上司が部下に対して適切な業務を割り振れない会社では、新入社員の定着率が低くなるのも当然だ。埼玉県の30代男性(素材・化学・食品・医薬品技術職/年収650万円)は、
「前人事部長が仕切っていた時代、全員が適性を完全無視した部署へ配属されました」
と、その惨状を振り返った。(文:草茅葉菜)
※キャリコネニュースでは「新入社員が定着しない職場」をテーマにアンケートを実施しています。回答はこちらから。 https://questant.jp/q/QP2L8EDA
「ド文系が理系の研究職、コミュ障気味な研究職志望者に飛び込み営業」
男性の会社では、前人事部長が仕切っていた時代の新人定着率が「ゼロ」だったという。部長は「マルチなスキルを持つ社員になってもらう」との目標を掲げ、
「有名どころの原子記号しか分からないド文系が理系の研究職、接客バイトすらしたことないコミュ障気味な研究職志望者に研修もなく一人で飛び込み営業」
といったあまりにも極端な人員配置を行っていた。そして「どこの部署も適性や知識が皆無の新人が来るので業務が滞っている」中、
「新入社員には積極的に難易度の高い業務をやらせてスパルタ方式で鍛えろとのお達し」
まであった。中途採用者の場合にも、「研究職で採用されたのに総務部に配属されるような求人詐欺状態」がまかり通っていたという。
全員が適性を完全無視した部署へ配属された結果、 「件の部長がトップだった時に採用された人は新卒、中途問わず誰も残っていない」といい、男性自身も「自分が新入社員の立場なら同じく辞めてました」と振り返る。
「今では彼がトップだった数年間は弊社の黒歴史と化している」そうで、人事のトップが交代してからは業界平均より低い離職率になったという。