■嬉しい初得点に喜ぶMOTOYAMA Racing w/ Team LeMansと片山義章 そんなアウグスト・ファーフスのStudie BMW M4を初めてオーバーテイクしたのは、地元岡山で好走をみせていた片山義章駆るTeam LeMans Audi R8 LMSだった。69周目に混戦のなかでTANAX GAINER GT-Rを先行するとファーフスの背後へ。70周目のダブルヘアピンふたつめのホッブスコーナーでアウトからオーバーテイクを決めた。
「あのコーナーは7号車Studie BMW M4と10号車TANAX GAINER GT-Rがすごく厳しい印象があり、うしろの4号車(グッドスマイル 初音ミク AMG)の谷口選手に突かれるような展開でした。ただ7号車はストレートが速く離されてしまうので、抜きどころを決めました。ダブルヘアピンは辛そうだったので、うまくアウトから抜けました」と片山。
終盤、FCY明けにスピンしかけ、GT500トップのENEOS X PRIME GR Supraと接触するシーンもあったが、見事5位でフィニッシュ。片山にとってはスーパーGTでの初ポイントとなった。
今季チームは本山がよりチームのメインとなり、『MOTOYAMA Racing w/ Team LeMans』とチーム名も改められたが、大活躍での初得点。本山は「最高です」と笑顔をみせた。(RH)
■接触した木村偉織と、アウグスト・ファーフスの会話 終盤、GT300を大いに盛り上げたのが、アウグスト・ファーフス駆るStudie BMW M4を先頭とした5番手争い。一時は8台ほどの集団に膨れあがったが、片山のTeam LeMans Audi R8 LMSがファーフスをかわした後、背後につけてきたのは後方グリッドから追い上げ、集団のなかで木村偉織が駆りオーバーテイクを繰り返してきたARTA NSX GT3だった。
木村はルーキーながら素晴らしいバトルを展開していったが、Studie BMW M4のタイヤは限界を迎えていた。オフの開発の時間がなかったことで、完全に防戦一方に。「まだ僕たちは新しいクルマだし、タイヤのデグラデーションも学びきれてはいない。途中までは5番手で、とても良いレースができていたと思うんだ。だけど、後半は急激にタイヤがドロップしてきて、ポジションを守るのは本当に大変だった」とファーフスは振り返った。
ファーフスは片山にかわされながらも、ポイント圏内を守るべく粘りをみせていた。しかし70周目、ヘアピンでブレーキングしたStudie BMW M4の背後につけたTANAX GAINER GT-Rがアウトから迫る一方、インからターンインしたARTA NSX GT3がStudie BMW M4のリヤにヒット。ファーフスはストップ、ARTAはボンネット、さらにペナルティでのタイム加算でポイントを失ってしまった。