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吉野家「生娘をシャブ漬け戦略」の常務を解任 「本音での議論」を推奨も……

2022年04月19日 20:30  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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牛丼チェーン「吉野家」の吉野家ホールディングスは4月19日、早稲田大学主催の社会人向け講座で「生娘をシャブ漬け戦略」などと発言したとされる伊東正明氏を解任したと発表した。伊東氏は株式会社吉野家の常務取締役で、親会社吉野家ホールディングスの執行役員も務めていた。(文:昼間たかし)

「牛丼中毒にする」?

受講生と思われる人物のSNS投稿などによれば「問題発言」があったのは、早稲田大学が主催した計29回、受講料38万5000円の講座の席上でのこと。4月16日の講義で伊東常務は、若い女性を狙ったマーケティング施策を「生娘をシャブ漬け戦略」などと表現した。「田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢・生娘な内に牛丼中毒にする。男に高い飯を奢って貰えるようになれば、絶対に食べない」というような趣旨の説明もあったという。

吉野家ホールディングスは4月19日、「人権・ジェンダー問題の観点から到底許容することの出来ない職務上著しく不適任な言動があった」として、同社の解任を発表。「本日以降、当社と同氏との契約関係は一切ございません」と絶縁状を公表した。

そんな吉野家ホールディングスだが、公式サイトの「グループ経営理念」には、こんな一節があった。

『健全性』

原理原則に基づいた本音での議論をすることで、透明性の高い自由闊達な社風を醸成します。
また、社会倫理やコンプライアンスに背くような行為を許さず、健全であることを目指し続けます。
https://www.yoshinoya-holdings.com/company/group/values.html

伊東氏は、どうやら「本音での議論」は実践していたと思われるが、他のところはすっかり抜け落ちていたようだ。

今回の発言については、さすがの吉野家も「人権・ジェンダー問題の観点からも到底許容できるものではありません」と釈明。ただ、ここまでむちゃくちゃな問題発言は昨今、記憶にないレベル。いくら解任したといっても、このような発言をする人物を重用していたイメージは、なかなか薄れないだろう。

吉野家は1980年に、倒産したことがある。急激な店舗拡大と、味や顧客サービスの悪化が倒産の原因だったと、かつての報道では、こんな風に指摘されている。

「値段を据え置くために、材料費をさらに圧縮しようと、肉はすじ肉、タレは粉末と合理化。これが品質悪化につながり、店の冷暖房もないサービスの悪さも目立ってきた」(読売新聞・1987年2月25日付朝刊)

今回の発言も、倒産前の経営戦略も「顧客をバカにした態度」という意味では共通している。かつての倒産後、吉野家が経営を立て直し、債務を全額弁済するには7年弱かかった。吉野家は今回失った信頼を、どうやって回復していくのだろうか。