isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
まーささんによる「上半期の恋愛占い」、星乃せいこさんによる「2022年の運勢グラフ」も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
「上半期恋愛占い」「年間運勢グラフ」はこちら 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
石頭を叩き割る
今週のおひつじ座は、意識の境界線をさりげなく飛び越えていこうとするような星回り。
寺山修司は50年前にはじめて刊行された『家出のすすめ』にて、「百科事典以外の悪徳の定義」と題した文章を書いています。
我慢や禁欲こそが悪徳であり、幸福そのものではない何かを私たちに集団的に信じ込ませることで、ある種の社会的秩序を成立させている。逆に言えば、最低でも週に1度ないし月に1度くらいは、幸福そのものを求めるために、なにか他の方法で想像しうる限りの悪事について話し合ったり実践したりする機会をもつくらいで、ちょうどいいのではないでしょうか。
あなたもまた、一般的には悪徳とされているものの中にむしろ1つの徳を見出していくべし。
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遠方をぼんやり眺める
今週のおうし座は、自身が無意識のうちに、身近な他者に投影しているビジョンが映し出されていくような星回り。
『五月雨や人語り行く夜の辻』(籾山庭後)という句のごとし。掲句を詠むという行為自体がある種の占い的な営みであると同時に、この句を一読した読者のこころに、どんな2人の姿や関係が映し出されるかが問われているのだとも言えます。
そこにあるのは果たして、傘さえ差さず小走りに走り抜けていく若い男女か、それとも、揃いの唐傘をさして静かに歩きながら一言ずつ丁寧に発語しあう老夫婦か、それ以外の何かか。
あなたもまた、自身のパートナーシップに関する来し方行く末について深く感じ入るようなビジョンが浮上してきやすいでしょう。
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わがままにからだを育てる
今週のふたご座は、しっかりと根を伸ばし、いのちを吹き返すのに必要な処置を施していくような星回り。
弱ってしまった植物を水栽培していくよう。
水栽培の植物は、土から受けるストレスや育て方の難しさが軽減されるため、世話を忘れていたり、土で弱って葉が枯れ落ちて瀕死の状態に陥った植物であったりしても、再生することが多いように思います。
あなたもまた、人生や生活に生命感を取り戻していくためにも、少しでもストレスを感じる“土”から自身を引き抜いていくべし。
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岩と波としぶきと
今週のかに座は、生と死の深いコントラストを内に含んでいこうとするような星回り。
『岩群の生きて波挙ぐ五月かな』(成田千空)という句のごとし。「岩群の生きて波挙ぐ」とは、深浦の奇岩として有名な一連の岩群のことで、ただの岩にも生命力がみなぎっているかのように感じられる季節であることを力強く詠いあげているわけです。
おそらく、そこには一斉に熱気を放ち始める大自然とは裏腹に、文明社会で弱り細って死に近づいていく人間たちの姿が念頭にあったのではないでしょうか。
あなたもまた、どこかで自分が生まれ変わったような新鮮さを実感していくことができるはず。
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植物は自分なんかよりずっと賢い
今週のしし座は、「定住民」として進化していこうとするような星回り。
何よりも重大な捕食者や通行者など外からの攻撃に受動的であらざるを得ないという問題に対して、植物たちは自分のからだを分割可能なパーツを組み合わせたモジュール構造にしていくことで解決してきました。
葉だけでなくどの部分でも光合成できるなどして、からだの大部分が失われても再生できるように、リスクを分散。それどころか、この植物に特有の生理では、適切な剪定がもたらす回復効果のように、からだが失われた方がいい場合もあるのです。
あなたもまた、植物が進化の過程でそうしてきたように、分割不可能と思いがちな自分自身の価値をいかに分割していけるか、ということがテーマとなっていきそうです。
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真剣なASOBI
今週のおとめ座は、言葉で処理する代わりに、言葉そのものを泳がせていこうとするような星回り。
『水ゆれて鳳凰堂へ蛇の首』(阿波野青畝)という句のごとし。
ある日ある時「水ゆれて」、そちらに目を向けると「蛇の首」が見えている。作者がその刹那のはざまに「鳳凰堂へ」という言葉を添えた瞬間から、この蛇は読者の心象風景の中で永遠に泳ぎ続ける”言霊の蛇”となったのかも知れません。
あなたもまた、月並みな言葉遣いで感動の芽を摘んでしまうのではなく、すこしでも心が動くような仕方で言葉を紡いでみるといいでしょう。
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渇きを満たす
今週のてんびん座は、洗練された生の充実の時へと誘われていくような星回り。
プルーストの描いた、朝早いパリの街頭のごとし。
すぐれた映画や小説というものは、たいていの場合、印象的な食事シーンや食に関する詳細な記述を含んでいるものですが、それはフランス文学最高の小説『失われた時を求めて』にも言えていて、例えば作者主人公マルセルの恋人アルベルチーヌに、パリの街頭に聞こえる物売りに対して嘆声を挙げさせるのです。
あなたもまた、そんなマルセルとアルベルチーヌの2人のように、縦横無尽な仕方で他ならぬ自分自身をとことん楽しませていくべし。
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包摂のための超越
今週のさそり座は、より大いなるものへと包み込まれていこうとするような星回り。
『新緑の残響は柩を満たす』(対馬康子)という句のごとし。
掲句は作者と死者の万感の思いが、「柩」を反響版にして静かに、荘厳に鳴り響いている様子を描いている訳ですが、それは同時に、葬儀という人の世の営みが、自然に包まれ迎えられていく、ありうべきプロセスを示唆しているのだとも言えるかもしれません。
あなたもまた、自分の身を反響版にして高まりゆく思いのボルテージを、余計な理屈で捻じ曲げることなく、できる限りそのまま受け入れていきたいところです。
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朝を待つ
今週のいて座は、一番終わりのところから何かが始まっていくような星回り。
柳田國男は『日本の祭り』の中で、「祭りは夜から始まる」と書いていました。「死」の時間帯に籠もることを通して初めて、再生の儀式としての祭りはその本来の意味を為すのです。そして、夜が明けて出し物や山車、神輿などの目に見えるものが現れてくる。
籠もっている間に、生きている人間のできることというのは、「待つ」ことだけなんです。これは人間が治癒していく過程にも重ねられる話で、この時期をすっ飛ばしてしまうと、そこから起きる再生や治癒というものも中途半端なものになってしまう。
あなたもまた、自分なり「待つ」ことを深めていくことがテーマとなっていきそうです。
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日常を愛でる
今週のやぎ座は、あえて温故知新に傾いていこうとするような星回り。
『父の眸(め)や熟れ麦に陽が赫(か)つとさす』(飯田龍太)という句のごとし。
思えば、父と子の関係というのは深い謎のようなものがありますが、これを読むと作者自身は受け継いだものは受け継いだものとして、屈折することなく受け入れており、掲句の「熟れ麦」もまた自分に重ねていたのかも知れません。
あなたもまた、みずからの内部に宿る古さをこそしかと見据えていきたいところです。
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軽みと遊び
今週のみずがめ座は、より自由な居場所を求めていこうとするような星回り。
さまざまな職人を2つセットで取りあげ位置づけ、13世紀から14世紀にかけて作られた『東北院職人歌合』では、はじめは「巫女(みこ)」とつがいにされていた「博打」が、やがて「船人」とのつがいに変わっていくことが確認できます。
この変遷について、ある研究者は船が博打が最もよく行われる場所の1つだったということであり、船のなかは市場と同じようなアジール、すなわち世俗の権力が及ばない治外法権の場だったからではないかと述べています。
あなたもまた、アクセスする情報や空間を拡張していく先で、そうした「博打」的な要素が入り込んできやすいかも知れません。
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幻滅と幻想のはざまで
今週のうお座は、いびつな形をこそ芸術へと昇華していこうとするような星回り。
『かすかなる真珠の歪み寺山忌』(小林貴子)という句のごとし。寺山修司が死んだのは1983年5月4日で、その忌日は毎年夏の訪れとともにやって来ます。
さながら万華鏡のように、見る度に模様の変わるのぞき穴として寺山は存在し、おそらく何かに幻滅した作者に、別の新たな幻想を与えたのかも知れません。そうした万華鏡においては、単に整っていることよりも、いびつさや歪み、奇形や欠損こそが、変幻自在でいきいきとした様々な模様をつくりだすきっかけとなるのです。
あなたもまた、自身の屈折や鬱屈からいかに煌びやかな模様を創り出していけるかにトライしていくべし。
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