吾峠呼世晴原作によるTVアニメ「鬼滅の刃」のイベント「鬼滅祭 ~アニメ参周年記念祭~」が、去る4月16日と本日17日に千葉・幕張メッセで開催。本記事では16日のステージプログラム「鬼滅の宴 -遊郭編-」のレポートをお届けする。
【大きな画像をもっと見る】生配信、ライブビューイングも行われたイベント「鬼滅の宴 -遊郭編-」には、竈門炭治郎役の花江夏樹、竈門禰豆子役の鬼頭明里、我妻善逸役の下野紘、嘴平伊之助役の松岡禎丞、宇髄天元役の小西克幸が、キャラクターをモチーフにした衣装で出演。「遊郭編」の最終回後に“もし次回予告があったら”という設定の朗読劇を交えながら、「遊郭編」での宇髄と炭治郎たちの出会い、道中や、花魁として潜んでいた上弦の陸・堕姫、同じ上弦の陸で堕姫の兄・妓夫太郎との死闘などを、生アフレコで披露した。
オープニング映像ののち、花江、鬼頭、下野、松岡、小西が、作中の舞台となる遊郭をイメージしたステージに登場。「遊郭編」のダイジェスト映像に合わせた生アフレコから、イベントがスタートする。朗読劇に切り替わると、「途中から覚えていないよ! 何があったのー!!」と騒ぐ善逸、「いろいろあって疲れたなあ。なんだかまだ、整理がつかないや」とつぶやく炭治郎の様子などが描かれる。そこで宇髄が最初から何があったのかを思い出させてやると意気込み、「ド派手に語り尽くしてやるぜ!」と声を響かせると、会場は暗転。シークレットゲストとしてAimerが現れ、バンド演奏とともに「遊郭編」のオープニングテーマ「残響散歌」を歌い上げる。思わぬゲストに会場からは、大きな拍手が送られた。
宇髄と炭治郎たちとの出会いのパートでは、宇髄と竈門兄妹が初めて顔を合わせた柱合会議、善逸、伊之助が宇髄と出会った蝶屋敷での模様が、生アフレコで展開される。朗読劇では竈門兄妹の第一印象が最悪だったという宇髄に対し、善逸は「俺たちだって蝶屋敷であなたに会ったとき、第一印象、最悪でした!」、伊之助は「やべえ奴が来たと思ったぜ」と反論。花江演じる炭治郎も、任務のため、蝶屋敷で働くアオイとなほを連れ去ろうとした宇髄に「あれは人さらいですからね、あれはやめたほうがいいですよ」と訴える。アオイたちの代わりに鬼がいる遊郭へ向かうことになった炭治郎、善逸、伊之助が、一足先に走り去る宇髄に追いつこうとする場面では、演じる花江たちもその場で走りながらセリフを掛け合っていく。遊郭に到着するなり、テンションが高くなる伊之助と善逸。松岡演じる伊之助が息を荒げながら「猪突猛進!」と言い、通行人にぶつかっても止まらず、走り続ける様子がコミカルに表現された。
続いて遊郭に潜入するため、女装をすることになった3人のエピソードを朗読劇で展開。おかめ顔になった花江扮する炭子、下野扮する善子、松岡扮する伊之子のビジュアルがスクリーンに映し出されるやいなや、会場は笑いに包まれた。潜入後の3人について、忍獣・ムキムキねずみから報告を受けていたという宇髄が、炭子、伊之子の働きを褒めると、善逸が「あたいは稽古ごとの練習、めちゃくちゃしました!」とアピール。それを聞いた宇髄は「ちょうどいいものがあるなあ」と、善子が得意だったという三味線を手に取って渡す。「いい演奏をしたら、竈門妹が見直してくれるかもしれないぞ」という宇髄の言葉に、「うんうん」とうなずく禰豆子。その姿を見た善逸が「禰豆子ちゃん! 俺、君のためにがんばるよ!」と、ステージに用意された台に座り、三味線を構える。三味線の音に合わせ、一心不乱に“エア三味線”を弾く下野の姿に、会場からは笑いと温かな拍車が巻き起こった。
上弦の陸・堕姫との戦闘を振り返る朗読劇パートに突入。宇髄から「(嫁の)まきをと須磨を助けてくれたこと、感謝するぜ」とお礼を言われる伊之助、善逸だったが、善逸はそのときのことを思い出したくないと、突然パタリと寝てしまう。寝ると本来の力を発揮する善逸。伊之助が「まさか、いい感じになるのかお前」とツッコむと、善逸は「感謝されるほどのことはしていませんよ。鬼殺隊士として当然です」と同一人物とは思えぬ態度で返答。それを見た伊之助が「やっぱり、寝るといい感じだな」と返し、観客の笑いを誘う。そして第5話「ド派手に行くぜ!」、第6話「重なる記憶」、第7話「変貌」での激闘シーンなどを、生アフレコで披露。「やれるかじゃない、やるんだ!」「燃やせ燃やせ燃やせ、心を燃やせ!」と、1人で堕姫に立ち向かう炭治郎、共闘して堕姫の帯の鬼と戦う善逸と伊之助、傷付きながらも抗う禰豆子の姿が、本編映像とともに迫力たっぷりに再現された。また技を繰り出す場面では炎や花火などの演出も添えられ、生アフレコの臨場感を高める。
イベントの前半戦を終え、小西、鬼頭、下野のチーム、鬼頭、花江、松岡のチームに分かれてトークパートを展開。下野が「トークのことよりも、台本と三味線に夢中になっちゃって」と話すと、小西から「三味線はどうでしたか?」と話を振られる。下野が「実際に弾いている方の手元や持ち方を習って、散々シミュレーションしたんですけど、難しかったです。一般的なリズムと違うので、何回やっても合わないんですよ。皆さんに『クスクスクス』と笑ってもらえて振り切れました」と答えると、横で見ていた鬼頭は「カッコよかったですよ、弾いているかと思いました」と褒める。またメイクや衣装などの細かいこだわりにも言及。小西は宇髄を模した爪を見せながら、「48年間生きてきて、初めてジェルネイルをしました」と打ち明けた。
2019年にも開催された「鬼滅の宴」。前回よりも生アフレコパートが増えていることについて花江が「リハーサルでも120%くらいの力をだしてやったんですよ。でも皆さんを前にすると、足りなさを感じてしまって」と語ると、松岡も「みんなやりたがりだから」と同意する。会場内には4月16日、17日ともに企画展示エリアを設置。開場前に展示を見たという花江は「無限列車や遊郭をモチーフにしたセットが組まれていて、1日じゃ見きれない。気合いが入っているなと感じました」と絶賛した。「遊郭編」での戦いの話になると、花江は「まだ弱いかもしれないけど」と述べたうえで、「炭治郎たちが作中で叫んでいるのは、成長の証でもあるんですよ。『無限列車編』では猗窩座と煉獄さんとの戦いに彼らは一切介入できなかったし、叫ぶどころではなかったので。でも今回は3人で死にもの狂いで戦うシーンが多かった」と言い、「アフレコもイベントも叫んで大変だけど、やり終えたあと、アニメを見終わったあとに、炭治郎たちに背中を押してもらえるような、休み明けもがんばるぞというような気持ちになれる」と語った。
イベントも後半戦となり、堕姫、そして妓夫太郎との怒涛の戦いを生アフレコで再現。第8話「集結」での妓夫太郎と宇髄、炭治郎の攻防、堕姫になかなか近づけない伊之助、善逸の苦闘、第9話「上弦の鬼を倒したら」での炭治郎、伊之助、善逸の総力戦、伊之助の奮闘、第10話「絶対諦めない」での炭治郎と禰豆子のエピソード、堕姫と妓夫太郎の首を斬ろうと戦い抜く炭治郎たちの姿などが、花江、小西、下野、鬼頭、松岡の迫真の演技によって蘇る。最後は勝利を迎え、後半戦は終幕。その後再びAimerがステージに登場し、エンディングテーマ「朝が来る」を披露した。
さらにイベントでは「『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編」の第1弾PVを初解禁。シークレットゲストとして、時透無一郎役を演じる河西健吾、甘露寺蜜璃役を演じる花澤香菜がステージに現れると、会場は再び大きな拍手に包まれる。宇髄から「こいつらを頼む」と任される無一郎、甘露寺の朗読劇が展開され、「これからどんなことが待ち構えていても、精一杯がんばって生きるんだぞ! ド派手にな!」と宇髄が炭治郎、伊之助、善逸を鼓舞するシーンが描かれる。最後は花江、小西、下野、鬼頭、松岡が笑顔で挨拶をし、ステージは終焉を迎えた。
なお4月16日のステージプログラム「鬼滅の宴 -遊郭編-」、17日のステージプログラム「鬼滅の宴 -無限列車編-」の模様は、4月24日までアーカイブ配信にて視聴可能。詳細は公式サイトで確認しよう。
※禰豆子の禰はネに爾、煉獄の煉は火へんに東が正式表記。
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