土曜日の早朝、東京都台東区の地下鉄銀座線・田原町駅のホームを20代女性がおぼつかない足取りで歩いていた。朝帰りか、酒に酔っている。その様子をみていた小柄で細身の中年男が動いた。
「男は女性に声をかけると、介抱を装うようにしてホーム上の男子トイレに連れ込み、からだを触るなどのわいせつ行為におよんだとされる。2月26日の出来事だ」
と社会部記者。
約1か月後の4月5日、警視庁蔵前署が準強制わいせつの疑いで逮捕したのは、同駅から徒歩約7~8分の賃貸マンションに住む加賀聖一容疑者(39)だった。
「警察は被害女性の通報を受け捜査に着手した。駅構内や周辺の防犯カメラに姿が映っていたから言い逃れできず、容疑を認めている」(同・記者、以下同)
逮捕は初めてではない。
朝ナンパで痴漢もしていた!
「ナンパ目的で乗車した朝の電車内で、酒に酔った20代女性のからだに触ったとして約1か月前に埼玉県警が逮捕している。終電の深夜帯に酔った女性に近づく男はいるが、朝を狙うのは珍しい」
埼玉県警によると、1月16日午前6時台、県内を走る東武伊勢崎線の車内で約10分間、酒に酔って座席にすわっていた女性のからだを触るなどした準強制わいせつの疑い。
早朝の“泥酔女性ハンター”は、台東区内で1DKの賃貸マンション暮らし。家賃は月約7万円で、ほかの住人と深く付き合うことはなかった。
「容疑者は独身らしくシングルタイプの部屋だった。真夜中をすぎて帰宅することがよくあった」(同じマンションの住人)
帰宅時間が遅かったのは夜の仕事に就いていたため。台東区内のキャバクラ店でボーイをしていた。
胸や足をエロい目でガン見してくる
酒と女性と密接にかかわる職場。酔ったキャバクラ嬢をフォローしたり、心配する役割のはずが、知り尽くした弱点につけ込む犯行を繰り返していたから悪質だ。いずれの被害女性とも面識はなかったとみられる。
元同僚の女性はこう話す。
「ひと言でいうとお調子者ですね。商売柄かもしれませんが、相手に話を合わせるのがうまい。職歴10年近くのベテランボーイとしては頼りないところもあり、胸や足をエロい目でガン見してくることがありました。キャバ嬢にはまったくモテなかったです」
女性に囲まれる職場にいながら、容疑者には女性の影がなかったという。
容疑者を知る同業男性の話。
「まじめで仕事熱心でしたよ。物腰がソフトで礼儀正しい印象なので逮捕はびっくり」
容疑者はSNSで、ミニオンのキャラクターに囲まれたり、ミッキーマウスのシルエットがプリントされたシャツを好んで着る一面もみせている。
好きな言葉は、
《負けたことがあるというのがいつか大きな財産になる》
そう割り切っているはずが、
《まぢしょげるわぁー》
《ダメなことって続くよねぇ。やる気消失》
と愚痴りまくる。
何にどれくらい負けたか知りたくもないが、簡単に道を踏み外すようでは財産にはなっていなかったようだ。