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「余命2カ月の元カレ、婚約破棄後に元気にBBQ」ツイートが話題に  嘘の理由なら慰謝料もらえる?

2022年05月10日 12:01  弁護士ドットコム

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男女の別れには何らかの物語があるものだが、婚約破棄の理由が嘘だった場合、別離を言い渡された側は相手に慰謝料請求することはできるのだろうか。


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〈「自分はもう余命2カ月だから」という理由で急に婚約破棄してきた対象者を調査してみると、友人達と一緒に元気にBBQをしていた〉。そんなツイートが話題となった。



調査がいつの時期だったのかなど詳細は不明だが、仮に健康だったのに嘘の余命を伝えられたのだとしたら、突然、婚約破棄された側が憤りを感じてもなんら不思議はない。



本当は別の理由があるにもかかわらず、嘘の理由を伝えたことが事実だった場合、言われた側は慰謝料など損害賠償を求めて、相手を提訴することはできるのだろうか。河内良弁護士に聞いた。



●慰謝料が認められる「婚約破棄」とは

——どのようなケースで婚約破棄の慰謝料請求が認められるのでしょうか



婚約の一方的な破棄が、民法上の不法行為にあたり、損害賠償請求の対象になることは、ご存知だと思います。一方で、婚約当事者双方が、真摯な合意により、婚約を解消したのであれば、不法行為にはあたりません。



婚約破棄を告げられた側が破棄に納得していなかった場合、破棄の理由が真実、もしくは虚偽であるかを問わず、婚約の一方的破棄となります。特に、破棄の理由として虚偽の事実を告げたのだとすれば、程度の強い不法行為にあたるといえます。



——理由が嘘だと知らず、一度は合意してしまった場合、後から撤回することはできないのでしょうか



問題は、このような事例のもとで、婚約破棄を告げられた側が、虚偽の理由を真実と思い込んで「身を引いて」、婚約解消に同意した後、調査した結果、破棄の理由が嘘であったことがわかった場合だと思います。



この場合、婚約破棄に応じた意思表示自体が無効ということで、婚約の一方的破棄に準じた取り扱いを受けることになります。



なお、損害賠償請求権の消滅時効は、虚偽であるとわかったときから3年(虚偽の理由を真実と思い込んで同意した場合)、婚約破棄をしたときから3年(婚約破棄に同意していない場合)、婚約破棄をしたときから20年(虚偽の理由を真実と思い込んで同意した場合)のうち、もっとも短いものが優先です。



●慰謝料の相場は?

——今回の事例のように虚偽の事実に基づく一方的破棄だった場合、慰謝料の金額はどの程度、認められるものでしょうか



慰謝料は、精神的苦痛に対する損害賠償ですので、請求者が定めるのですが、相場のようなものはあります。



破棄された婚約の期間、同居していた期間など、婚約の成熟度によって金額は変わりますが、「300万円請求して、150万円プラスマイナス50万円くらいに落ち着く」というイメージで捉えています。




【取材協力弁護士】
河内 良(かわち・りょう)弁護士
大学時代は新聞奨学生として過ごし、平成18年に旧司法試験に合格。平成28年3月に独立した。趣味はドライブと温泉めぐり。
事務所名:河内良法律事務所
事務所URL:http://www.kawachiryo-law.jp