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ハーレーがトレンド変化に対応? 「ST」の2022年モデルは売り切れ寸前!

2022年04月12日 17:01  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
2022年も絶好調のハーレーダビッドソン。「パンアメリカ1200/1200スペシャル」や「スポーツスターS」などの売れ行きが好調だが、2022年モデルのなかにも、すでに生産台数が残りわずかとなった人気のバイクがある。パフォーマンス重視のトレンドにマッチした「STシリーズ」だ。


○トレンド変化を受けたハーレーの最適解



ハーレーダビッドソン ジャパン代表取締役の野田一夫さんによれば、2022年1~2月における同社の登録台数は前年比166%と大幅に伸びている。好調を支えているのは「パンアメリカ1200/1200スペシャル」「スポーツスターS」「フォーティーエイトファイナルエディション」などのバイクだ。



ハーレーダビッドソン初のアドベンチャーモデルであるパンアメリカは、新型水冷エンジン「レボリューションマックス」を搭載した最初のモデルでもある。スポーツスターの歴史に新たな1ページを刻んだスポーツスターS、空冷最後のスポーツスターとなったフォーティーエイトファイナルエディションの2台も、2021年のハーレーダビッドソンを象徴するモデルといえる。



なかでも、2021年12月に発売となったフォーティーエイトファイナルエディションは、限定1,300台が発売当日に完売となる人気ぶり。野田社長も「まさかそんなに早く売れるとは」と驚きを隠せない様子だった。まさにハーレーブランドの底力を見せつけた結果ともいえるが、その勢いは2022年の新モデルにも確実に引き継がれている。


2022年モデルで野田社長が特にプッシュしたのがSTシリーズだ。重量級グランドツアラーが火花を散らすアメリカ西海岸で人気の「キング・オブ・ザ・バガーズ」でも活躍するこのマシン。ド迫力のレースシーンで多くのファンを魅了しているが、その人気上昇に呼応するかのように、カスタムシーンにおいてもスタイル重視からパフォーマンス重視へとトレンドが変化しているのだとか。そうしたトレンドを受けて、ファクトリーカスタムモデルとしてハーレーダビッドソンが送り出したのがSTモデルというわけだ。


STシリーズが搭載するのは、最新世代の「ミルウォーキーエイト」で最大排気量となる1,923ccのVツインエンジン。最大トルクは168Nmで、アクセルをひねると、まるでお尻が蹴飛ばされたような強烈な加速感を生み出すという。


マシンの性能を余すことなく引き出すため、装備にもこだわった。例えば、エンジン横から飛び出すエアインテークはハイフローかつ高効率で、エンジンのパフォーマンスを最大化する。脱着可能なパニアケースはコーナリング時のリーンアングルを確保するために高さを抑え、シートも体が持っていかれそうになる強烈な加速感から腰をサポートするために特別な形状としてある。


デザイン面では、ブラックアウトした車体にブロンズのアクセントとメッキパーツを採用することで、内に秘めた力強さと同時に高級感も演出。ハーレーダビッドソンらしいラグジュラリーなモーターサイクルに仕上がっている。近年のハーレーダビッドソンは車載インフォテイメントにも力を入れているが、STシリーズでは「ロードグライドST」と「ストリートグライドST」が「BOOM! BOX GTS」を採用している。



販売価格はロードグライドSTとストリートグライドSTが393.58万円、ローライダーSTが306.02万から。かなりの高額商品となるが、ユーザーの反応はどうなのだろうか。野田社長に尋ねると、「ローライダーSTについては今年の生産分がほとんど残っておらず、他の2台についてもお店によっては完売しています。決して安い部類ではありませんが、高いといわれることもほぼなくて、私もビックリしています。ハーレーのオーナー様は購入後にカスタムを楽しまれる方が大半ですが、カスタム費用が新車並みになることも珍しくありません。ですので、最初からここまでカスタムされているSTシリーズは、逆にお値打ちと感じていただけているのかもしれません」とのことだった。



ハーレーダビッドソンの攻勢は止まらない。4月13日には、スポーツスターの新章開幕を象徴するニューモデルを発表する予定。こちらも要注目だ。



安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。twitter:@andYSYK。 この著者の記事一覧はこちら(安藤康之)