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スパイバーがサステナブランド「パンガイア」とコラボ、ブリュード・プロテイン素材を使ったフーディーを開発

2022年06月07日 22:11  Fashionsnap.com

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スパイバー(Spiber)が、欧米に拠点を置くサステナブルファッションブランド「パンガイア(PANGAIA)」と初のコラボレーションアイテムを発表した。 スパイバーによる人工タンパク質「ブリュード・プロテイン素材」を使ったフーディー「NXT GEN Hoodie powered by Brewed Protein」を共同開発し、日本時間6月7日22時からパンガイアの公式オンラインストアで約150着限定で販売をスタートした。日本を含むグローバルへの発送にも対応している。

 パンガイアは環境保全をミッションに掲げ、2018年末にデビュー。特定のデザイナーやディレクターの名を冠さず、科学者や技術者らを含めマテリアルサイエンス企業のチームとして活動している。環境に配慮をした衣類などのファッションアイテムや生活用品を最新の素材や技術を取り込み、積極的に提案することで急成長。ベラ・ハディッド(Bella Hadid)やジャスティン・ビーバー(justin Bieber)、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)といったセレブリティも着用するなど注目を集めている。過去には村上隆やHaroshiなどのアーティストともコラボしている。
 スパイバーが開発したブリュード・プロテイン素材は、植物由来のバイオマスを原材料に使用し、微生物の発酵プロセスにより生産。シルクのような光沢と繊細を持つフィラメント糸やカシミヤ、ウールをはじめとする動物繊維のような嵩高い紡績糸にも加工することができるほか、アパレル以外にもさまざまなシチュエーションに応じた用途への活用も期待されている。生産工程では環境リスクが指摘されているカシミヤ繊維と比較して、温室効果ガスの排出量の大幅な縮小と、土地や水の使用量の削減が見込めるという。
 両社のコラボおよびブリュード・プロテイン素材を用いてフーディーが開発されたのは初めて。今回のパートナーシップは、化学燃料や動物素材を代替し得るバイオ由来素材の開発や使用を目指すという共通のミッションから生まれたという。「初めての海外ブランドとの本格的な取り組みであったことから、互いの素材や製品開発に対する理解やニーズの調整、また最高な製品を実現するために糸の紡績方法や生地の編み方、染め方、仕上げ方などの加工方法について何度も試行錯誤を重ね、さまざまな可能性を検討してきた」(スパイバーの担当者)とし、商品化に約2年がかかった。フーディーはオーガニックコットン88%、ブリュード・プロテイン繊維12%の構成で、黒一色の展開。価格は税別395ドルで、XXSからXXLまでのユニセックスサイズを用意している。
 約2年の開発期間で、スパイバーは「製品開発に関する知見の蓄積や新たな糸や生地の開発に挑戦することができた」という。パンガイアとは長期的なパートナーとして今後も取り組みを継続していくとしている。
 なお、スパイバーでは今年のプロジェクトとして、秋頃に「ゴールドウイン(Goldwin)」の新ライン「Goldwin 0」からブリュード・プロテイン素材を使ったフリースやデニムアイテムなどの発売を予定している。