にわか雨で正体がバレて悪魔のうねうねモンスターになってその都度落ち込んでちゃやっていけない。誰もまともにこっちの傷ついた気持ちに寄り添ってもくれないから余計に。
髪質は誤魔化せても根本改善は不可能。持って生まれた定めと思って、極力気にしないでおこう。まあ、それでも髪質をバカにするヤツに遭遇したら確実に嫌な思いするけど。
にしても、顔が濃ければ天パでもそこそこイイ感じに見えるけど、純和風の日本人フェイス、チー牛系となるとしんどいよねぇ。人は見た目が9割。私の嫌いな言葉です。