「中学まで不登校の時期があり勉強がついて行けず、地元の偏差値の低い高校に進むことになった」
という男性(東京都/30代後半)が、キャリコネニュースに自身の経験談を語ってくれた。まず学区で機械的に分けられている中学から、勉強の出来不出来で学校が分けられる高校に進むと「衝撃を受けることが多かった」と男性は明かす。
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「ヤンキーはヤンキーで困ったものだけど、おとなしい人はとにかく無気力」
男性が進学した高校は「まず、1時間席に座っていられない人がいる。流血沙汰のケンカも日常茶飯事で、他校の不良グループが乱入してくることも…到底平成時代の出来事とは思えません」という荒れた環境だった。
「ただ、ヤンキーはヤンキーで困ったものだけど、おとなしい人も真面目かと言えばそうでもなくて、とにかく『無気力』なんですよ。先生や大人から小馬鹿にされても何とも思わなかったり、将来の目標はおろか、日々の楽しみや趣味、何かに興味を持つということも全然なくて」
かくいう自身も「その無気力な方の学生」だったという。しかしある時、一念発起する。
「このままでは一生地元から出られず、希望する仕事に就けないどころか、世の中にどんな仕事があるのか、どんな生き方があるのかも知らないまま一生が終わると思って」
大学進学を決意した男性は、「猛勉強して都内の私大(明治大学)に進むことができた」と明かした。当時、一般受験で大学へ進学した生徒は男性一人だけだったというから、相当な努力と果敢なチャレンジだったことがわかる。
「自分との育ちの違いや習慣の違いに愕然」
入学後は、別の衝撃が待っていた。「大学は今まで生きてきた世界とはまるで別世界」だったという。
「ケータイを見たりする人はいたけど、90分も座って先生の話を聴ける人しかいないことにまず驚いたり、話をしていても、読んできた本の数が全然違かったり」
「また、これまでの人生で経験したことに対して『感じたこと』『考えたこと』を、ちゃんと言語化して経験値にするというのを、幼い頃から自然とやっている人ばかりで、改めて自分との育ちの違いや習慣の違いに愕然としたのを覚えています」
大学で、これまで生きてきた世界とのギャップにショックを受けた男性。現在はサービス系企業(企画・マーケティング・経営・管理職)で正社員として年収600万円で働いている。環境が人をつくる側面を実感したようで、最後に
「高卒者を一概にまとめることはもちろんできませんが、やはりそういった『生産性の高い習慣』と、読み書き能力が問われる学力にはある程度の相関関係があるように思います」
と持論を語っていた。