世帯年収1200万円は比較的高収入と言えるだろうが、子どもの教育費がかさむ時期にはほとんど余裕がないようだ。福島県に住む40代後半の女性(既婚/その他/正社員・職員)は、キャリコネニュースが実施する世帯年収をテーマにしたアンケートに、地方で3人の子ども抱える母親としての悩みを打ち明けた。
「田舎なので車がないと生活出来ない。夫婦二人で1台ずつ所有」
女性の資産状況は「現金で200万」だといい、「住宅ローンが月10万円。子どもが3人で2人が大学生、1人が高校生です」と語る。大学生の子どもはそれぞれ家を出て生活しており、
「大学生の家賃が3万円ずつで月に6万、その他に光熱費が3軒分になります。大学生、高校の授業料もあり、年間の出費がかさみます。旅行などにはここ10年近く行けていません」
と負担の重さをこぼす。もちろん日々かかる費用はそれだけではない。女性は
「田舎なので車がないと生活出来ないので夫婦二人で1台ずつ所有してます。食費は育ち盛りの子どもがいるので月に10万円は超えていると思います」
「特に贅沢をしているわけではありませんが、まったく余裕がない状態です。今は子どもたちがそれぞれ成人して独り立ちする日を楽しみに、今をただ耐えている感じですかね」
と現状を諦めたように綴っていた。
教育費は「いつか必ずゴールが来る出費」
ファイナンシャルプランナーの大野翠氏(芙蓉宅建FPオフィス代表)は次のように解説する。
<大学生のお子さん2人がいずれも別世帯とのこと。ご本人の家計管理に加え、一人暮らしの2世帯分の負担もあるということですね。かなりの金銭的ご負担かとお察しいたします。回答にもあるように「子どもたちの独り立ちまで耐える」という状況が続くと思うと、気も重くなるのではないでしょうか。以下、少しでも明るい兆しになるようなアドバイスになれば幸いです。
まず、今発生している出費はどれも「有益な出費である」と自信を持ちましょう。夫婦それぞれ保有しているマイカーも必要なものですし、同居している子どもの食費にお金がかかるのも、年齢的に必要なものです。決して無駄使いをしているのではなくどれも必要な出費であり、特に教育費に関しては「いつか必ずゴールが来る出費」であると認識しましょう。具体的には、末子の大学卒業をいったんの教育費のゴールだと考えます。たとえば現在末子が17歳であれば、大学卒業の22歳まで約5年です。つまり5年後には現在のような状況からは脱することができます。
この間は、どうしても子ども関連費への出費がかさみ、ほかのことが後回しになることも多いかと思います。しかし、これも一生続くわけではありません。現在の家計状況が赤字ではなく、末子の進学費用も捻出できる状況であればひとまず安心されてよいかと存じます。
老後のための資産運用や預貯金に関して、末子が大学卒業するまでは余裕がなくても致し方ありません。この先必ず来る「教育費のゴール」を心待ちに、今できることを継続していきましょう。>