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『私の解放日誌』転んでも立ち上がる兄妹たちの変化 クの正体にかなり危険な匂いも

2022年05月08日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『私の解放日誌』(JTBC公式サイトより)

 毎週日、月曜に最新話がNetflixで配信中の韓国ドラマ『私の解放日誌』。ミジョン(キム・ジウォン)とク(ソン・ソック)の崇め合う関係は順調に進んでいるが、姉のギジョン(イ・エル)に畑仕事をしているふりをしてデートをしているのだと、二人が恋愛をしていると思われている。ただ二人は「崇め合っている」のであって「恋愛をしている」というようには思っていない。しかしミジョンも「恋してドキドキする感覚が理解できない」と言うが、クを思い浮かべながら「幸せを感じたときは、むしろ鼓動が遅くなった気がした」「解き放たれたような、初めて心臓の緊張がほぐれたような感じ」とチャンヒ(イ・ミンギ)にこぼしていた。


【写真】『私の解放日誌』最新話カット


 そしてついに、ミジョンが隠していた借金について家族にバレてしまいそうになる。父親に住所をどこかに移したことを問われたミジョンは「友達が家を借りられなくて私が代わりに(借りた)」と答えた。住所を元に戻しておけ、という両親の言葉から、金を貸した先輩に対して電話をしたところ、「親に助けてもらえば解決できる額だ」と、他人事のように言われ号泣してしまう。結局、ミジョンが借金を肩代わりして完済し、住所を戻すことにした。


 そのことを知ったクは、その男の名前や住所を聞くがミジョンは答えようとしない。「自分が言いたいことも言えない人にどう決着をつけろというのか」と、クに自分の思いをぶつける。そして今、クに対して思うように言えているのは、ミジョンがクは自分のことを好きだと知っているからだと言った。さらに金を貸した男の前でも言いたいことを言えるように、自惚れるくらい崇めて私を変えてほしいとぶつけた。対してクは、自分にどれだけミジョンが影響を与えているか、自分の価値に気づくように優しく言葉をかけた。


 さらに同僚にクの魅力を聞かれると、ミジョンは「殻がないの」と言った。礼儀正しくても本心が見えない人はいるが、クはそうではない。彼女は今まで自分が想いを寄せる人がいてその人と一緒に困難を乗り越えているのだと自分に錯覚させてきたが、今は残業で辛い時でもクがそばにいてくれる。思わず「ヨム・ミジョンの想像は現実になる」と嬉しそうに口に出していた。


 また、今回の解放クラブでも一人一人の、心にこびりついてしまった想いが言葉にすることによって解放された。サンミン(パク・スヨン)は、「時計ばかり見てしまう」と告白した。充実した一日にしようという思いで時間に追われるものの、何もしない一日が続く。そういった日々に気づいた時、心臓の鼓動がドクンドクンとゆっくり聴こえるのだと言う。そして、自分のペースを保つのが自分にとっての解放ではないかと言った。一方でテフン(イ・ギウ)は、「弱い気持ちからの解放」をテーマに、幼い頃に両親が他界し、いじめを受け弱くなったと感じた経験から、母親のいない娘も同じ思いをしているのではないかと考えていた。「弱い自分から解放されれば娘も強くなれるかもしれない」と呟いた。


 何より、クの正体も今度こそ明らかになろうとしている。何者かがサンポ市のガソリンスタンドでクを目撃し、「ク社長がいました」と言う。クは一体何の社長だったのか、何から逃げているのか、かなり危険な匂いが漂い始めた。


 その他、ギジョンの恋も大きな展開を迎えることになる。テフンに告白しようと決意したギジョンは、チャンヒにダメだった場合はバイクでぶつかるなどして気絶させてほしいと言うのだった。記憶を失えば、告白が失敗したことを忘れることができるからだ。結果としては、気絶することなく手にヒビが入っただけで、ただ心の痛みと共に身体と痛みまで残ることになってしまった。しばらくは苦しくて眠れなかったと話すギジョンだが、どこか吹っ切れたような表情をしている。「すっきりした」と言う彼女の目線の先には虹が出ていた。


 本当に少しずつだが、3兄妹の人生はゆっくりと前に進んでいる。いいことだけではなく、たまには転んでしまうような道でも着実に進んでいる彼らを応援したい。


(伊藤万弥乃)