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上級車種が圧倒的多数? ホンダ新型「ステップワゴン」の販売状況は

2022年05月31日 11:32  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
5月27日に発売となったホンダの新型「ステップワゴン」が好調なスタートを切りました。先行受注の台数は約1.8万台に到達。内訳としては、いくつかあるタイプの中でも価格の高いグレードが多く売れているようです。新型ステップワゴンの特徴と販売状況を見ていきましょう。


ホンダが5月27日に発売した6代目「ステップワゴン」は、国内ホンダ車史上最大の大空間を実現しています。大人数でも1人でも、シートアレンジは自由自在。3ナンバーでありながら運転しやすいところも特徴です。新型コロナウイルスの感染拡大による上海のロックダウンや半導体不足の影響で生産の遅れはあるものの、納期はハイブリッドが4カ月、ガソリン車が3カ月と、むしろライバルブランドより少し早いかも。


○結局、何がよくなった?



「近年、似たようなクルマが多くなり、『なぜこのクルマがいいのか』が薄れてしまっていた」とするホンダ。6代目ステップワゴンは、1996年に注目を集めた初代のスピリットへの原点回帰を目指し、エクステリアはかたまり感のあるデザイン、そして得意とするインテリアでは室内空間の使いやすさと運転しやすさに注力しました。



シートアレンジの豊富さは今回の目玉ポイント。2列目シートは前後だけでなく左右にもスライドが可能です。着座位置は2列目で40mm、3列目で90mm高くしてあり、後ろからの見通しも良好。車内には水平基調のデザインを採用し、視野を安定させました。これらの要素は乗り物酔いの軽減にもつながっているそうです。吸音材や遮音構造の追加で車内が静かになったことで、1列目と3列目での会話もしやすくなりました。


クルマのサイズは3ナンバーになりましたが、これは5ナンバーの「フリード」との差別化も意識してのこと。大きなクルマに苦手意識を持つ女性は多いですが、「クルマの向こうの想像しづらさを解消できれば、大きさは感じにくい」との考えから、車幅感覚をつかみやすい設計を取り入れたそうです。直線・旋回時の取り回しもよく、使いやすいクルマに仕上がっています。

○ハイブリッドとターボの2タイプ、燃費は?



パワートレインはハイブリッドとターボエンジンの2種類。2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」は「走り出し」「坂道や加速」「高速走行」と走行状況によって変化する3つのドライブモードを備え、モーターからエンジンへのつながりを改善し、より快適な走りを実現できたとしています。1.5Lターボエンジンは低速からの力強さが特徴。ガソリン車をターボエンジンのみとしたところに、双方の個性を最大限に引き出したいというホンダの意気込みを感じますね。



燃費(WLTCモード)はe:HEVのエアーで20.0km/l、ガソリン車はエアーで13.9km/l。車両価格はハイブリッドが20~30万円高価ではあるものの、ガソリン価格が高騰している昨今、長い目でみればモトが取れると考えてよさそうです。予約状況はハイブリッドが65%、ターボエンジンが35%とのことで、近年の電動化への流れをユーザーも抵抗なく受け入れている様子です。


○安全運転システムが充実



今回、それほど訴求されていませんが、安心・安全領域が充実したことも新型ステップワゴンの特徴です。最新の安全運転支援システム「Honda SENSING」は全車で標準装備。アダプティブクルーズコントロール(ACC)は全タイプでユーザーの要望の高かった渋滞追従機能を搭載しました。後方誤発進抑制機能や近距離衝突軽減ブレーキといった新たな機能も追加し、運転時の負担をより軽減しています。運転が得意でなくても、疲れている時でも、より安心してドライブを楽しめそうです。

○気になる価格や納期は?



ステップワゴンの価格は299.8万円~384.6万円。車両価格は高くなりつつありますが、支払いの負担感を抑える残価設定ローンなど金融商品も多様になっており、今は新車購入者の3~4割が利用しているそうなので、販売店でシミュレーションしてみましょう。気になる納期はハイブリッドで4カ月、ガソリン車で3カ月。今後の受注状況により変化は予想されるものの、心配していたほど長くはなさそうです。



ホンダにとっても大切なモデルであるステップワゴン。7年ぶりの新型登場ですが、これまでのところ予約は約1.8万台と好調な様子です。内訳はエアー16%、スパーダ54%、スパーダ プレミアムライン30%とスパーダの割合が8割超に。先行受注では上位グレードが売れがちなので、今後はエアーの比率がもっと高まるかもしれません。



松田慶子 まつだけいこ 自動車産業専門紙、満足度調査会社の自動車担当を経て、サステナビリティ専門誌で自動車産業のカーボンニュートラルなどを担当。子どもの送迎と夫の単身赴任が重なった4年間は年間1.2万キロ以上を運転。関心のある分野はサステナブルなクルマ社会、次世代の育成、環境問題など。運転は好きだけれど、適宜自動運転に切り替えてサボれるクルマの登場を心待ちにしている。 この著者の記事一覧はこちら(松田慶子)