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単なる「美しいクルマ」ではない? 新型車「DS4」の特徴とは

2022年05月11日 07:31  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
ステランティス ジャパンはCセグメントハッチバックモデルの新型「DS4」をフランス大使館公邸(東京都港区)で報道陣に公開した。「世界で最も美しいクルマ」と評判のDS4だが、美しさ以外にどんな特徴があるのか。実車を詳細にチェックしてきた。


○デザインの詳細をチェック



DS4は「DS7クロスバック」「DS3クロスバック」「DS9」に続くDSオートモビル(以下、DS)にとって4番目のモデル。全長を4,415mmと競合モデルに比べて長く取り、流麗で彫刻的なプロポーションを強調した。パリのモノづくりの技と美学である「SAVOIR-FAIRE」(サヴォア・フェール)が細部に息づくフレンチラグジュアリーに先進のテクノロジーを組み合わせた1台というのがステランティスの触れ込みだ。


「世界で最も美しいクルマ」という看板が、DS4を際立たせている。2022年1月にフランス・パリで開催された「第37回国際自動車フェスティバル」で「Most Beautiful Car of the Year」に選出され、そのデザインとエンジニアリングが世界的に高い評価を受けているクルマなのだ。


DS4はプラットフォームに第3世代の「EMP2」(Efficient Modular Platform2)を採用。ボディサイズは全長4,415mm、全幅1,830mm、全高1,495mm、ホイールベースは2,680mmだ。



フロント部にはダイヤモンドを散りばめたようなクロームを配したシャイニーブラックのフロントグリルと3連のプロジェクターヘッドランプ「DSマトリクスLEDビジョン」、左右の縦長のLEDデイタイムランニングライトがよく目立つ。サイドは低く傾斜するシャープなルーフライン、彫刻的なサイドパネル、フラットサーフェス化したリトラクタブルドアハンドル、205/55R19ミシュラン「e-プレマシー」タイヤを装着した大径ホイールで構成。リアはレーザーエンボスでダイヤモンド型に加工され、その中に片側80個のLEDライトを埋め込んだリアライトがエレガントに発光するスタイルだ。


インテリアに目を転じると、主力モデルの「RIVOLI」にはバサルトブラックレザー、ベースモデルの「TROCADERO」にはファブリックとテップレザーを使用。ダッシュボード中央には継ぎ目のない10インチのタッチスクリーンを配置してあるが、そこまで手を伸ばさなくても、センターコンソールのシフトスイッチ上側に5インチのスマートタッチが用意されているので、指先でさまざまな操作が可能となっている。

その下にある「DSエア」は、従来のような大きな吹き出し口のない画期的なベンチレーションシステムとなっている。空調操作ボタンは彫刻的な造形だ。その下側にはスタートスイッチが赤く光る。内外のセンサーにより、外部物質(CO、NO2、NH3)や車内のタバコの粒子を検知し、自動的に室内を浄化する「DSクリーンキャビン」もいかにも先進的な装備だ。


ドア上面にある独創的なパワーウインドウスイッチにはシャイニーブラックの加飾が施してあり、宝石のように輝いている。トランク容量はセグメントNo.1の410L(E-TENSEは390L)を確保した。


○PHEVの性能は?



パワートレインはPureTech 1.2L直列3気筒ガソリンエンジン(最高出力130PS、最大トルク230Nm、燃費はWLTCで17.7km/L)、BlueHDi 1.5L直列4気筒ディーゼルエンジン(130PS、300Nm、燃費21.2km/L)、1.6L直列4気筒ガソリンエンジン(180PS/300Nm)とフロント電気モーター(110PS/320Nm)を組み合わせ、システムトータル225PS/360Nm(本国公表値)を発揮するE-TENSEプラグインハイブリッドモデル(PHEV)の3種類を用意する。



E-TENSEはフロントとリアに専用バッジを装着。容量12.4kWhのリチウムイオンバッテリーをトランク下に搭載し、EV走行可能距離は56km(WLTC)を実現した。満充電までは普通充電器(200V 3kW)で約4時間、ウォールボックスタイプの普通充電器(200V 6kW)で約2時間。ドライブモードはEV走行ができる「エレクトリックモード」、エンジンとモーターを活用して燃費効率を最適化する「ハイブリッドモード」、ハイブリッドモードにカメラで前方の路面をスキャンして凹凸を検知し、ショックアブソーバーの減衰力をリアルタイムで最適化する「DSアクティブサスペンション」を作動させる「コンフォートモード」、高出力でダイナミックな走りができる「スポーツモード」の4つが設定できるという。


価格は1.2Lガソリンの「TROCADERO PureTech」が398万円、同「RIVOLI PureTech」が449万円、1.5Lディーゼルの「RIVOLI BlueHDi」が469万円、PHEVの「RIVOLI E-TENSE」が572万円となっている。

○「DS4」の客層は?



発表会に登壇したステランティス ジャパン マーケティングダイレクターのトマ・ピルコ氏は、DS4が属するプレミアムCセグメントハッチバックのカスタマー像として「平均年齢56歳、男性比率66%、婚姻率80%、平均世帯年収1,340万円、子供なし世帯比率80%、複数車保有比率52%」という興味深い自社データを公開。本国からオンラインで参加したDSのベアトリス・フシェCEOによれば、「DS4の販売台数は、発売から数カ月でDS全体の30%に達した」とのことだ。



原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)