幼い頃に親が口にした不用意な言葉は、良くも悪くも心にいつまでも刻まれてしまう。埼玉県の30代女性(営業/年収700万円)は、母親から
「タバコを吸うのはあなたのせい」
と言われた過去を振り返った。(文:草茅葉菜)
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「なるほど!目から鱗!という感じの衝撃だった」
幼少期に女性の母親はよくタバコを吸っていた。それが子ども心に心配だった女性は、辞めるように勧めていたという。小学校高学年になり、その日も朝からたばこを吸う母親に「やめなよ」と言ったところ、
「仕方がない。美味しくて吸ってるわけではない。ストレス解消法よ。あなただってストレスをたくさんくれるから」
と返された。「100%私のせい、とまではいかなくてもいかにも私に非があるような言い方だった」と綴り、当時の心情を
「衝撃的だった。が、その感情は怒りやショックなどはなく、なぜか、すーっと腑に落ちる『超納得!』というもの。なるほど!目から鱗!という感じの衝撃だった」
と振り返る。「大好きな母がストレスで早死にするぐらいならたばこでストレス発散してもらい、心身ともに健やかに過ごせてくれればいいと素直に感じた」という幼い頃の思いから、女性はその後一切たばこについて触れなかった。
一方、母親はそれまでも時々「たばこやめようかな~」と言っていたが、「ストレス発言」以降、女性は「無理無理、もうそのまんまでいいんじゃん?別に無理しなくたって」と「半分嫌味も込めて」返すようになったという。
しかし女性が大学生になったある日、
「またもや母が『たばこやめようかな』と言ってきたので、『別にわざわざ無理しなくても』と返したところ、『本気でやめる!』と謎の決心。その後きっぱりやめた」
結果的には「今に至るまで10年以上、完全に禁煙者になった」という母親だが、女性は
「本人にとっても周りにとっても結果オーライかもしれないが、個人的に今でもあのストレス発言をはっきりと覚えている。良くも悪くも子供にとっては残酷な一言だったのかなと今になって思う」
と書いている。心の傷は、まだ癒えないようだ。