2022年05月03日 06:11 リアルサウンド
上野樹里演じる主人公の杏花が、亡き母の遺言から父(松重豊)に巻き込まれ、親子でダブル婚活をするオリジナルストーリーで描くTBS火曜ドラマ『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』が5月3日に第3話を迎える。
【写真】田中圭撮り下ろしカット5点
同作で、杏花と起業セミナーで出会ったバツイチのシングルファザー東村晴太を演じているのが田中圭だ。杏花と晴太の“サム”な関係が転がり始めた第3話を前に、田中にインタビュー。久々の恋模様を描く作品への参加について、そして撮影現場の雰囲気や「婚活」についても語ってもらった。
■久々に「恋」の物語に「テンションが上がりました」
――話題作が多いTBS火曜10時枠ですが、オファーがあったときはどのような気持ちでしたか?
田中圭(以下、田中):久々に「恋」の話なのでテンションが上がりました。夫婦の「愛」の話はやっていましたが、そこに辿り着く前のキュンキュンや、劇中に出てくる「サムな関係」のドキドキなど、「うわ~! 楽しそう!」って思いました。
――久々の恋愛ドラマということですが、感覚などは取り戻してきましたか?
田中:第1話のときに、土井(裕泰)監督と「自分の中にある感覚を利用して演じていますが、実際こんな感覚を味わったのは何年前かわからないですよね」と話していて。自分の過去の体験もありつつ、想像でやっていることも多いかなと。一歩、晴太という役を離れると「いいな~、晴太と杏花」という気持ちでいます。
――ご自身が晴太と似ているなと思う点はありますか?
田中:似ているところは見た目くらいで……あまりないですね(笑)。晴太って「俺なんか」って思い込みが激しいのですが、相手のことを気遣ったりもするので、良いも悪いも含めてすごく優しいんです。なので、自分との共通点はそこかな(笑)。
■「松重豊さんは匠です」
――共演者にはベテランの方々が揃っていますが、撮影はどういった雰囲気で進んでいますか?
田中:監督陣、スタッフ陣がとても優秀で、現場は9割以上巻いて終わるんです。第1話の婚活パーティーのシーンも、あんなに人がいて、樹里ちゃんと松重さんの感情的なシーンもあるのに、撮影がすごくスムーズでした。でも、長回しや芝居の返しどころが深く、1シーン1シーンしっかりと作り込んでいて。撮影が順調でみんな早く帰れるので、スタッフ・キャスト共にすごく精神状態が良く、最高な現場で楽しく撮影できています。
――今作で再共演となった、主演の上野樹里さんの印象はいかがでしょうか?
田中:樹里ちゃんは唯一無二というか、普段は天然っぽいのに、本番で急にとてもかわいい杏花になるんです。そういうときハッとさせられますし、本当に晴太が心を奪われる瞬間は、素直に反応していきたいなと思っています。樹里ちゃんが生きる杏花と僕が生きる晴太がリアルに恋心を募らせていければ、視聴者の方に応援していただけたり、すごく共感してもらえる作品になるんじゃないかなと。樹里ちゃんと共演歴も長いですし、うまく作っていきたいです。
ー-ライバルの不破颯役は磯村勇斗さんが演じられています。
田中:磯村くんは初めての共演で、以前から彼の作品を観ていて素敵な演技をする方だなと興味があったので楽しみにしていました。会う前は役のイメージ的にツンツンしているのかなと勝手に思っていたのですが、すごく素直な方で。お芝居を作る上でも一緒に構築していく感じがあって、「そっちがそう来るならこうします」のような言葉ではなくて、芝居で変化させてくれる方なのでやりやすいです。今後、感情をお互いにむき出しにするシーンとか、もっとバチバチする関係が展開していく場合は、どうなるのか楽しみです。
ー-娘と婚活をする杏花の父役の松重豊さんはいかがですか?
田中:松重さんはもう熟練の技と言いますか、匠です(笑)。
ー-井川遥さんとも婚活パーティーのシーンで絡みがありましたね。
田中:井川さんとはCMで何度か共演させていただいているのですが、お芝居の作品で共演させていただくのは初めてでした。一瞬しか絡みがなかったですが、すごく嬉しくて楽しかったのを覚えています。
■「たんたん」の兄の正体に驚き!?
――大人な共演者の方が多い一方で、鈴木楽くん演じる虹朗との親子関係もとても楽しみです。
田中:僕、鈴木福くんの弟さんだということを全く知らなくて(笑)。お母さんだろうなと思って、「たんたんはお芝居の練習どうやってしているの?」って聞いたら、「お兄ちゃん!」と言われて。「あ、お兄ちゃんが付き合ってくれるんだ、優しいね。お兄ちゃんいくつ?」って聞いたら「高校生です」って言うから、僕の勝手なイメージですが高校生でいろいろやりたいことがいっぱいあるだろうに、お芝居付き合ってくれる優しいお兄ちゃんだなと思って。しかも、ものすごくダメ出しとか、アドバイスされるって言うので「兄ちゃんなんでそんなに言えるんだ!」って思ってました(笑)。
ー-お兄ちゃんの正体はどのようにしてわかったのですか?(笑)
田中:磯村くんから教えてもらいました。学校に行きながら撮影しているのに、楽くんは習い事もしていて。「1週間のスケジュールはどうなってんの?」というくらい頑張っているので、今回の作品で「楽しかった!」と思ってほしいし、思い出深い作品の1つになったらいいなと思っています。
――「たんたん」ってお呼びになられていますが、楽くんは田中さんのことを何と呼ばれていますか?
田中:「田中さん」かな(笑)。この前、番宣のインタビューで「けいけい」と呼ぶ流れもあったのですが、その時からはまだ呼ばれていないですね(笑)。「虹朗」と「お父さん」っていう僕らだけの呼び名があるので、それでも構わないんですけど。
――共通の話題はあるんですか?
田中:ないんですよ。「好きなご飯何?」と聞いたら「チャーハン!」って。すごく小学っぽくてかわいいなって思ったら、その次に「自分で作る」って言ってて。すごいなと思いました(笑)。
――和気あいあいとしている親子関係が伝わってきました。現場ではムードメーカー的な存在の方はいらっしゃいますか?
田中:松重さんも樹里ちゃんも磯村くんも、それこそ僕も、みんながそれになり得ると思うので、あまり考えていないというか。誰1人として目立った動きはしていないです。大人にしかわからない会話ばかりするわけでもなく、たんたんもいるし、みんなで何気なくしゃべるというのが多いと思います。コロナ禍でこれだけみんな気を付けながら撮影している中では、コミュニケーションは取れている現場だと思います。
■「人ってみんないい奴じゃない?」
――ドラマのテーマが「婚活」ですが、今まで婚活にどういうイメージを持っていましたか?
田中:別にないかなぁ……。ただ自分の周りにいる、40歳を過ぎて「婚活だ!」とよく女性と食事に行っている人たちには、理想はあるんだろうけど、たぶんそこしか見えていないんだろうなと思いますかね。彼らとは出会ってから5~6年経ちますが、ずっと「結婚したい」と言い続けていて「この人たちは本当に結婚したいのだろうか」とは思います(笑)。
――何かアドバイスはされるんですか?
田中:たくさんしてますよ。でも、その彼はカッコつけるんですよね。最初にそれをしてしまうと、ずっとカッコつけ続けないといけなくなると思って。さらけ出して良いところと、カッコつけなきゃいけないところのバランスが彼は下手だなと思っているので、それは言ってます(笑)。
――「婚活」は初対面の人と多く接しますが、田中さんは初対面の人との接し方で気を付けていることはありますか?
田中:僕は人を疑うことがなくて、すぐ人のことを信じてしまう。昔は「そんなことまでこの人に話しちゃっていいの?」って周りにビックリされていましたし、仲間内でよく怒られていました。
ー-今はその考えに変化はありますか?
田中:変わろうとはしたんですけど、根本は変わらず、「人ってみんないい奴じゃない?」ってどうしてもどこかで思ってしまうんです。歳を重ねて、シンプルに悪い人もいるなっていうのも分かりますが、人と人との出会いはご縁だと思っています。
――最後に今後の見どころを教えてください。
田中:杏花さんと晴太の面白い出会い方から関係がスタートして、回を重ねるにつれて想いが膨らんでいきますが、ずっとすれ違うんですよ……。とにかくもどかしい、歯がゆい2人の関係が続きます。かわいいところもあったり、イラつくところもあったり、きっと共感できるところもいろいろあって。そこにお父さんの勘違いや、颯という最強のライバルが現れて、すごく面白い作品になると思っています。今期はTBSドラマが全てオリジナル作品で、『マイファミリー』や『インビジブル』とは毛色が違う恋の話になっていくとは思うんですが、視聴者のみなさんと同じで僕らも最後はどう着地するのか分からないので、本当に一緒に楽しんでいけたらと思っています。
(取材・文=二瓶花)