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【角田裕毅F1第3戦密着】スタートで順位アップもペースが伸びず。懸念した中高速コーナーでのダウンフォース不足も一因か

2022年04月11日 00:41  AUTOSPORT web

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2022年F1第3戦オーストラリアGP 角田裕毅(アルファタウリ)
レース前の国歌斉唱のセレモニーに参加するため、全ドライバーがスターティンググリッドに続々と集まってきた。前列左からふたり目にポジションを定められた角田裕毅(アルファタウリ)の後ろには、チームメートのピエール・ガスリーと、昨年の後半戦で臨時コーチ役を務め、今年ウイリアムズからレースドライバーに復帰したアレクサンダー・アルボンがいた。角田が少し緊張気味だったのを察したのか、右後ろにいたガスリーが角田の肩を揉み始めた。それを見ていた左後ろにいたアルボンがなにやら声をかけると、角田は振り向いて笑った。

 オーストラリアGPが開幕する前、角田はアルバートパーク・サーキットでのレースに向けて、こんな不安を吐露していた。

「コースが改修されて、少し高速タイプになったみたいで、それがどうなるか。というのも、今年のアルファタウリのマシンは中速から高速にかけてのコーナーでのダウンフォースが、ライバルのほとんどのチームに対して劣っていると感じているからです」

 そのうえで、角田が課題に挙げていたのが、1~2コーナー、6~7コーナー、そして高速シケインの9~10コーナーだった。スタートでカルロス・サインツ(フェラーリ)をかわして12番手にポジションを上げて1コーナーを通過していった角田。その直後のバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)とのバトルも制して、1周目のコントロールラインを11番手と、ポイントが見える位置でレースをスタートさせていた。

 ところが、その後ペースが伸びない。ボッタスにオーバーテイクを許した角田は、直後の18周目にピットインしてタイヤをミディアムからハードに交換するも、状況が好転することはなかった。

「グリップがすぐになくなって、バランスが最悪だった」という角田は、ライバルたちとのレースを戦う前に、自分のマシンとの格闘を余儀なくされ、15位で完走するのが精一杯だった。

 接触やコースアウトがあったわけでもなく、最後までしっかりと走り切っての15位というのは、昨年のロシアGPの17位以来のことだった。そのロシアGP後、チームは角田のマシンを調べたうえで、その次のレースからシャシーを変更。その後、角田のパフォーマンスは終盤に向けて上向いた。

 オーストラリアからイタリアのファエンツァへ帰ったら、不振の原因を徹底的に調査し対策を講じて、チームの母国グランプリとなる次のエミリア・ロマーニャGPに臨んでほしい。