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JR東日本「高輪ゲートウェイシティ」まちづくり、高輪築堤も生かす

2022年04月22日 06:01  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
JR東日本は、4月21日に「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」のまちづくりについて発表。同日にJR東日本本社ビル「JRホール」にて記者発表会を実施した。


同社は品川開発プロジェクトの第I期として、「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」のまちづくりを推進している。江戸への玄関口としての役割を担った歴史的背景と、国内初の鉄道が走った地のイノベーションの記憶を継承し、羽田空港アクセスの利便性も高いという地域の特性から、開発コンセプトに「Global Gateway」を掲げ、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」となる街をめざす。



また、高輪ゲートウェイ駅周辺を開発する過程で発掘され、国の史跡に指定された高輪築堤を現地で保存した上で、まちづくりに生かすことにした。構築当時の文献調査等にもとづく保存・活用方法の検討を進めるとともに、最新技術を活用し、当時の高輪築堤の景観を体験できる展示等の取組みを通じて、まちづくりとの両立を図るとしている。


記者発表会で登壇したJR東日本代表取締役社長、深澤祐二氏は、「鉄道文化を発展させながら、未来のくらしづくりを行いたい」と語った。この街を分散型のあたらしい働き方・くらし方をつくる拠点とし、「アップデートし続ける街でありたい」と考え、それを支える情報統合・AI活用・3Dモデル活用の都市OSのプラットフォームをつくっていくとの方針を示した。



第1の方針として、「実験・実証を通じたビジネス・文化創造」を掲げる。深澤社長によると、「ビジネスやコミュニケーターをつくりだし、街全体でそれをモニタリング、日本各地に広げていきます」とのことだ。第2に「地域・パートナーと育む未来の街」をつくる。高輪築堤のような地域遺産を継承し、一方で新しい取組みの実証実験も行うという。これに向けて、一般社団法人高輪ゲートウェイエリアマネジメントが設立されている。第3に、このエリアを「分散化社会におけるネットワークのハブ」としたいと述べた。


2024年度末に複合棟Iと高輪ゲートウェイ駅周辺エリアが開業し、2025年度内に複合棟IIと文化創造棟、住宅棟が開業する予定。「2025年3月を楽しみにしてください」と深澤社長は語った。



「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」のシンボルとなる文化創造棟は、建築家の隈研吾氏が外装デザインを手がけた。記者発表会にて、オンラインで説明を行った隈氏によると、「『つなぐ』という考え方がそのまま建物となっています」とのこと。100年先に文化をつないでいくということをコンセプトに、緑あふれるように建物を設計し、四季とともに表情が変わる。公園と一体になった低層建物で、展示施設やホールを備える。


その文化創造棟におけるプログラムを企画・運営するための組織として、キュレーターの内田まほろ氏を「一般財団法人 JR東日本文化創造財団」の準備室長に招いた。「未来をつくる、文化を生み出す、伝統をつなぐこと目的とします」と内田氏は語り、「鉄道でつながっているという強みを忘れてはなりません。それで文化を運ぶということをしていきたいです」と意志表明した。



「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」では、開発コンセプトである「Global Gateway」を実現するため、ラグジュアリーホテルやインターナショナルスクール、コンベンション・カンファレンスも設置する予定となっている。


高輪ゲートウェイ周辺は今後、JR東日本のネットワークを生かした日本中・世界中をつなぐ拠点となり、ビジネス・文化が生まれ続ける街となっていく。(小林拓矢)