6月4日15時に静岡県の富士スピードウェイで決勝スタートを迎えたENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第2戦『NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース』は、5日15時に24時間レースのフィニッシュを迎え、ST-Xクラスの62号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3(鳥羽豊/平木湧也/平木玲次/ショウン・トン)がチーム初の総合優勝を飾った。
近年は多くのエントラント、ファンを集め盛況のスーパー耐久。シリーズのなかに組み込まれるレースが、現在日本で唯一の24時間レースとして開催されるNAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レースだ。2022年の富士24時間も多くのエントリーを集め、参戦車両は過去最多となる9クラス56台が24時間レースに挑んだ。
今回の富士24時間から参戦開始となる2台のニッサンZは、通常のガソリン燃料を使用するMax Racingの244号車ニッサンZ Racing Concept(田中哲也/田中徹/三宅淳詞/高星明誠/安田裕信)がレース序盤に2度に渡る左フロントタイヤのパンクに見舞われるも、その後はポテンシャルの高さを披露して総合10位で完走。
NISMOが走らせ、カーボンニュートラル・フューエルを使用する230号車のニッサンZ Racing Concept(平手晃平/松田次生/ロニー・クインタレッリ/佐々木大樹/星野一樹)はレース序盤こそ順調に周回を重ねたが、ナイトセッション中にエンジンのベルトが切れるトラブルが発生してしまう。リペアエリアやピットガレージ内での作業を強いられる場面があったものの、244号車とともにランデブーフィニッシュを行い総合49位に入っている。
水素エンジンを搭載し、MORIZOこと豊田章男社長や、TOYOTA GAZOO Racing WRT代表のヤリ-マティ・ラトバラがドライブする32号車ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept(佐々木雅弘/MORIZO/石浦宏明/小倉康宏/ヤリ-マティ・ラトバラ/勝田範彦)は水素補給の関係で41回のピット回数を数えるも総合52位で完走。水素補給時間も従来より短縮されるなどの進化ポイントを披露した。
55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio concept(寺川和紘/井尻薫/関豊/前田育男/加藤哲也/手塚祐弥)は320周終了後にミッショントラブル発生によりピットで修復を余儀なくされ、コース復帰後には残り1時間17分というところで100Rアウト側にマシンを止め総合51位という結果になっている。
ST-2はレース序盤から13号車ENDLESS GRヤリス(伊東黎明/石坂瑞基/花里祐弥/岡田整)がトップに立ちリードするが、レース開始から17時間が経過したとき、花里が駆る13号車が緊急ピットイン。ガレージで20分弱の作業を行ったため、2番手につけていた225号車KTMS GR YARIS(平良響/荒川麟/奥住慈英)の若手3名が嬉しいクラス優勝を飾った。
富士24時間が実質の開幕ラウンドとなったST-4は、ニューマシンのTOM’S SPIRIT GR86(河野駿佑/松井孝允/山下健太)がスタートから独走態勢を築き、トラブルに泣いた884号車シェイドレーシング86(石川京侍/国本雄資/山田真之亮/影山正彦)や18号車Weds Sport GR86(浅野武夫/藤原大暉/石森聖生/芝叔和/普勝崚/勝木崇文)を寄せ付けず圧勝した。