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1ヶ月2万円から出品可能、ラフォーレ原宿が破格の自主編集売り場を開設した狙いとは?

2022年04月27日 21:42  Fashionsnap.com

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ラフォーレ原宿が、4月28日に営業を開始する自主編集売り場「愛と狂気のマーケット ~“おもしろい”才能の出会い系~(以下、愛と狂気のマーケット)」の内部を公開した。自社運営の売り場を開設するのは2004年9月にオープンした直営店「サイド・バイ・サイド(Side by Side)」以来約18年ぶり。「狂気=才能」として個性豊かなクリエイターやブランドの作品を集積し、新たなカルチャーの創出を目指すという。

 愛と狂気のマーケットは、1ヶ月2万円から出品できる一般参加型の売り場として展開。ジャンルや年齢、性別、国籍は問わず、商品の送付のみの出品にも対応する。ラフォーレ原宿のスタッフが接客や会計を行うため、出品者は好きなタイミングで来店して接客できるのも特長の一つだ。作品展示のみの参加も受け付けている。
 売り場はB0.5階の「ランドバイミルクボーイ(LAND by MILKBOY)」などのブランドが並んでいた中央と右手側に配置(※ランドバイミルクボーイを含む一部ブランドは移設)。面積は同フロアの約半分を占める。店内には大・中・小スペースのほかにボックス、ロッカー、ラック、ウォールといった7つのカテゴリーを用意し、作品の特性に合わせて選べるようにしている。出品期間は1ヶ月単位で選択可能。25歳未満の若手クリエイターには出品料割引を適用する。展示区画は最大80を想定している。
 ラフォーレ原宿の担当者によると、コロナ禍で街の人流が大きく変化する中で「強い来店動機」が課題となっていたという。従来から個性派ブランドを多数誘致しカルチャーを発信し続けてきた同社は「個人がカルチャーを作る」という考えのもと、新区画では個人の才能にフォーカス。ディレクターには軍地彩弓を迎えた。スタッフの制服は植木沙織が手掛ける「スリュー(SREU)」が担当した。

 オープン時は約70のクリエイターやブランドが参加。25歳未満の出品者は10人以上集まり、米原康正がキュレーションするコラボ専門のブランド「+DA.YO.NE.」や、アニマルオブジェをアップサイクルした椅子「ファーニマル(FURNIMAL)」を手掛ける七彩といった著名なアーティストや企業もラインナップに名を連ねている。担当者は「こんなに世の中におもしろいクリエイターがたくさんいるということを実感した。ECやSNSは自分の好きなテイストを見ることが多いと思うが、リアルショッピングは新しいものに出会えることが良い点。ここでしか出会えない作品を集積することでリアルショッピングならではの高揚感を提供したい」と意欲を示した。応募は随時受け付けており、スマートフォンから手続きを行うことができる。現在までの応募総数は200弱ほどあるという。担当者は「売り場を実際に見ていただけたら、さらに応募は増えるのではないか」と期待を寄せる。
 原宿の一等地で1ヶ月2万円で作品を出品できる愛と狂気のマーケットは、ラフォーレ原宿にとってもチャレンジングな企画になったという。「儲けることより新しい才能をインキュベーションすることが目的。原宿は地価が高く、レンタル料が1時間単位でも2万円を超えるようなところもある。個人規模のブランドはなかなか進出しにくい中で、このチャレンジを評価していただけたら嬉しい」(担当者)。同売り場でラフォーレ原宿が得意とする「ニッチ」さをより追求することで来館を促したい考えだ。

■愛と狂気のマーケットオープン日:2022年4月28日(木)場所:ラフォーレ原宿 地下0.5F店舗面積:222.83平方メートル公式サイト