レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1が“亀のよう”に遅いアストンマーティンのセーフティカーをスピードアップさせるよう望んでいる。フェルスタッペンはF1第3戦オーストラリアGPで他のドライバーと同様に、タイヤを温めるのに苦労していたのだ。
F1のセーフティカーはオーストラリアGPの決勝中に2回出動した。レース2周目にカルロス・サインツがコースオフ(フェラーリ)したときと、23周目のセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)のクラッシュの後だ。
フェルスタッペンは2回のリスタートとも、レースリーダーであるシャルル・ルクレール(フェラーリ)の後方2番手を走行していたが、2度目のリスタートの際にはハードタイヤの温度を上げるのに苦労し、アストンマーティンのセーフティカーのペースが遅かったことに批判的だった。
「グリップがほとんどなかったし、セーフティカーはとても遅く、亀のようだった。信じられないよ」とメルボルンでリタイアしたフェルスタッペンは語った。
「損傷したクルマはなかったのに、バックストレートを140(km/h)で走行していた。なぜそれほどゆっくり走らなければならないのか理解できない。調査するべきだよ!」
昨シーズンまで、F1はセーフティカーの供給をメルセデスにのみ頼っていたが、昨年アストンマーティンと商業契約を結んだことから、メルセデスとアストンマーティンがF1の23戦のスケジュールでセーフティカーの任務を分担することになった。
メルセデスのセーフティカー『メルセデスAMG GT ブラックシリーズ』は730bhpで、すでにバーレーンGPとサウジアラビアGPで使用されたが、不満は聞かれなかった。だがフェルスタッペンによると、パワーがやや劣るアストンマーティンの4リッターV8ツインターボの『ヴァンテージ』の出力は528bhpで、メルセデスのセーフティカーより遅いという。
「メルセデスのセーフティカーの方が速いのは確かだ。余分の空力性能があるからだ。そのためにアストンマーティンは本当に遅いんだ。もっとグリップが必要なのは間違いない。僕たちのタイヤは冷え切っていたからね」と現世界王者のフェルスタッペンは述べた。
「今のところ、セーフティカーの後ろでの走り方はかなりひどいものだ」
ルクレールもフェルスタッペンと同じ見解を示したが、ルクレールはセーフティカーのドライバーを務めるベルント・マイレンダーが、アストンマーティンのステアリングを握ってベストを尽くしていたように見えるため、不満を言うのを思いとどまったと明かした。
「正直なところ、走行中はいつも遅すぎると感じていた。ああしたF1マシンはグリップが高く、特に僕たちみんなが履いていたハードのコンパウンドではとても難しいことになるからだ」とオーストラリアGPで優勝したルクレールは語った。
「タイヤの温度を上げるのに大いに苦労していた。大変な思いをしたよ」
「正直なところ不満を言いたかった。でもセーフティカーがコーナーでどれだけスライドしているかを確認すると、彼にあれ以上できることはなかったと思う。だからあまりプレッシャーをかけたくなかったよ」
「今のマシンで、セーフティカーの背後でタイヤ温度を維持するのはとても難しいのは確かだ」
オーストラリアGPで3位に入賞したジョージ・ラッセル(メルセデス)は、2種類のセーフティカーの違いについて次のように話した。
「メルセデスAMGのセーフティカーに問題はないよ! 真面目な話、メルセデスAMGはアストンマーティンのセーフティカーより5秒かそれ以上速い。かなりの差だ」