トップへ

安東弘樹のクルマ向上委員会! 第54回 デフロックに歓喜? 安東弘樹、レクサス「LX」でオフロードを攻める!

2022年05月04日 11:31  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
愛車「ジムニー」で林道を走り回っている安東弘樹さんは、レクサスの新型「LX」でオフロードコースを走るとどう感じるのか。レクサスが富士スピードウェイに作った特設コースにて、新型LXの「LX600“OFFROAD”」に試乗してもらった。電子制御を切ると、表情が一変!?



※文章はマイナビニュース編集部の藤田が担当しました。


○電子制御がスゴい! でもいらない?



悪路走破性、耐久性、どこへ行っても帰ってこられる信頼性はLXの持ち味。新型では伝統のボディオンフレーム構造を維持しつつ、対地障害角(アプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレークアングル)は従来型と同等を確保。マルチテレインセレクト(MTS)では路面状況に合わせて「AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCK」の6つのモードが選択可能だ。凹凸の激しいオフロードや滑りやすい路面を走行する際には、ドライバーが選択した5段階の速度設定に合わせて駆動力とブレーキ油圧を自動で制御してくれる「クロールコントロール」が頼りになる。



「普段はジムニーでオフロードを走っているので、そことの差を感じたいですね」。安東さんはワクワクした面持ちでオフロードコースに入った。


※まずは「LX600“EXECUTIVE”」の後席に乗り、オフロードコースを完熟走行する安東さん。



同乗したレクサスの技術者:「LX600“EXECUTIVE”」は世界中のどんな道でも楽に上質に走れる、安らげる空間を目指しました。レクサスとして、オフロードには本気で取り組んでいます。



安東弘樹さん:なるほど。ところで、サンルーフがパノラマルーフではない(後席の頭上にまで広がるような大きさではない)んですけど、何か理由があるんですか? 後席の快適性に特化したモデルだと、前席よりも後席の乗員に開放感を提供しなければならない様な気がするのですが……。



後席で聞き耳を立てるマイナビニュース編集部:(まず最初にそこが気になるんだ……)



レクサス技術者:新型LXは屋根をアルミルーフにして軽量化を図っています。サンルーフに関しては、何をやりたかったかというと低重心化で、パノラマルーフも検討したんですが、そうすると重心がかなり上にずれてしまうので、このようにしました。ただ、お客様からパノラマルーフの要望があることは認識しています。


レクサス技術者:日本ではこうしたオフロードはめったにないんですが、海外だと例えば、パイプラインを敷設する企業の役員が現場を見に行くときなどに、安らげる空間を提供したいというのが「LX600“EXECUTIVE”」の考え方です。



安東さん:確かに、ハリウッド映画でもそういうシーンをよく見ますもんね。後席に乗っているのは悪い人が多かったりしますけど(笑)。これまで、そういうシーンはレンジローバーの独壇場でしたけど、そこを何とかという気持ちもあるんですか?



レクサス技術者:ぜひ、LXを使ってほしいです(笑)。海外の大統領がSUVに乗っていたりしますけど、日本の要人は大体、セダンやミニバンだったりするので、LXにも乗っていただきたいですね。



※ここで車種を交代。「LX600“OFFROAD”」を安東さんが運転してコースイン



安東さん:回転半径はどのくらいかな。ジムニーのつもりで走ると、ちょっとまずいですよね。



同乗したLexus International Takumiの上野和幸さん(オフロードの「匠」):ジムニーに比べると大きいんですが、電動パワステを採用していますので従来型に比べハンドルは軽いですし、切り遅れは軽減できるかなと思っています。LXは全長が5mを超えるクルマですが、ホイールベースはそこまで長くありません。ホイールベースは長くなればなるほど悪路走破性が悪くなるんですが、LXは初代からホイールベースを踏襲しています。



急な下り坂に差し掛かりますので、クロールコントロールで1km/hをキープしてみてください。初速が速いと途中で減速するのが難しいので、ゆっくり入って車速を上げていきます。クロールコントロールは4輪をコントロールしていますので、横滑りが発生しにくいんです。フットブレーキだけだと4輪をロックしてしまって横滑りが発生したり、滑り出したら止まらない部分もあるので、この機能は役に立つと思います。慣れていない方はアクセルを踏み過ぎることがあるんですが、クロールコントロールであれば安心して走ることができます。



安東さん:思いっきり行ってみたいという誘惑はありますけどね(笑)。


安東さん:ランドローバーも採用していますが、車体の下をモニターで見られる機能は便利ですね。気になっているのはメーターです。なんだか、古式ゆかしい感じがしますが。



上野さん:これも信頼性を高めるためです。伝統的な悪路走破性を意識して、こういうメーターにしました。



安東さん:あえて?(内心:ランクルと共用のメーターだからではなく?)



上野さん:あえてです。メーター類は必要最小限の「針」(アナログメーターの針のこと)を残すべきと判断しました。見たい情報が液晶メーターの画面を切り替えないと見られない、というのではなく、燃料や電圧など必要最低限のメーターは残そうという考えです。


上野さん:荒れた路面での乗り心地、当たりの柔らかさにはこだわりました。



安東さん:エアサスですか?



上野さん:油圧で、「アクティブハイトコントロール」というシステムを採用しています。



安東さん:オフロードを走っていると、やっぱりディーゼルエンジンが欲しくなりますねー! あと、電子制御を切って、自分で全部やりたくなってきます。



編集部:でも、楽しそうですよ?



安東さん:もちろん楽しいんです。ジムニーとのアプローチの違いが面白いですね。例えばジムニーだと、基本的には4駆にするとデフも何も直結になるので、ブレーキングで強引に曲げたりするのですが、LXは全部、クルマがコントロールしてくれている感じです。

安東さん:ところでLXのオーナーさんって、どのくらい、こういうこと(オフロード走行)に興味があるんですかね?



編集部:カッコよくて買う人が大半だとすると、こういう道を経験せずに一生を終えるLXもたくさんあるんでしょうね。



上野さん:日本だとオフロードを体験できる場所が少ないのは確かです。ただ、「LXはここまでできる」ということを体験できる場所は絶対に必要だと思っているんです。スポーツカーにとってのサーキットのようなもので。



安東さん:おっしゃる通りですね。例えば芸能人の方で、ジープ「ラングラー」に乗っている方ってけっこう多いんですけど、話を聞いてみると、「四駆に入れたことが1回もない」っていう方が大半なんですよ。「怖くて触れない」という女性もいらっしゃいました。日本にサーキットはいくつかありますが、クルマのオフロード能力を試すことができる場所は少ないので、絶対的に必要だと思います。



実はTBS社員時代、『王様のブランチ』という番組で、御社の「ランドクルーザープラド」とのタイアップでオーストラリアにロケに行ったときは、正に「そこら辺に」自由に走れるオフロードが転がって(?)いましたから(笑)。「オーストラリアで走っているプラドは幸せだな!」と思ったのを覚えています。日本は山岳国家ですが、自由に走れるオフロードは林道以外はほとんどありませんし、その林道すら、かなり減っていますからね。しかも、このLXで入れる林道はかなり絞られます。日本全国で10カ所未満でしょうね。



※ここでコースを移動。今度はモーグルセクションを特徴とするコース。途中には2つのタイヤが宙に浮くようなシーンも。


○デフロックで無敵に!



同乗したレクサスの技術者:基本はローレンジで、マルチテレインセレクト(MTS)は「AUTO」にして走っていきます。AUTOだと路面に合わせて判断して、自動で制御してくれます。



安東さん:普段はリアにLSDを装着したマニュアル(MT)のジムニーで、電子制御は一切なしでオフロードを走っているので、違いが面白いですね。同じオフロードを走るにしても、全く違うクルマといった感じです。



レクサス技術者:クルマの素の状態でしっかりと性能を上げるため、デバイスなしでの訓練も行っています。そこでクルマに足りないものを探り、アイテムなどをチューニングするんです。



安東さん:何もしなくていいというのは、非常に不思議な感覚です。



編集部:クルマがいろいろとやってくれることが、不思議な感覚なんですか?



安東さん:そうですね。気持ち悪いといえば気持ち悪いですね(笑)。クルマに任せるということが、普段はあまりないので。



編集部:万人が乗れるという意味では、クルマが全てやってくれた方がいいんでしょうね。



安東さん:もちろんそうなんですが、ただ、慣れていない人がこういうオフロードに走りに行くかというと、ちょっと疑問です。



レクサス技術者:安東さんはオフロードに慣れていらっしゃるようなので、今回の試乗会では初の試みなんですが、デバイスなしで乗ってみます? 運転を見ていても大丈夫そうなので、MTSを切って、ブレーキ制御なども入らない状態で1度、試していただければと思いますが。



安東さん:デフロックはできるんですか?



レクサス技術者:できます。センターデフは全車標準で付いていますし、「LX600“OFFROAD”」にはフロントとリアのデフロックもあります。



安東さん:(センター、フロント、リアのデフロックをオン)あ、いいですね! いい! 全然、違います。要は、こういうことです。ああ、いいですね! やっぱり、デフロックがいいです。



(レクサス技術者に向かって)教えてもらって、ありがとうございます。全く、イメージが変わりました。デフロックができるということで本物の、オフロードを走る人たちを相手にしていることがわかりました。


レクサス技術者:オフロードナンバーワンでありたいというのは、やっぱりあります。安心安全のために先進的なデバイス類は入れているんですけど、やっぱり、そういうニーズにも応えたいので。



安東さん:デフロックした途端、自分の好きな速度でグイグイ走りますね。細かい電子制御よりも私は断然、デフロックがいいですね。ありがとうございました。助かります。もう、盤石ですね。がっちりと駆動系がつながっているので。まさに自分の考えた通りにモーグルを超えられます。まさかランクルだけでなく、LXにもデフロックが付いているとは。



レクサス技術者:クルマをコントロールできる方ならデフロックでいいと思うんですが、初心者の方とか、いろいろなお客様がいらっしゃることを考えますと、両方を兼ね備えたいんです。



安東さん:ありがとうございます。感謝です。楽しかったです。



編集部:オフロードをガッツリ乗られましたけど、途中でデフロックがあることに気づいてからは、印象がガラッと変わった感じでしたね。



安東さん:はい。やっぱり私は、電子制御よりも物理的な装置で走る方が安心できます。



編集部:ただ、フロントとリアのデフロックのスイッチは、目立たない場所に付いていましたね?



安東さん:オフロード車にとってデフロックのスイッチは大切で、例えばメルセデス・ベンツの「Gクラス」であれば、インパネの最も目立つ部分に設置されています。考え方が違うのかもしれないですね。



編集部:レクサスにオフロードのイメージはほとんどなかったんですけど、今回は富士スピードウェイに特設コースまで作って、購入者にもオフロード体験を提供していくそうなんで、かなり本気みたいですね。武器のひとつとしてオフロードを育てていきたい、みたいな。



安東さん:メーカーさんがオフロード試乗会を開催するのは、とってもいいことだと思いますね。日本のユーザーはほとんどが本格的なオフロードを走らない、というか走る機会も場所もないわけですけど、自分のクルマの潜在能力を体験するチャンスがあるのは、嬉しいことですからね。それに、災害が多い日本において、自分のクルマの性能を知っているかいないかは死活問題になるのではないでしょうか。



安東弘樹 あんどうひろき 1967年10月8日生まれ。神奈川県出身。2018年3月末にTBSを退社し、フリーアナウンサーとして活躍。これまでに40台以上を乗り継いだ“クルママニア”で、アナウンサーとして初めて日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。 この著者の記事一覧はこちら(安東弘樹)