「いわゆるDINKs(共働きで子どもを意識的に持たない夫婦)として、贅沢せずに慎ましく暮らすという生き方しか選択しかできない」
こう語るのは、30代前半の男性キャリコネニュース読者(山梨県/IT・通信系/正社員/既婚)だ。なぜ男性はDINKsという生き方を選ぼうとしているのか。(文:福岡ちはや)
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「産まれた子に将来苦労させてしまう未来しか見えない」
男性が子どもを持たない人生を選ぼうとしているのは、「年収およそ300万円、手取り19万円」という経済状況に理由がある。
「子どもを作ることを考えると、教育にまともな金がかけられず、産まれた子に将来苦労させてしまう未来しか見えない。現在夫婦2人で生きるだけでも金がなくてつらいと感じることがあるのに、わざわざ作った自分の子にも同じ思いをさせるのは不憫なので、絶対に子どもは作らないようにしようと思っている」
本当は子どもを望んでいるにもかかわらず諦めるしかないのだとしたら、こんな悲しいことはない。しかし男性と同じような考えを持つ人はほかにもいる。
「1万円生活なんて、すごくもなんともない」
IT・通信系の会社で働く30代後半の女性(東京都/正社員/既婚)は、年収およそ300万円、手取り19万3000円と前述の男性と似た状況にある。彼女もまた、
「子どもは作りません。子どもを育てる余裕がないからです。また、将来まとまったお金が必要になるときが来るのが不安です」
と胸の内を明かした。共働きでも児童手当や高校無償化などの制度があっても、不安が拭えない人は多いのかもしれない。女性は
「昔、1か月1万円生活の番組がありましたが、別にそれはすごくもなんともないし普通です。自分が健康に生きるので完結します」
と極端な言葉の裏に怒りをにじませた。