5月29日、三重県の鈴鹿サーキットで決勝レースが行われたスーパーGT第3戦鈴鹿。波乱に富んだレースで、GT300クラスを制したのは、2014年からGT300に挑戦し、念願の初優勝を飾ったBMW Team Studie × CSLだった。長年トップが見える位置で戦いながらも、悔しい思いを続けてきた鈴木康昭監督に、優勝の喜びを聞いた。
2014年2月、BMW Sports Trophy Team Studieは東京駅そばにあるBMW Group Studioで発表会を行い、産声を上げた。前年までGOODSMILE RACINGとともにGT300を戦い、チャンピオンなど華々しい成績を収めていたTeam Studieが、BMWジャパンとコラボレーションし、海外でもよく見られるようなインポーターと強力なタッグを組み、Mブランドを強烈にアピールするようなチームとして作り上げたのがこのチームだった。
BMW Z4 GT3にMストライプを施し、BMWワークスドライバーのヨルグ・ミューラーを招聘。前年までGT500で戦っていた荒聖治にGT300での挑戦を決意させ、BMWチューニングの世界で多くの名声を得てきた鈴木監督が作り上げたチームは、2014年シーズンからスーパーGTでの戦いを始めた。ただ、その戦いは順調ではあったものの、なかなか勝利には手が届かなかった。
2014年は第1戦でいきなり2位表彰台を獲得したが、優勝したのはグッドスマイル 初音ミク Z4。Z4のワン・ツーは喜ばしかったが、勝利には0.3秒届かなかった。この年は第7戦タイでも表彰台を得てランキング3位につけたものの、その後は2015年はランキング7位、M6 GT3にスイッチしてからも、同じM6を使うARTAは優勝を飾っていたが、BMW Team Studieと名を改めてからも、鈴木監督が「いちばん嫌いな2位」はあっても、なかなか優勝には届いていなかった。