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イラストで共感を集めるポイントは“過剰な表現”にあり? 一見上手な「散歩する女性」のイラストがプロの添削で激変

2022年05月11日 08:51  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイル(https://youtube.owacon.moe/watch?v=IFyNmV9dSp0)より

 SNSでイラストや漫画を投稿するクリエイターが増えているが、流れていくタイムラインのなかで、見る人の目を止めさせるためには、「共感性」が重要だろう。その絵を見たとき、瞬時にどんな場面かを伝え、かつその人の心に刺さるようなものが描かれてなければならない。そんな「共感されるイラスト」はどうやって描けばいいのか?


(参考:【写真】一見上手な散歩する女性のイラストが、「過剰な表現」により共感できるものに生まれ変わっていく様子


 そんな悩みを解決してくれる動画が、「ポケモンカード公認イラストレーター」としても活動するさいとうなおき氏のYouTubeチャンネルで公開された。さいとう氏は視聴者のイラストに対して上達のためのアドバイスを送る「気まぐれ添削」と題した動画を発信中。チャンネルは2019年10月1日に誕生し、以降、着実にファン数を拡大、現在では登録者数96万人超を誇る(※5月10日確認時)。


 5月7日に公開された「【気まぐれ添削91】共感されるイラストの描き方は?」と題した動画では、ペンネーム・きくざきさんの作品「秋の散歩」を添削することに。このイラストを受け、さいとう氏は「きくざきさんはただ現実を描くだけではなく、気分を絵にしようとしているのが素晴らしいと思いました」とコメント。きくざきさんのお悩みである「共感性の高い絵にしたい」という要望には、「これはかなりレベルの高いコンセプト。でもそこにチャレンジする姿勢は素晴らしいと思います」と語った。


 イラスト自体にはタイトルの通り、女性が散歩している秋の風景が捉えられている。素敵なイラストだが、描かれた女性に共感し、「こうなりたい」と憧れるかどうかと考えると、必ずしも満点とは言い難いようだ。さいとう氏は「この動画見ていただければ、絵を誰かに見せたとき『うんうん、わかる』『憧れる! 素敵』と思ってもらえる仕掛けがどうやって作られれているかわかると思います」と自信を覗かせた。


 まず、さいとう氏が指摘したのは、髪の毛の先が青い炎で彩られているところだ。青い炎が意味するものは「闘志」「恨み」などで、街を散歩するルンルン気分とは正反対のイメージともいえる。そんなことを踏まえ、さいとう氏は青い炎を花弁に変えた。


 さらにさいとう氏は大胆なアレンジを施す。「共感を呼び込みたいときは、なんでも過剰に表現してください」と言いながら、花弁の数を数倍に。これにより、パッと見ただけで、華やかさが格段に増したことがわかる。


 そのほかにもまるで魔法のようなアレンジを施し、作品の魅力がグッと高まった印象だ。確かに、「憧れる! 素敵」と感じる人も多くいることだろう。イラストを描く上でのアイデアの引き出しを充実させたいクリエイター、またプロイラストレーターの技術や視点に触れたい人は、さいとう氏のチャンネルをチェックしてみよう。


(中山洋平)