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『マイファミリー』那須雄登、「自分をなくして役になりきりたい」 櫻井翔からエールも

2022年05月01日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

那須雄登『マイファミリー』(c)TBS

 ジャニーズJr.・美 少年の那須雄登が、日曜劇場『マイファミリー』でTBSドラマ初出演を果たしている。


【写真】アオヒーローを演じた那須雄登


 事務所の先輩である二宮和也との初共演のもと、那須が本作で演じているのは、新人刑事の梅木司。今回、那須へのインタビューでは役作りのプロセスから役者のおもしろさまで、本作の現場で先輩俳優から受けている刺激をたっぷりと語ってくれた。(編集部)


■櫻井翔からのエールも


――嵐の二宮和也さん主演ということで、憧れの櫻井翔さんとドラマについてお話ししましたか?


那須雄登(以下、那須):櫻井くんには、「ドラマやらせていただきます」と直接お話しする機会がありました。「すごい! 頑張ってね」と言っていただいて、めちゃくちゃ嬉しかったです。励みになりましたし、モチベーションにも繋がりました。


――撮影の緊張感に加えて、今回は先輩との共演という意味でのドキドキもあるのではないでしょうか。


那須:やっぱり事務所の先輩との共演は、さらに緊張しますね。しかも、小さな頃から『山田太郎ものがたり』(TBS系)だったり、二宮くんのいろんな作品を観てきたので、余計に緊張します……頑張らなきゃなって。ただ、プレッシャーは日々感じていますけど、それよりも「もっとお芝居をこうしたいな」といった気持ちの方が強いかなと思います。


――二宮さんのお芝居を間近でご覧になっていかがですか?


那須:カメラが回っていないときは、本当にいつものバラエティーとかで見るような二宮くんで、現場を回してくれて。でも、本番が始まるときにはスッと役に入られる。その瞬発力がすごいなと思います。


――現場で何かお話しされましたか?


那須:がっつり共演するのは今回が初めてだったので、「なんでジャニーズ入ったの?」とか、家族構成とかを聞いていただきました。


――お芝居についてアドバイスも?


那須:お芝居の話をしたいなと思ってるんですけど、最近お会いできていなくて。なので、次に会ったときは「台本を読んで何をされるのか」とか、「撮影の当日、何を思ってメイクされているのか」とか、細かいことをいっぱい聞きたいなと思っています。


――先輩に話しかけるのは、緊張しますよね。


那須:ノウハウみたいなものをズケズケ聞いてもいいのかな、どうなんだろうな、と思って聞けないんです。でも、聞きたいです(笑)。


――梅木は新人刑事ということで、玉木宏さんをはじめ捜査一課メンバーとの共演シーンが多いと思います。


那須:本編の撮影が始まる前に、第1~3話の平野(俊一)監督に「初めての警察官役」というお話をしたら、「玉木さんの佇まいを見ていれば、きっと何かつかめるはず」と言ってもらえました。実際、現場が始まると玉木さんが“葛城さん”としてそこに存在していらっしゃるので、共演すればするほど僕もしっくりくるというか。そういうお芝居をされている玉木さんは、本当にすごいです。


――現場の雰囲気も良さそうですね。


那須:玉木さんも柔術をやられているので、ご親交のある岡田准一くんの話をさせてもらったり、仲良くさせていただいています。すごく穏やかで、メリハリがある現場だなと思います。


■その怖さにどう立ち向かえるか


――今までで印象に残っているシーンを教えてください。


那須:第1話で、犯人に電話で誘導された鳴沢夫妻が(車から)ベビーカーを出すシーンがあるんですけど、そのベビーカーを温人が開けないっていう。あの描写に、温人が今までお仕事を優先してきたんだろうな、というものがぎゅっと詰まっていて、めちゃめちゃリアルだなと思いました。


――細かなところまで、すべてご覧になっているんですね。


那須:この作品には(役者の)教科書みたいなすごい方が集まっているので、各話を何周もしています。


――たとえば、役者さんの表情に惹き込まれるような場面はありましたか?


那須:第1話の賀来さん(三輪)と濱田さん(東堂)が多部さん(未知留)と対面するシーンで、未知留が「お金を貸してほしい」という話をしたときに、最初は「冗談だろ」みたいに学生時代からのノリでわちゃわちゃしていたけれど、未知留の真剣な表情から何かを感じ取った三輪が一瞬で深刻な状況を把握する。あの瞬間の賀来さんのお芝居がすごく好きで、そのシーンは何回も何回も繰り返し観ました。


――自分にインプットするような感覚?


那須:そうですね。本当に、もう盗むしかないと思っているので。


――現場に居るときも、常に「盗みたい」というお気持ちで?


那須:自分が映っていないシーンのときにも、モニターのところに行ってちょっと見させていただいたりしています。実際に見て、その場の空気感を盗みたいなと。素晴らしいお芝居をされる方々ばかりなので、すごく勉強になりますし、本当にありがたいです。


――演じる梅木をどのような人物と捉えていますか?


那須:梅木は仕事への熱量はあるんですけど、どこか空回りしちゃって、若干空気が読めないところもあって、“今どきの若い男子”の雰囲気が満載な気がします。喋り方も「~ですね」ではなく「~っすね」だったり、節々に今どきの男子感が出てるかなと思います。


――役作りのプロセスについても聞かせてください。


那須:まず最初にセリフを暗記して、その後に状況を考えたり、「梅木はこういう気持ちなんだろうな」と想像したりして、それをちょこっと台本に書き込みます。それができたら、家でボソボソッと声を出しながら練習する、という感じでやっています。


――現場には、どの程度キャラクターを作っていく?


那須:僕は作り込みで7割ぐらい、現場で3割くらいだったんです。でも、その割合について今すごく悩んでいて。それこそ、この現場に入ってみなさんのお芝居を見ていて、現場で役作りをする割合を増やしたいなと思うようになりました。そのためにも、現場でのコミュニケーションをもっと大事にしたい、というのが芝居をする上で今一番の課題です。


――作らずにいくというのは、ちょっと怖さもありますよね。


那須:そうなんですよね。その怖さにどう立ち向かえるかが勝負かなと思っています。


■「頑張らなきゃいけない節目の年」


――アイドルと俳優ではアプローチの仕方が異なると思いますが、役者にとって大切なことはなんだと思いますか?


那須:いろいろな方がいらっしゃると思うけど、僕は“自分”をなくして役になりきることが大切なのかなと思っています。二宮くんとかは、特にそうだと思うんですよね。お芝居しているんじゃなくて、そこに居るのは温人でしかない。そんなふうに、その瞬間、自分が消えるくらい役に入り込めたらいいなと思います。


――アイドルとしてキラキラしている二宮さんとは、やっぱり違いますか?


那須:違いますね。もちろん現場でも、ふだんはめちゃくちゃかっこいいんですけど、お芝居中は二宮くんが居なくなっちゃいますから。


――お芝居の機会が増えている中、どんなところに役者の面白さを感じていますか?


那須:ずっとお芝居については悩みっ放しなんですけど、それでもちょっとの手応えを感じるときがあって。「ここ、ちょっとうまくイケたかな」と思えることがすごく嬉しいんです。自分のお芝居が、少しでも作品を彩れていたらいいなと思っているので。それに、オンエアを観ると課題はもちろん感じるけど、作品に出られていること自体が嬉しいなと思います。


――SNSには、「豪華キャストの中に那須くんがいることが嬉しい」といったファンからの声もたくさんあがっています。


那須:ファンのみなさんには“僕”としてではなく、ぜひ“梅木”として見てほしいなと思うし、作品がとても面白いので、本当に隅々まで見て楽しんでほしいです。今年は20歳になって、頑張らなきゃいけない節目の年。この作品を経て、一皮むけた自分を見せられたらいいなと思っています。


(取材・文=nakamura omame)