「どうして中年男性は俺通信をするのだろう」
[はてな匿名ダイアリー]に投稿された、こんなボヤキがネットで話題を呼んだ。50代というこの女性のもとには、仕事関係の知人や友達(既婚者)たちから「本当にどうでもいい写真」が送られてくるそうだ。中には「辞めて」と言ってもしつこく送ってくる人もいるという。投稿主はもはや愛想も尽きたようすで「お前らのそれはコミュニケーションではない」と怒りを表明していた。(文・ふじいりょう)
既読スルーは、はばかられる?
「俺通信」は、男性から一方的に送りつけられる、自己中心的なLINEメッセージを指す言葉で、2015年ごろから広まった。この扱いづらいメッセージにどう返せばいいのかは、女性誌でもしばしば話題になっている。今回話題になった投稿で挙げられていたように、なんの脈絡もなく突然「ぐちゃぐちゃの自炊」「居酒屋のメニュー」「コンビニ弁当」の写真1枚がポンと送られてくるというのは、典型的な「俺通信」だといえそうだ。
投稿した女性は「奴らの考えている事がわからない」と綴っていたが、「本当に意味不明ですよね」と同意するのは、都内の会社で総務をしている30代のKさん(女性)だ。
「缶ビールの画像が送られてくるというのは、『あるある』って(笑)。一度か二度会ったことがある程度の人ならば即ブロックにしますけれど、職場の人でしかも上司や先輩だと既読スルーするのもアレなので、何か適当なスタンプを返してます」
Kさんは、特にその男性たちから恋愛対象として見られている自覚はないという。
「他の部署の人とも関わりがあったり、社員有志の集まりに行ったりして、知らないうちにLINE交換していたという人から送られてくることが多いような気がします。でも、プライベートで食事に誘われたことがあるというわけでもないので……。反応に困ります(笑)」
「俺通信を送ってしまう人」の言い分
一方で、営業職のアラフィフ男性のOさんは、この匿名ダイアリーを読んで「反省した」と明かす。
「酔った勢いで送ったメッセが『俺通信』だったのかも、と思いました。自分としては楽しい気持ちを共有したいという感じだったのですが、返信があると嬉しくなっちゃって、ついついまた送ってしまうということが正直ありましたね」
送った相手に恋愛感情があるのか聞いたところ、
「好意が全くないといえば嘘になりますけれど、どっちかといえば親しみを持ってほしいという感覚だったかな。それほど深いことを考えてメッセしていないので……」
というような答えが返ってきた。
この男性の場合、「好みの異性へのアピール」という側面もなくはないが、受け取る相手がどう思うかを考えた上での行動ではなかったようで、それはつまり送りつける相手への興味やリスペクトが薄いことが表れているのかもしれない。「俺通信」に苛立つ人が絶えないのは、そういった関心の薄さ、敬意のなさが、メッセージからも伝わってしまうからではないだろうか。
Oさんは、「これからは酔ってLINEしないようにしたい」と話すが、次のように付け加えた。
「やっぱり、お酒飲んで楽しくなっちゃうと送ってしまうかもしれない。そういう時は既読スルーでも全然構わないので、嫌わないでもらいたいですね」
おいおい……結局送るのかよ! まあ、誰しも寂しくて甘えたくなるタイミングはあるだろう。しかし、酔っぱらいからこんなメッセージを送られた人の気持ちにも思いを馳せておかないと、いつか人間関係を「ブロック」されてしまうかもしれないぞ……。