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再生回数1億8千万回超、指先切断→腹部縫合→切り離した“サメの手”を披露した34歳女性(英)<動画あり>

2022年04月11日 15:01  Techinsight Japan

Techinsight Japan

敗血症で指を切断もポジティブに向き合う女性(画像は『Sadie Kemp 2022年3月19日付TikTok「While recovering from septic shock」』のスクリーンショット)
敗血症で壊疽した手指を切断し、残った左手を一時的に腹部に縫合して温存した女性が、腹部から切り離された手をTikTokで披露した。女性は死と隣り合わせの経験をしながらも、自身の手を“シャークハンド(サメの手)”と呼んで笑顔を見せており、そのポジティブな姿が多くの人をインスパイアしている。『New York Post』などが伝えた。

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英ピーターバラ出身の2児の母サディ・ケンプさん(Sadie Kemp、34)が3月中旬、病院で撮影した“シャークハンド”の動画の再生回数が1億8千万回以上を記録した(日本時間4月10日現在)。サディさんは2月3日にTikTokのアカウントを作成したばかりだが、あまりの反響の大きさに本人が一番驚いているという。

ではいったい“シャークハンド”とは何なのか?

実はサディさん、昨年のクリスマスに腎臓の激しい痛みで医師の診察を受け、痛み止めを処方されて帰宅した。ところがその夜、まるで腎臓が絞られるような痛みに襲われ、緊急搬送された病院で腎臓結石と診断された。医師はそのまま結石の摘出手術を行うもサディさんは敗血症を起こし、その後11日間は薬による昏睡状態に置かれた。

敗血症は細菌やウイルスなどが増殖することで炎症が全身に広がり、重症化すると臓器不全などで死亡する。サディさんの場合、手足の皮膚組織が真っ黒に変色して壊死を起こしており、医師はまず親指の一部を残して左手指を切断、残った左手は血流が途絶えないようにサディさんの腹部に縫いつけた。

こうして3月上旬、サディさんの左手は腹部から切り離され、まるでサメのような形をした“シャークハンド”が生まれたのだった。

サディさんは「腹部から手が離れて初めて、それが“シャーク”に似ていることに気付いたの」と明かしており、大反響となった動画は自身の手をシャークに見立て、笑いながらバケツに入った液体の中に沈めていくというものだった。

さらにこのほかにも『ベイビーシャーク』の音楽に合わせて面白可笑しく左手を動かしてみたり、実際に左手を使ってメイクをする姿なども投稿しており、サディさんには「自分が同じ立場に置かれたら、こんなふうに笑っていられるかな」「不幸な出来事を笑い飛ばし、ポジティブにとらえるあなたはインスピレーションだ」「私もあなたの強さを見習いたい」「早く良くなるといいね!」といった応援や称賛の声が多数あがっている。


なお医師はサディさんについて、「あれほどの苦難を乗り越え、彼女が生きていることは奇跡的」とその生命力を称えており、「回復の具合を見て、左手の人差し指や中指を作っていく」と述べている。一方でサディさんの右手はというと、指が切断されて腹部に縫合されている状態で、今後は両脚を膝下から切断する手術も予定されている。そのためサディさんはそれまで勤めてきた国民保健サービス(NHS)の仕事を辞めざるを得ず、友人が『GoFundMe』で寄付を呼びかけている。


まだ完全な回復にまでは程遠いサディさんだが、TikTokでは「ネガティブなことでなくいかに順応していくかを前向きに考えたい。私のメンタルヘルスをサポートし、ポジティブなコメントをありがとう」「強い気持ちを持ち続け、このトラウマを乗り越えたい」などと力強い言葉を発信し続けており、「敗血症がいかに怖いものか、多くに人に知ってもらえたら」と続けた。


ちなみに2017年のWHO(世界保健機関)のデータによると、世界の約1100万人が敗血症に関連する合併症で死亡、これは年間死者数の約20%にあたるという。



画像は『Sadie Kemp 2022年3月19日付TikTok「While recovering from septic shock I also had anaphylactic shock」、2022年3月17日付TikTok「Reply to @sharonday438」、2022年3月23日付TikTok「Today I learnt how to do my make up with my shark hand」』『New York Post 2022年3月22日付「Woman left with ‘shark hand’ after doctors sew it inside stomach during surgery」』『GoFundMe 2022年2月3日付「Support for sadie after surviving sepsis」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)