isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
まーささんによる「上半期の恋愛占い」、星乃せいこさんによる「2022年の運勢グラフ」も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
「上半期恋愛占い」「年間運勢グラフ」はこちら 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
甕となり、葦となる
今週のおひつじ座は、こういう未来を実際に体験したいという、強烈な渇望に立ち返っていこうとするような星回り。
『ゆく春やうつろの甕を草の上』(長谷川春草)という句のごとし。よき季節である春も去ろうとしている。そして作者の目の前にはいま、青々とした草の上にからっぽの甕(かめ)が置かれているのだという。
作者は「うつろの甕」に現在の自分の姿を重ねている訳ですが、一方で、かつては甕になみなみ注がれていた酒の味やその馥郁たる香りを想像し、未来において再びわが身を満たすだろう喜びやしあわせを思い描いているのかも知れません。
今週のあなたもまた、何によって自分は心から充たされるのか、その具体的なとっかかりを心に思い描いていくべし。
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きちんと戦うということ
今週のおうし座は、偽りの教えから改めて抜け出していこうとするような星回り。
童話では、アラジンが魔法のランプをこすって突然大金持ちになったり、宮殿やたくさんの宝石が魔法の杖の一振りで現われたりします。こうしたバカげた、大げさな教えを大人になっても真に受けているような人間なんているはずがないと普通は考える訳ですが、実際にはそうではありません。
事物との戦いを通じて初めて、何らかの豊かさを得ることができるのだと認識している歴戦の大人たちよりも、かわいらしい言葉をかければ自分が望む贈り物を受けとることができるのだと信じ込んでいる、「大きな子どもたち」の方がずっと優勢なのです。
今週のあなたなら、ただ微笑み、受けとり、お礼を言うだけですべては済むと思い込む代わりに、ツルハシを手に果敢に自然に挑みかかっていかんとする方を、改めて選択していけるはず。
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めぐりあう時間のそばで
今週のふたご座は、ごく近くで起きているせめぎあいに気が付いていくような星回り。
『テーブルの下椅子の下春の闇』(高浜虚子)は、作者が84歳の時の春の句で、『灯をともす指の間の春の闇』が同時作。「春の闇」という言葉の使い方から、不意にみずからの日常において死の気配を感じとっての一句でしょう。
それまでは抽象的で、遠いものであった死が、次第にみずからの日常に近いところで具現化しつつ、ひたひたと忍び寄ってくるのを感じている。人間がひとり生かされているという現実が、自然との絶えざる戦いにおいて一時的に成立している奇跡なのだということが、はじめて実感されてくるのかも知れません。
今週のあなたもまた、失ってからはじめてその有難みが分かるということを、一足はやく先取りしていくことになるはずです。
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笑われて自由になる
今週のかに座は、良い言い方をすれば中立、悪い言い方をすれば仲間外れになっていくような星回り。
マツコ・デラックスさんの人気の秘密である、踏み込んだ毒舌と絶妙なトークスキルが一体何に支えられているのか。本人は2014年に刊行された自著の中で、「差別されているから笑われてるし、仲間外れだから許されてる」という見出しのなかで、分析しています。
この一節で述べられていることは、歴史学者の網野善彦が指摘しているように、「異類異形」といわれた、覆面や蓑笠姿の中世の悪党や山伏などの無縁者の本質とぴったり重なっている。彼らもまた差別されているがゆえに自由であり、異類異形鎌倉末・南北朝期の動乱における活動が根強く肯定されていったのです。
今週のあなたもまた、みずからの立ち位置を考えていく上で、マツコ的なるものを参考にしていくといいでしょう。
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真実一路
今週のしし座は、大人の階段をのぼっていくような星回り。
『敵ばかりわれには見えて壮年と呼ばるる辛きこの夏のひかり』(永田和宏)という歌のごとし。あからさまに自分の行く手に立ち塞がり、こちらを威嚇してくるかのように見える影もあれば、味方に見えてじつは敵という可能性がちらつく影もある。怖いのはむろん後者。
とはいえ、同性であれ異性であれ、敵に囲まれたことのないような人間というのは、人生において何かと真剣に向き合うということをまだ知らないのであり、その意味で、「壮年と呼ばるる辛き」と詠われているような一時期を過ぎてはじめて、本当の意味で人生は始まっていくのだとも言えます。
今週のあなたもまた、そうした世界線にみずから入り込んでいくべし。
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自分で自分を癒していくということ
今週のおとめ座は、個人的な病みをこえて、文化の病い、時代の病いを引き受けていこうとするような星回り。
河合隼雄は、病いがある人が箱庭をつくると強いインパクトを受けたり、それが変化していく様子を見ると、素人でもその展開の意外さに気付いたりする一方で、普通に暮らしている人が箱庭にそれらしく自分の世界を構築したものは、見事なまでにおもしろくないのだそうです。
病んでいればいい作品が作れる訳ではなくて、それを表現するだけの力もきちんと持ち合わせていないと、疲れとか恐ろしさだけがダーッと出るばかりになってしまう。河合はさらに、時代の病いとか文化の病いというものを引き受けることで初めて、その人の表現は普遍性を持ってくるのだと言っています。
今週のあなたもまた、異常と健常のバランスをとるだけでなく、そこでいかに世界観を深められるかという問題に直面していくことになるでしょう。
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戸惑い、それは哲学の始まり
今週のてんびん座は、心中に陽炎がのぼっていくような星回り。
『裏山にかげろふを飼う女かな』(間村俊一)という句のごとし。「かげろふ」とは、光と影が微妙なたゆたいをみせる大気中の光学的現象、「裏山」というのも、少なくとも何事もない日常とはどこで断絶してしまった場所であることを匂わせていて、それがより一層「かげろふを飼う女」の異様さ、妖しさを際立たせています。
おそらくは、この「女」とは作者のこころのなかに棲んでいる、求めても手の届きようのない存在であったり、ときにひどく自分の心をかき乱してくる存在。日ごろ懸命に何事もない“ふり”をしている作者が、無性にそちらへ裏返りそうになっているさまを、そのまま詠いあげているような節があります。
今週のあなたもまた、いつもと異なる動きをする自分のこころに、どこかで戸惑いを覚えていくことになるかも知れません。
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川の流れのように
今週のさそり座は、他人をコントロールする動きを減らしていこうとするような星回り。
若年性アルツハイマー型認知症の当事者である丹野智文さんは、あるインタビューのなかで、障害者はしばしば健常者のおもう「正義」や「やさしさ」を実現するための道具となってしまう傾向があるということを指摘しています。
周りの人のやさしさが当事者を知らず知らずのうちに追い込んでいくというケースは、実際あまりにも当たり前に起きているもの。これまで、あまりそのおかしさに対する指摘自体が行われてこなかったように思います。
今週のあなたにとっても、相手の力を信じ、任せるということがテーマとなっていくでしょう。
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理性を立て直す
今週のいて座は、小さな現実で満足するか、それさえも見落としてしまうか分かれていくような星回り。
『鳥篭の中に鳥とぶ青葉かな』(渡辺白泉)は平和な初夏の、庶民的なワンシーンをイメージさせる一句ですが、この句が敗戦から2年ほどたった頃に詠まれたものであると知ったとき、その解釈は否が応でも変化せざるを得ないはず。
この句が詠まれてから、70年以上が経ちました。しかしいくら時代が進もうとも、主権在民や男女平等というものは「篭の中の鳥」のようなものなのかも知れません。ただそれでも、はじめから無理なものは無理なのだと匙を投げるか、目の前のささやかなよすがをもとに、篭を抜け出すチャンスを虎視眈々と狙っていくかは本人次第。
今週のあなたもまた、いま現在自分が置かれている立場や現実に思わぬ落とし穴はないか、改めて目を光らせていくべし。
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泉となって湧きだす
今週のやぎ座は、ハイデガーの言う「頽落」を見直していくような星回り。
例えば、世間話というのは天気の話だったり昨日見たテレビの話だったり、必ず「みんな」が分かるようなことしか話されず、口を挟むようなことはあってはならない。そこでは、その時どきのみんなの論調に合わせて関心や話題は次々と移り変わり、軽薄な好奇心が転がるままに、本人の立場や意見が曖昧なまま、自分たちが世間や「みんな」に属し続けていることをひたすら確認していく訳です。
こうした「世間話」「好奇心」「曖昧さ」の3つに特徴づけられる生き方こそが、世の人が抗うこともむなしく飲み込まれているものであり、ハイデガーはそれを「頽落(たいらく)」と呼びました(そのまま訳せば「没落」ないし「退廃」)。
今週のあなたもまた、そこから完全に抜け出すことは難しく、どんどんその深みにはまりがちな「頽落」と自分との距離感を今一度確認していくべし。
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知識より推しを語れ
今週のみずがめ座は、知識などなくても気持ちの強さで押し切ってしまうような星回り。
『春尽きて山みな甲斐に走りけり』(前田普羅)という句のごとし。本来は動かないはずの山が、いっせいに疾走しているかのように感じるのは、それだけ作者が夏のおとずれを楽しみにしているからでしょう。他ならぬ自身の抑えきれないはやる気持ちが、無言で静まっていた山をも動かしてしまったのです。
細かい技巧など凝らさずとも、気持ちひとつでこうして1つの世界観を成立させてしまうところが、何と言っても俳句の面白さと言えるのではないでしょうか。
今週のあなたもまた、自身の深いところで揺れ動いている気持ちや衝動をきちんと捉えていきたいところです。
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偶然発、必然行きの汽車にのろう
今週のうお座は、非直線的で、非系統的な思考の流れに身を任せていくような星回り。
ブルースを譜面の形で本格的に広め「ブルースの父」と呼ばれたW・C・ハンディは、1903年の米国南部ミシシッピ州の町はずれのとある鉄道交差点で深夜に汽車を待っていたときの体験をもとに、『イエロー・ドッグ・ブルース』という曲を作ったとされているそうです。
当時の黒人労働者たちは南部の鉄道網を唯一の移動手段として利用しながら生きていた訳ですが、そうした移動感覚や交差感覚は、やはり旅の途上で耳にした老人の「ブルース」を元にした曲を譜面に落とし、それが各地のミュージシャンのあいだに広まり、根付いていったプロセスとも重なって、ブルースという精神運動の本質を形成していったように思います。
今週のあなたもまた、無数の意味の遊戯的な祝祭をつくりだしながら一気に爆発していくブルース・ソングのように、様々な文脈とからみあい、響きあっていくべし。
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