「社長が出社すると媚びる系の営業数人が俊敏に立ち上がって『おはようございます!!!!』面食らったし気持ち悪いと感じた」
と語るクリエイティブ職の30代後半の女性(埼玉県/正社員/年収600万円)。アニメグッズデザイナーとして29歳で中途入社した会社での日々を、キャリコネニュースに語ってくれた。
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社員旅行なのに「自分が楽しむことは考えないでください」
その会社は「新入社員への研修という名の洗脳のようなしごき」があり、「いわゆるブラック系のやるような全部叩き潰して従順な人間を作り上げるそれに似ていた」という。かなり責め立てられるため泣き出す女子社員もいたが、それすら「自己防衛本能だ」と糾弾されるような社内風土だった。
社員旅行も独自の方針がゴリ押しされていたようで、
「その前に社員から『これは慰安旅行ではありません。接待旅行です。自分が楽しむことは考えないでください』と説明があった。そのくせ土日を挟むのに代休があるわけでもなく、旅費はしっかり徴収」
と誰のための社員旅行か意味不明だった。女性は「これの参加前になんとしても辞めたくて2か月半で辞めることに」したと明かす。この旅行について同時期入社した数人から様子を聞いたところ、
「セクハラが横行するかなりひどいものだったらしいが、長年いる人たちはそれが恒例のためセクハラをセクハラとも思っていない様子。あまりに問題が多かったので社長が変わった翌年からなくなったらしい」
というありさまだった。
「常に何をしてるか全員に見張られてるような感じ」
加えてサービス残業は当たり前、クリエイティブ職なのに「電話に出るというノルマ」もあり「出ないと怒ってくる」という職場だった。
「40代とかの中途の男性でも同じようなノルマがあり、一週間で辞めている人もいた。新入社員すら一年持たず半数が辞めていく。いわゆるお菓子飛ばしみたいな陰湿で姑息なことをする人間が何人かいた」
というから、人間関係もぐちゃぐちゃだ。そのうえ上司に密告することが「いいことであるかのような風潮」があったという。
「常に何をしてるか全員に見張られてるような感じで全員が敵のように感じた。育成しようみたいな意識は高いため(間違ったやり方だと思うが)、実際に監視してたのは間違いないし、一挙手一投足、一指動かすのにさえ自分たちのルールに沿ってないと指摘してくるような有様だった」
と息が詰まりそうな職場の雰囲気を明かす女性。やたらと意味のない打合せやミーティングが多かったと振り返り、
「『私やってます!』アピールを如何にするかが目的となっていて、それに時間をかなり割かれ、デザイナーとしても成長ができるような環境ではないと感じた」
と明かす。女性は働き続ける意味をどんどん失っていった様子だ。
ブラックなのは会社というより上司だった?
辞めるときには「上司を呼び出したら呼び出した時点で『非常識だ』と言われた」というが、
「『就業規則を開示されていないのでどのような段取りをしていいかわからなかった』と言ったら一気に語気が弱まった。こちらが法的な知識を持ってると理解し自分たちが不利だとわかったのだと思う」
と上司の態度を振り返る。ちなみにこの上司、色々と問題を起こしていたらしく、女性が辞めた後「一年も経たずにリーダーの座を降りることになった」という。ブラックなのは会社というより上司だったのかもしれない。女性は最後に
「給与は契約社員で月給としては28万程度だった。7年経ったが辞めたことを後悔するようなことは一度もない。むしろ職歴を汚してでもさっさとあんなところを抜けた当時の自分を褒めたい」
とせいせいした様子で綴っていた。