BMW Mモータースポーツは、2019年から2020年にかけてクラス1規定のDTMマシンで使用された日本のスーパーGTと共通フォーマットとなる2リッター直列4気筒直噴ターボなど、使用可能な他のエンジンタイプを検討したが、最終的にはこの8気筒の『P66型』がLMDhにもっとも適した選択肢であることを発見したという。
このエンジンには、DTM時代の約500psよりも大幅に高い出力が求められる。ルースはエンジン、ギヤボックス、電気モーターで構成された完全に統合されたBMW M LMDhのパワートレーン全体が、すでにベンチでテストされたことを認めている。
このことは、1999年のル・マン24時間レースで優勝したV12 LMR以来となる同社のスポーツ・プロトタイプが、最初のシェイクダウンを行う日がそう遠くないことを示唆しているようにも思える。2023年1月に開幕するIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスでは、チームRLLがファクトリーチームとして2台のBMW M LMDhを走らせることが決定している。
ルースは、BMW M LMDhのシェイクダウンは、完全なハイブリッドシステムが搭載された状態で行われるものと予期している。これとは対照的に、現在のところLMDhマニュファクチャラーで唯一サーキットテストを行っているポルシェは、共通ハイブリッドシステムを段階的に搭載してテストをしてきたことを明らかにしている。