ああ、それにしても不景気だ。金持ちも貧乏人も、みんな口をそろえてそう言っている。貧乏人が言う「不景気」には当人の努力不足の面もあったりするが、金持ちがそんなことを言い出すといよいよ危険信号。
ちなみに僕は当然、努力不足の貧乏人だ。なのでこの不景気感については半分ぐらいは自分のまいた種と思い込んでやり過ごすことにしている。まあその、こういうご時世なのであまり上を見ないようにして生きるってのも大事な処世術なのかもしれない。今日はそういう境地に至った人を紹介しよう。(文:松本ミゾレ)
「人生疲れたからこれで落ち着いた」
先日、5ちゃんねるに「40歳男性中小企業経理年収530万円。毎日定時上がり。もうこれで良いよ」なるスレッドが立っていた。
スレ主は以前、会社に1週間こもり、その代わり残業代は全額支給するという職場に勤務していたこともあったそうだが、それに比べると今の待遇で満足しているという。
現在は結婚し、子供もおり、夫婦共働き。定時上がりなら子供の面倒や家事も十分こなせるだろうから、まあ悪くないのかなぁうところ。
当人も「プレッシャー強い職場は無理、何度も辞めた」や「ネームバリューや年収良くても無理」と書き込んでいる。働くことを過剰に神聖視する人ってたまにいるけども、どんな仕事も大体自分の代わりはすぐに用意されるものなんだから、スレ主のような人がいてもいいよね。
定時上がりで年収も500万を少し超える程度なら、それはそれでいいんじゃないかと思うところだ。本人は周囲の同世代と比べて年収が低いと感じているようだが、「人生疲れたからこれで落ち着いた」と書いている。
毎日定時上がりはそれだけで羨ましい
本スレッドには、スレ主の立場をうらやむ意見も結構多かった。ちょっといくつか、引用させていただきたい。
「自分は28歳で年収同じくらいだけど今すぐ仕事やめたい 厳密にはエンジニア辞めたい 英語勉強したくない もうお先真っ暗 40とか仕事してるかわらかない」
「毎日定時上がりは羨ましいなあ 年収は700超えてるけど 定時で上がれる日が滅多にないのちゅらい」
「でもまあ楽なら良いじゃん。俺41歳で900万くらいだけど年々仕事に対するプレッシャーがエグいから、数年後に病んでないか不安すぐる」
こんな具合で、スレ主より稼いでいる人からも羨ましがられている。僕だってこういう人は「いいなぁ~」って思っちゃうなぁ。やっぱり定時上がりって、自分がサラリーマンやってたときでも夢のまた夢みたいなものだったし。
……にしても、不景気で給料は上がらない、仮に上がったとしても税金も爆上がり、定時退社は夢のまた夢ってどんな状況なんだろうか。その苦労って、何のための苦労なのか? とか考えちゃうと頭がおかしくなってしまいそうだ。
僕の彼女も結構残業多い仕事をしているが、下手すると朝7時に出て22時前に帰宅するなんてこともある。繁忙期はほぼ毎日そんな感じ。これじゃ仕事をするためだけに生きてるみたいで、健康面が心配でならない。
どうせ何やっても不景気なんだから、いっそ定時上がりが当たり前になればいいのにね。え? 無理? 了解。