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BE:FIRST SOTA&RYUHEI、グループの高いパフォーマンスレベルを牽引する2人 それぞれのスタイルの違いに迫る

2022年05月12日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

BE:FIRST『Bye Good Bye』

 BE:FIRST公式TikTokでは現在、「#BetrayalGame好きなシーン」と題してメンバーが新曲「Betrayal Game」から各々のお気に入りのシーンを投稿。同時にBESTY(ファンの呼称)からも好きなシーンの投稿を募り、5月18日リリースの2ndシングル『Bye-Good-Bye』に向けて盛り上がりが加速している。ただ好きなシーンを投稿するのではなく、それぞれが切り取ったシーンの“一押しポイント”をファン同士で共有するなど、ダンスパフォーマンスの細部にまで目が向けられているのが印象的だ。そこで今回はBE:FIRSTのパフォーマンスレベルの高さに焦点を当ててていく。


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 BE:FIRSTはダンス・ボーカルの双方で非常に高いレベルを備えているが、プレデビュー曲「Shining One」以降、楽曲のダンスプラクティス動画を積極的に公開することで、歌唱力のみならずダンススキルにもフォーカスし、あらゆる角度から楽曲を楽しませている。ファンはもちろん、それ以外の層にダンスパフォーマンス力の高さを伝えるのに適していることもあり、ダンスプラクティス動画は毎回好評を博している。


 メンバー7人全員の高い歌唱力とダンススキルが質の良い作品を生み出すことができるのは彼らのアドバンテージであるが、実は最初から全員がダンス経験者であったわけではない。彼らのパフォーマンスを見れば全くのダンス未経験者から世界大会優勝経験を持つ元ダンサーまでさまざまな経歴を持つことに驚く人もいるだろう。では、そんな精鋭揃いの中でも特に注目すべきメンバーは誰だろうか。


 BE:FIRSTのパフォーマンスを牽引する1人目のメンバーは、ダンサー・振付師としてHIP HOPの世界大会で4度優勝の経歴を持つSOTAだ。HIP HOP、ポップ、ロック、ハウスなどあらゆるジャンルのダンスを得意とするSOTAは、BE:FIRST内だけでなく日本のダンス&ボーカルグループ全体を見ても「ダンスのエキスパート」と言える。ダンサーとして踊ることと、歌唱や表情管理なども総合的に映し出されるアーティストとして踊ることでは魅せ方に明確な違いが生じるが、その道を極め、若くして世界を見た彼は、オーディション『THE FIRST』当初からそれをしっかりと理解していた。ダンスが主でなくともアイデンティティを強く感じるSOTAのパフォーマンスは、まるで彼にできないムーブはないのではないかと思わせるほどの無駄のなさと心地良く感じられる余裕、そして他の誰も表現できない無二のグルーヴ感でコーティングされた芸術だ。


 また、ダンス講師の経歴も持つSOTAは、BE:FIRSTの振付においても能力を発揮。メンバーと共にオリジナルの振付を考案した「Kick Start」の他、「Gifted.」を担当した有働真帆や「Bye-Good-Bye」を担当したQuick Styleなど海外在住の振付師と行うリモートでのやり取りの際に振付を解釈してメンバーに伝えるなど、架け橋的な役割を担うことも多い。リハーサルではパフォーマンス全体を見て修正方法を提案するなど、常にグループを客観視して高みを目指す。世界を知る男・SOTAの存在は、アジアのトップ・世界への挑戦権を目標に掲げるBE:FIRSTの大きな強みになっていくだろう。


 もう1人は最年少のRYUHEIだ。15歳ながら幼少期からの長いレッスン歴を持つRYUHEIは、HIP HOP色を有するSOTAとはまた異なり、ジャズダンスの要素を包含したしなやかな曲線美が際立つダンスが特徴。長い手足と抜群のスタイルを活かし、音の一つひとつを丁寧に拾って踊りに落とし込む丁寧さと繊細さが、見る人をRYUHEIの世界観に惹き込む。ダンススキルの高さはお墨付きであるが、ただ踊るのではなく、速いムーブでは真っ直ぐにこちらを捉える眼光で魅了し、緩いムーブでは必ず魅せてくるのが彼だ。


 例えば、「Betrayal Game -Dance Practice-」では1番サビの〈もう少し触って〉の直後に一瞬の空白があるが、RYUHEIは正面から右を向くように首をひねることで本来であれば無音の時間でさえも作品の要点に昇華。その妖艶さには驚く声も多い。


 ステージ上での憑依力や、音楽に対する造詣の深さが生む表現力は厚く支持される理由の一つであるが、プロとしてデビューしてからのRYUHEIは間違いなくそれまで以上にダンススキルを高めている。最近ではSOTAの代名詞でもある「ヒット」(筋肉を瞬間的に収縮させ、すぐに力を抜くことで筋肉がポップコーンが弾けるように見える、ポップダンスの基本的スキルの一つ)を多く取り入れ、しなやかさの中に力強さを含んだ新たなRYUHEIスタイルを確立しているようだ。進化が止まることを知らない最年少が数年後どんなアーティストになっているのか、今から楽しみにしている人も多いだろう。


 BE:FIRSTのパフォーマンスが評価される理由は、他のメンバー全員も上で述べた2人と遜色ないダンススキルを秘めているからだ。特にダンスにフォーカスしたダンスプラクティス動画からは気持ち良いほどに息の揃った7人の様子が見て取れよう。全体として見た時のクオリティは言わずもがな、一人ひとりに着目して七通りのダンスを楽しむのもBE:FIRSTを知る上で非常に効果的だ。(風間珠妃)