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インフレ+円安で”激安感”薄れるタイを歩く 5月から隔離なしに【旅人ITライターさとるの旅レポ】

2022年05月12日 16:31  TRAICY

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[caption id="attachment_240187" align="alignnone" width="900"] 2022年4月27日入国時点では、隔離ホテルへの移動のため受付カウンターが並んでいた[/caption]

各国の新型コロナ感染防止のための水際対策が緩和されてきています。東南アジアのタイもそのうちのひとつ。5月1日からは、到着日に認定ホテルで一泊の隔離も免除となり、入国前の事前登録となる「タイランドパス(Thailand Pass)」に申請すれば、到着したその日のうちから自由に動けるようになっています。

そこで、このGWを利用して、2年半ぶりにタイへと訪問してきました。ちなみに筆者の場合、残念ながら到着日は4月27日だったため、認定ホテルでの隔離はあり、ZIPAIRでスワンナプーム国際空港に到着したときは、予約していた認定ホテルへの送迎のため、臨時のカウンターが到着ゲートに並んでいましたが、5月5日の時点ではその臨時カウンターもすっかり撤去されていました。

[caption id="attachment_240188" align="alignnone" width="900"] 5月5日には臨時カウンターは撤去されていた[/caption]

入店の体温測定は厳しめ

コロナ禍を挟んで2年半ぶりのタイ訪問ということで、現地は変わっているところもあれば、変わっていない所も多い感じ。感染防止対策としては、かなり日本に近い印象で、屋内はもちろん屋外でもマスクをしている人が目立ちます。

[caption id="attachment_240189" align="alignnone" width="900"] 屋外でもマスクをしている人は多い[/caption]

また、店舗や建物の入口には体温測定器が置いてあり、利用を促されるケースも多くありました。飲食店もアクリル板などが設置してあります。このあたりはコロナ禍以前のタイでは見かけなかった印象です。

[caption id="attachment_240190" align="alignnone" width="900"] 飲食店はアクリル板などを設置[/caption]

バンコクというと、道ばたの屋外の屋台や出店が多くあるイメージですが、これも以前と比べるとだいぶ減っています。ただしこれはコロナ禍以前からの政策によるもの。露店が皆無というわけではないものの、屋台形式の場合はナイトマーケットなど、1か所に集められている感じになっています。

MRTラマ9世駅近くに昨年末オープンした「JODD FAIRS(ジョッドフェアーズ)」も、そんなナイトマーケットのひとつ。飲食店やファッション系の露店が集まっており、現地の人にも人気のスポットとなっています。

[caption id="attachment_240191" align="alignnone" width="900"] 昨年末にオープンした新ナイトマーケット「JODD FAIRS」[/caption]

インフレ+円安で激安感は薄れる

タイをはじめとする東南アジア諸国はゆるやかなインフレが進んでいるため、数年前と比べると若干物価が上がっています。

たとえばバンコクで「ピンクのカオマンガイ」として有名な「ラーン・ガイトーン・プラトゥーナム(Raan Kaithong Pratunam)」。6年前は40バーツでしたが、今回訪問したときは50バーツになっていました。

[caption id="attachment_240192" align="alignnone" width="900"] ピンクのカオマンガイは現在50バーツ[/caption]

6年前は円高傾向だったので1バーツは3.1円くらいでしたが、現在は円安傾向で両替の手数料なども考慮すると4円近い計算になります。そのため6年前はカオマンガイが120円程度だったのが、今回は200円近い金額ということに。

「スターバックス」や日系の飲食店など、日本でも多く見かけるチェーン店では、日本と金額的に差はありません。「スターバックス」のフラペチーノ系のドリンクは220バーツ(約860円)、「九州じゃんがら」のオリジナル全部のせは199バーツ(約780円)です。

[caption id="attachment_240193" align="alignnone" width="900"] 九州じゃんがらの価格表[/caption]

カオマンガイのように、現地住人をメインに安い価格のものもまだまだたくさんありますが、ひと昔前の「激安の国タイ」をイメージしてくると、そのギャップに驚く可能性も。

[caption id="attachment_240194" align="alignnone" width="900"] これは2トッピングプラスして259バーツ[/caption]

また日本と価格差のないチェーン店も、現地の人で賑わっているのも印象的です。学生など若い人たちも多く利用していたので、円安ということを除いても、タイ、特にバンコクなど都市部の人たちは所得水準が上がっていそうです。

[caption id="attachment_240195" align="alignnone" width="900"] それなりに安いことは安いが、リミッターが外れて買い物してしまうほとの安さはない[/caption]

クレカのタッチ決済端末が普及

バンコクで2年半前と比べて変わってきていると感じたのが、クレジットカード決済への対応。特にタッチ決済が可能な端末が普及してきています。

[caption id="attachment_240196" align="alignnone" width="900"] アクセプタンスマークをみると、タッチ決済対応している店が多い[/caption]

屋台や小規模な店ではまだまだ現金決済が多く、またコード決済も登場していますがタイ独自のシステムが多く、短期旅行者には扱いにくいため、キャッシュレス決済となるとクレジットカードとなります。

以前からタイでもクジットカードは普及していましたが、現在はタッチ決済をアピールしているところも多く、VISAかMastercardのタッチ決済対応カードを持っていれば、決済端末にかざすだけで支払いが完了します。

バンコクの地下鉄(MRT)もVISAとMastercardのタッチ決済対応スタートしていました。改札口でクレジットカードをかざして入り、出るときもクレジットカードをかざせば、自動で乗車賃が引き落とされます。自動販売機でトークンを買ったり、専用ICカードにチャージする必要がなく便利。

[caption id="attachment_240197" align="alignnone" width="900"] 地下鉄(MRT)ではクレジットカードでのタッチ決済乗車をアピール[/caption]

VISAかMastercardのタッチ決済は、スマートフォンのGoogle PayやApple Payに登録したカードでも利用できます。財布からクレジットカードを取り出してやりとりするのではなく、スマホを取り出してかざすだけでOKです。

[caption id="attachment_240198" align="alignnone" width="900"] タイのスーパーマケット「BIG C」でもスマホからのタッチ決済で支払いできた[/caption]

ただし、一部店舗では利用を断られたり、上記の地下鉄(MRT)もエラーで使用できませんでした。利用者が少ないため店員が慣れていないということもありそうですが、VISAかMastercardのタッチ決済をGoogle PayやApple Payに登録しておけば、財布を取り出すだす頻度を減らせるのでオススメです。

変わらない部分も多い

今回はタイ国鉄を利用して、バンコクからチェンマイまで寝台車での移動もしました。チケットはオンラインで事前に購入するなど、進んだところもありますが、乗車中は手作りの弁当やスナックの売り子が来るなど、移動自体は以前のままな所も多く残っています。

[caption id="attachment_240199" align="alignnone" width="900"] 2021年に移転予定だった予定が大幅に遅れており、おなじみのフアラポーン駅を利用[/caption]

[caption id="attachment_240200" align="alignnone" width="900"] 旧型車両の2等寝台車を選んだ[/caption]

[caption id="attachment_240201" align="alignnone" width="900"] 列車内でスナックを購入。タイ国鉄では飲酒が禁止になったのが残念[/caption]

日本人など東アジア系の旅人はあまり見かけませんでしたが、欧米系の家族旅行やバックパッカーは多く見かけました。日本にいるとあまり感じられませんが、東南アジアや欧米では一般の海外旅行客がかなり増えてきている印象です。