音と光の派手さを競って、誰も望んでいるかもわからない開発競争を続けているパチンコメーカー。爆音を響かせ、光線を遊技者に叩きつけ、訳の分からない子供騙しみたいな役モノをガチャガチャさせ、挙句には筐体上部からキャラクターのお顔がせり出してくる。冷静に考えれば、こんなの恥ずかしくて打ってられないぞ……というようなおバカ演出が、今のパチンコ筐体では割と当たり前になっている。
ユーザーも最初こそこの手の演出をバカにはしていたが、今は結構慣れてきた節も。それこそ音量、光量は自分で調節できるような台も増えてきたし、演出の発生率をある程度調整できるような機種も一部ある
が、それでもユーザー各位のカスタムでもどうしようもできないのが、振動だ。そう。最近のパチンコは、振動するのである!(文:松本ミゾレ)
周りがびっくりするぐらいの振動!その果てに待つものは…
先日、5ちゃんねるに「最近の台の筐体振動がうざさ通り越して迷惑な件」というスレッドが立っていた。スレ主は「なんで5台離れた台の振動や裏の台の振動感じなきゃいけないんだよ」と愚痴っている。
これ、比喩でもなんでもなく、本当に5台も6台も離れている筐体から発生する振動が、周りに伝わってきてしまうのだ。その都度キョロキョロするユーザーも結構いる。それぐらいうるさいし、響くのだ。なにせ自分が打っている台すら揺れちゃうんだから。
スレッドにはスレ主に賛同する声が多い。というか振動擁護派なんかいない。ちょっといくつか、意見を引用してみたい。
「振動ヤバいのはエヴァだわ」
「メーシーの台に比べたらどの台も生ぬいだろ 特に桜花」
「エアコンの室外機みたいな音出す筐体がクソうざい」
「エヴァは工事」
「音量は調節できるけど振動は調節できないからたちが悪い。音量下げて大人しく打ってる人ですら当てられると苛ついてしまう」
と、こんな感じで振動演出に関しては非難轟々。「エヴァ」「桜花」という単語が目に付くが、これらは振動が特にやかましい機種の略称である。
個人的には特に「桜花」こと『Pバジリスク ~桜花忍法帖~」は最悪の機種だと認識している。本当に遠くにあっても振動がうるさいし、その割に全然出ない。鳴り物入りでデビューしたくせにあっという間に客が離れた機種であるが、その理由はそもそも振動がうるさいからじゃねえか? という気すらしてしまうほどだ。
パチンコユーザーは周りから極力察知されず、ひっそりと楽しく勝ちたい
そもそも地鳴りがするレベルの振動がするときって、大体熱い演出が発生していたり、大当たりに突入したときだったりする。メーカーとしては「今この台が凄いことになってますよ」というアピール目的で、振動させまくっているんだろう。
でも、分かってないなぁ。ほんと、分かってない。パチンコユーザーってのは他人に出玉を見せびらかしたり、大当たりする様を見せつけたいわけじゃない。1回でも多く連チャンさせたいし、集中して遊びたいのだ。
いちいち自分の台が爆音とどろかす振動を発生させて、周りから「うるせえな」と思われたくはないのである。むしろ激熱演出は、ひっそり発生するほうが嬉しい。周りから極力察知されず、ひっそりと楽しく勝ちたい。そういうのがユーザーの本音だろう。僕だってそうだ。
メーカーの中の人って多分、負けたら全てを失うような気持ちでパチンコをしたことはないから、その感覚は分からないのだろう。いかに自社のマシンを目立たせるかしか考えてないようなものだもん。振動って。その結果たしかに目立つんだけどね、ただ、「あんなうるさいの打てないよ」ってなっちゃう人も多いわけで。
振動なんて百害あって一利なし。パチンコ依存症の人ですら敬遠しているのだから、そんなものは搭載しなくていいのだ。