isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
まーささんによる「上半期の恋愛占い」、星乃せいこさんによる「2022年の運勢グラフ」も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
「上半期恋愛占い」「年間運勢グラフ」はこちら 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
魅力ある人間に惹きつけられる
今週のおひつじ座は、誰が、ないし何が自分を導いてくれるのか、見極めていこうとするような星回り。
「今川焼を焼いている悪魔」と相対していくよう。これは俳優で小説家の戌井昭人が『楢山節考』で知られる、作家の深沢七郎を評した言葉です。彼は職業もコロコロ変わっていたのですが、そうした肩書き以上に得体の知れない男だったとのこと。
どこか懐かしく親しみやすい今川焼と、凍るような冷徹な目線の悪魔が一体化してしまう。現代社会はそうした「もの凄いふり幅の矛盾」を、どんどん許さなくなってきているように思います。
今週のあなたもまた、身近なところであれ、メディアを通してであれ、ある種の根源的な不可解さを感じる相手に惹かれていきやすいでしょう。
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日常に詩を織り交ぜる
今週のおうし座は、使い古したルーティンを鮮やかに蘇らせていくような星回り。
『レタス買へば毎朝レタスわが四月』(小川軽舟)という句のごとし。さっと水洗いしただけの新鮮なレタスの、シャキシャキとした歯ごたえと爽やかな風味を感じたとき、春が来た感動をふっと覚えたり、掲句のような覚悟が芽生えたりする。
しかしそれにしたって、なぜこんな些細なことで私たちは感動するようにできているのか。おそらく、レタスならレタスを語るという行為が、既存の存在のコピー&ペーストではなく、存在そのものを新たに創造し建築する営みとなっているからでしょう。
今週のあなたもまた、日常のなかで繰り返す機会の多い行為や、よく使う言葉ほど、その鮮度が落ちていないか注意深くケアしていくべし。
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神を見る犬
今週のふたご座は、ありもしない自我の牢獄から抜け出していこうとするような星回り。
生きる目的を必要としない動物のごとし。人間は目的なしには生きられないですし、それどころか全生命の貫く進化の原理であれ、日々の仕事であれ、何事においても目的があるかのように振る舞いたがる強固な習性のようなものがあります。
そうした習性を逆に利用されているのが「労働」の現場。しかし、ただ生きているという、それ自体では罪であるかのように考えるのはあくまでキリスト教の得意技であって、人類史的には「労働とは一種の屈辱である」と考えてきた期間や地域の方が一般的だったのではないでしょうか。
今週のあなたもまた、生きているということそれ自体がとてもしあわせで、満ち足りている状態なのだという気付きへと立ち返っていきやすいはず。
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月からこの世を振り返る
今週のかに座は、目に見えない存在にこそリアリティを感じていくような星回り。
『薬盗む女やは有(ある)おぼろ月』(与謝蕪村)という句のごとし。「薬盗む女」とは、中国古代の伝説に登場する嫦娥(じょうが)という女性のことで、当然、それは空想上のおとぎ話として受けとるのが一般的なのですが、掲句ではむしろ存在が強調されています。
天界とは、この世から隔絶したはるか彼方の別世界なのではなく、下界とされるこの世と時と条件次第で重なり合って、ほのかに明るく見えてくるような何かなのかも知れません。
今週のあなたもまた、いつの間にか自分の心の支えとなっていた存在があぶり出されていきやすいでしょう。
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変調か、回復か
今週のしし座は、必然だと思っていたものが、単なる偶然に過ぎないことに気付いていくような星回り。
夏目漱石の小説『門』の冒頭には、主人公の宗助がゲシュタルト崩壊に直面して、精神の変調と結びつける場面が出てきます。
「宗助は肘で挟んだ頭を少しもたげて、「どうも字と云うものは不思議だよ」と始めて細君の顔を見た。「何故」「何故って、いくら易しい字でも、こりゃ変だと思って疑ぐり出すと分からなくなる。この間も今日の今の字で大変迷った。紙の上へちゃんと書いて見て、じっと眺めていると、何だか違った様な気がする。仕舞には見れば見る程今らしくなくなって来る―御前そんな事を経験した事はないかい」「まさか」「おれだけかな」と宗助は頭へ手を当てた。」
この後、宗助は細君に「あなたどうにかしていらっしゃるのよ」なんて言われて、いよいよ居ても立っても居られなくなってしまうのですが、こうした現象はそう珍しいものでも、ネガティブなものでもありません。それは、生きているなまなましい実感への渇望の現われでもあるからです。
今週のあなたもまた、どこかで固まりかけていた意識や現実を、ゆるゆると解放させていくことになるかも知れません。
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影に向かって跳ぶ
今週のおとめ座は、事実に体当たりしていこうとするような星回り。
『花影(かえい)婆娑(ばさ)と踏むべくありぬ峙(そわ)の月』(原石鼎)という句のごとし。「婆娑と」とは、その影がゆらりと揺れ動くさまを形容した語で、ここで作者はそれをただ客観的に説明するところを飛び越えていくのです。
花影になにか作者の心のわだかまりであったり、いつもどこか頭の隅にかかって離れない悩み事が投影されており、作者は正面きって直面してみようとしているのかも知れません。それくらい、この影は濃く、深い。そして、逆説的に空に浮かぶ月は煌々と冴えわたっていたのでしょう。
今週のあなたもまた、相手や物事の表面的な解釈を書き換えようとする代わりに、いつかは直面しなければならない事実にみずから近づいていくべし。
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孤独のためのレッスン
今週のてんびん座は、「孤独」を丁寧にやり直していこうとするような星回り。
ハンナ・アーレントは「孤独」と「孤立」の違いについて、『全体主義の起源』のなかで「独りぼっちの人間は他人に囲まれながら、彼らと接触することができず、あるいはまた彼らの敵意にさらされている。これに反して孤独な人間は独りきりであり、それゆえ『自分自身と一緒にいることができる』。人間は『自分自身と話す』能力を持っているからである」と述べています。
欲望の回転速度に振り切られないよう、みな必死にしがみついていく訳ですが、それは「自分自身と一緒にいる」仕方が分からなかったり、その手応えを積み重ねていく機会に、たまたま恵まれなかったからなのかも知れません。
今週のあなたもまた、たぶん面倒で、扱いづらい自分のそばに改めてとどまり、「一緒にいる」時間を回復にしていくにはもってこいのタイミングと言えるでしょう。
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ザ・ノンフィクションを地で行く
今週のさそり座は、誰かのそこはかとないかなしさを汲み取っていくような星回り。
『春の夜や灯(ひ)を囲み居る盲者達』(村上鬼城)という句のごとし。「亡者」ではなく「盲者」達。作者は聾、すなわち聴覚障害者であり、その立場から視覚障害者の集まりに思うところがあったのでしょう。
掲句の「盲者達」とは現代人のカリカチュアであり、楽しげな会話や喧噪から隔絶したところに置かれた作者は、そんな現代人に群れようにも群れることのできない野蛮人や古代人の末裔とも言えるかも知れません。
今週のあなたもまた、隠された心の痛みに自然と心を寄せていきやすいはず。
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精神のあやしい高揚
今週のいて座は、どこまでも「あやしい共感」に突き動かされていくような星回り。
妻の死に直面し、29歳で牧師の職を辞したエマソンは、今後の人生の目標を探すようにヨーロッパ行きの旅に出ました。彼がパリ植物園でサソリの剥製を見ていると、不意にサソリと人間とのあいだの不可思議な関係に気付かされ、“精神の高揚”つまりある種の神秘体験が起きたのです。そのことについて、エマソンは日記に次のように書いています。
「あのサソリと人間のあいだにさえ、不可思議な関係が存在するのだ。私は内部に、ムカデを、南米産のワニを、鯉を、ワシを、キツネを感ずる。私はあやしい共感に動かされる。『自分は博物学者(ナチュラリスト)になろう』と」
今週のあなたならば、いつもなら類似性や共感を見出しえないような相手や対象に対しても、広い視野に立って“近しさ”を感じていくことができるはず。
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“どこ吹く風”の発動
今週のやぎ座は、長く続いた足踏み状態に終止符を打っていくような星回り。
『きのふとは一日限り鳥雲に』(片山由美子)という句のごとし。私たちはしばしば過去の亡霊に思考をジャックされ、終わったはずの出来事に囚われながら今日という日を生きようとするところがあります。
その意味で掲句ができたタイミングは、作者にとって過去に囚われて生きることの不自然さや、無理強いがそう長くは続かないこと、そうせざるを得ない自分自身の弱さやちっぽけさを、やっと受け入れることができた瞬間だったのかも知れません。
今週のあなたもまた、冬鳥のように飛び立った「きのふ」=過去とのつかず離れずのいい距離感を探っていきたいところです。
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ありふれた悪へのまなざし
今週のみずがめ座は、この世の中にある悪に対する感度を上げていくような星回り。
チェコの神学者・フロマートカは、自分の自己決定を大切にしていくべきか、自分の外側になにか人生の基準となるものを求めていくべきかという問いに対し、後者の立場をとるのがキリスト教ではあるが、それは目に見えるもので保証されるようなものではないのだと、述べていました。
むしろ、目に見えてはっきりしているものや、理屈で説得できるようなものに従っていく行為こそが悪の根源であり、それは自分と他者との関係において現われるのだと。日常にはいかに悪が充ち溢れているか、そしてだからこそ、悪や悪意が現われてくる構造に敏感にならなければならないということが説かれているのです。
今週のあなたもまた、かつてフロマートカがそうしたように、自分の目を曇らせてしまうだろう陶酔からまず断ち切っていくべし。
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互いに手を取り、共に踊る
今週のうお座は、これしかないという関係性に賭けていくような星回り。
『一枚の皮を脱ぎたき春の朝』(岡田史乃)という句のごとし。土の中から顔を出したと思ったら、あっという間に伸びて若竹となっていくたけのこの春は一瞬であり、まさに特別に新鮮な時間の流れる朝のひとときと一繋がりで結びついています。
季語ひとつに、動詞ひとつがパズルのピースのようにぴったりとはまり込んでいく気持ちよさというのは、日常の人間関係ではなかなか体感することはありません。けれど、こんな句を詠んだあとには、そういうことがあるのかも知れないと自然に思えてくるのではないでしょうか。
今週のあなたにとってもまた、これしかないという結びつきを身の周りの人間関係のなかに改めて見出していくには絶好のタイミングとなっていくはず。
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