最近は色々なものが値上がりしています。4月からは輸入小麦の政府売渡価格が17.3%引き上げられ、パンや麺類などの食品が上がっていくと見られています。電気やガスなどの高騰も無視できません。これを機会に財布のひもを引き締めて、節約しなければ!と考えている人も多いのではないでしょうか。(文:ファイナンシャルプランナー 佐藤祐一)
しかし、ただ何でも支出を抑えればいいというわけではありません。抑えるべき支出を見定めることが重要です。支出は投資、消費、浪費の3つに分類することができます。
投資:将来に備えてお金を使うこと 消費:生命の維持のためにお金を使うこと 浪費:その一瞬だけ満足するためだけにお金を使うこと
同じ支出でも人によって浪費にも投資にもなる
具体的に説明しますと、「投資」には、将来の子どもの学費のために学資保険に加入したり、お金を増やすために投資信託を買ったり、といった支出が含まれます。起業や独立、昇進のためにビジネススクールに通う、というのも投資でしょう。
「消費」は日々の生活に必要な支出です。家賃や食費、被服費、通信費、日用品費などが該当します。
「浪費」は簡単に言えば無駄遣いのことです。買ったけれども全然着ていない服、使っていない家電や食器、腐らせてしまった食材の費用がこれにあたります。一時の満足のために使うお金なので、記憶に残らないくらい飲み過ぎて、しかも全然楽しい飲み会ではなかった……というのも浪費にあたるでしょう。
ただし、同じ支出でも人によって、投資になったり、消費になったり、浪費になることもあります。例えば、スマートフォンの料金です。通信費は日々の生活に必要なものなので、通常は消費に該当します。家族や職場との連絡に必要だから持っている人が多いです。
しかし、通信制限がかかるまでゲームを長時間して、となってくると、もはや浪費と言っていいでしょう。一方で、ニュースを見て仕事や投資に役立てたり、株の取引に使ったりするのであれば投資になってきます。
家計を見直す際は、まずは支出を洗い出してみて、その支出が「投資」「消費」「浪費」のどれに該当するか見てみましょう。その上で、どこまで浪費を許容するのか、投資にどれだけ回すか、絶対に削りたくない消費はどれか、などと仕分けていくとよいでしょう。
もしかしたら、投資の金額が少なすぎる人もいるかもしれません。また、誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、浪費は絶対にしてはいけないというわけでありません。たまには息抜きも必要でしょう。何が無駄なのか、逆にもっとお金を使って良いところはどこなのか、この機会に見直してみてはいかがでしょうか 。