月の手取りが30代で20万円以下でも、心に余裕をもって暮らしている人もいる。千葉県に住む30代後半の男性(サービス系/未婚)は「行政の受託業務をする民間会社の契約社員」で、手取り月17万3000円、年収およそ250万円だというが、
「メリハリのない長時間労働を続けていた頃に比べれば、持続可能性を感じられるし、楽に生きられている」
と何かふっきれている様子だ。男性は自身の生活と今後の方針を、キャリコネニュースに明かしてくれた。
※キャリコネニュースでは「手取り20万円以下の人」にアンケートを実施しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/6V8RFE22
「疲れきって退職して数か月~1年ほどのんびりする」を2回ほど
男性は現在、「奨学金を月2.2万円返済しているので余裕はないが、パートナーと同居しているので成りたっていると思う」と語る。
「職場でお昼を食べると気がつまるので毎回500~600円の外食をすることと、趣味の読書(漫画含む)に月3、4000円あてるのはやめられない」
こう楽しみを明かし、日々の生活で我慢し過ぎているわけでもないようだ。というのも、
「過去10年ほどソフトウェア開発の仕事をしていたときは、年収400~530万円ほどあったため、その頃の貯金のお陰で精神的にはあまり苦しくない。むしろ、メリハリのない長時間労働を続けていた頃に比べれば、持続可能性を感じられるし、楽に生きられている」
と過去に苦労した日々と、ある程度の蓄えがあることを打ち明けた。
「これまで、疲れきって退職して数か月~1年ほどのんびりすることを2回やってきたり、いまの社会福祉系の仕事をしながら通信大学で心理学を学んだりしてきたが、それができるのは貯金があるから。長時間労働はもう御免だが、あの頃の蓄えがあってよかったとは思っている」
と率直な気持ちを語る男性。早期リタイアというほどではないが、働き過ぎたおかげでゆるい働き方や学び直しが可能になったようだ。
「心理系の資格を取得できる大学院に進学するか検討中」
今後については「いまの仕事の専門性を高めるために、心理系の資格を取得できる大学院に進学するか検討中」だという。ただ、収入アップのためというよりあくまでやりたいことを無理せずやるというスタンスのようだ。
「結果として将来的に収入が上がればそれに越したことはないが、この業界は薄給、不安定なので、あまり期待はしていない。社会構造として現在の賃金があるのであれば、賃金相応の仕事をしつつ、無理をしない範囲で他に収入を得る手段を考えたいとも思う」
と落ち着いて見通しを綴っていた。