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ジャニーズWESTメンバー分析 第4回:神山智洋、クリエイティブな才能を発揮 確かなパフォーマンス力が示す存在感

2022年05月13日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

ジャニーズWEST

 昨年コロナの影響で中止となり、1年越しに『METROCK』の出演が決定したジャニーズWEST。メンバーの出身地である大阪会場で初のフェス出演を果たすことになった7人の魅力にフォーカスする。第4回は神山智洋。


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■グループの“カッコイイ”を担う中心人物


 ジャニーズWESTにおいての“カッコイイ”要素のカギを握っているのは間違いなく神山智洋だ。


 神山のマルチな才能の一つは、トラックメイカーとしての顔だ。これまでもジャニーズWESTの数多くの楽曲の作詞作曲を手がけている。中でもファンの間でも人気の高い「Evoke」は、ライブで披露することでグループの新たな一面を引き出すきっかけになった。同曲はゴリゴリのEDMサウンドであるが、イントロが流れた瞬間に会場全体の熱量が一気に上がる高揚感を体感することができる。また「Survival」は少し大人目線のロックな楽曲で、骨太な7人の姿を伝えた。そして「Tomorrow」では、熱いメッセージが込められた歌詞に心が揺さぶられたファンも多いのではないだろうか。作詞作曲の才能に関してはもちろん、ジャンルを問わない振り幅の広さが神山の武器。楽曲の数々は、神山の“ジャニーズWESTに歌わせたい曲”をテーマに制作された。メンバーでありながらも、プロデューサー目線で新たな分野を開拓し挑戦することで、7人の魅力を増幅させているように思う。


■卓越したダンススキルとコレオグラファーとしての顔


 そしてもう一つの“カッコイイ”要素は、コレオグラファーとしての神山が手がける7人のダンスパフォーマンスである。幼少の頃からダンスに明け暮れた日々を過ごしていた神山は、関西ジャニーズJr.時代から秀でたダンススキルを披露。大阪松竹座のどこで踊っていても、誰もが「神ちゃんだ」とわかる存在感を放っていたことを思い出す。


 ジャニーズWESTのパフォーマンスにおいて、神山は濵田崇裕とともにアクロバットを担当することも多く、文字通り目を引く存在である。また自身のスペックの高さから、難しいダンスパートに関してもメインやソロを務めることもあり、彼のダンスに魅了されてファンになったという人も多いだろう。神山はグループで振り付けを担当することもあり、ライブで彼の手がけた振り付けで踊るメンバーがたまらなくカッコイイとファンの間でも大好評だ。特に印象深かったのが、自身が作詞作曲も手がけた前述の「Evoke」だ。激しいだけではなく、細かなカウントや複雑なフォーメーションを交えたパフォーマンスは圧巻の一言に尽きる。また「Drift!!」では、ハンドルを回す仕草やカギを置く仕草を取り入れた大人っぽい振り付けに新鮮な印象を受けたが、ドルフィンを取り入れるなど心憎いエッセンスもプラスしていた部分に“おしゃれ番長”の神山らしさを感じた。


 ジャニーズグループの中でも歌唱力で高い評価を得ている神山は、重要なパートを担うことが多い。高く伸びやかで透明感のある歌声は、歌番組に出演するとジャニーズファン以外からも注目が集まる。過去に『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)で「サムシング・ニュー」を披露した際も、SNSに「ジャニーズWESTの金髪の人、歌が上手い」といった声が多く寄せられ、検索枠に「ジャニーズWEST 金髪」「ジャニーズWEST 金髪の人」が挙がるなど話題となっていた。ライブでの煽りのセンスも右に出る者がないほどで、一瞬にして会場全体が大きなグルーヴ感に飲み込まれていく光景は圧巻である。


■生真面目に向き合う姿勢で演技力にも高い評価


 このようにジャニーズWESTの中でトラックメイカー、コレオグラファーとしての顔を持つ神山。作詞作曲はもとより、ギター、ベースなどの楽器演奏までこなすマルチな才能は止まるところを知らない。しかし、彼の才能はこれだけではない。俳優としての神山にも注目したい。


 筆者が俳優の神山にある種の怖さを感じたのが、重岡大毅とダブル主演で挑んだドラマ『宇宙を駆けるよだか』(Netflix)だ。バラエティ番組などで見せる神山からは想像できない陰のある表情など、深みのある演技が印象的だった。それを確信したのが、今井翼の代役として出演した舞台『オセロー』のイアーゴー役だ。シェイクスピア4大悲劇の一つであり、錚々たる共演者の中で先輩の代役という重責を背負い、満身創痍で挑み見事に演じきった。舞台の上に立つ姿からはアイドル・神山智洋は微塵も感じられず、イアーゴーそのものであった。また初単独主演舞台『LUNGS』では、若いカップルが直面する問いを発端に展開するスピーディな会話劇にも挑戦。二人芝居で100分という膨大な量のセリフに挑戦し、その確かな演技力に演劇ファンからも高い評価を得ていた。元来の器用さと、超がつくほど真面目な芝居への向き合い方が結果として表れた形だろう。神山はヒール役にも定評があり、役者としての幅広い活躍も非常に楽しみである。


 バラエティ番組ではスイーツ男子、美容男子としても活躍の場を広げる神山。彼が手がける“カッコイイ部分もありまっせ”なジャニーズWESTのパフォーマンスを見て、普段の底抜けに明るい7人とのギャップからさらに沼にはまってしまったという人も急増中だ。果たして神山が次に見せたいジャニーズWESTとはどんな姿なのか。楽しみでたまらない。(北村由起)