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53歳男性の目からヒツジバエの幼虫12匹以上を摘出、ガーデニング中に寄生(仏)

2022年04月10日 04:11  Techinsight Japan

Techinsight Japan

目の違和感で病院を訪れた男性、原因は幼虫だった
フランスに住むある男性が右目の違和感を訴え医師の診察を受けたところ、目から12匹以上の幼虫(ウジ)が摘出された。男性の自宅はヒツジ牧場の近くにあり、その日は外でガーデニングをしたという。男性のケースは今月7日、医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)』に掲載され注目された。

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目の充血や痒みを訴えて医師のもとを訪れたのは53歳の男性で、その日の早い時間帯にガーデニングをしていたところ、目に何かが飛び込んできたという。

「当時はそれが何であったのか分からなかった」と語る男性は数時間後、目の違和感が取れずに病院の緊急治療室を訪れ、検査で角膜や結膜を動き回る半透明の幼虫が確認された。

男性の視力は良好で、医師は幼虫を眼科手術用鉗子で1匹ずつ摘まみ出し、万が一取り残しがあった時のために目に投与する抗菌剤を処方した。摘出された幼虫は12匹以上にもなったが、10日後のフォローアップ検査では異常はみられなかったという。

なお男性の目から摘出されたのはヤギやヒツジの鼻孔などに寄生するヒツジバエの幼虫で、成虫はミツバチよりも小型だという。本来成虫はヤギやヒツジの鼻孔に粘液とともに幼虫を産みつけるが、ガーデニングをしていた男性の目に誤って飛び込んだことで幼虫が寄生、外眼部蝿蛆症と診断された。


幼虫の体には小さなトゲがあり、目の中で動き回ると痒みや充血、腫れなどを引き起こす。また稀なケースでは幼虫が眼球の中に入り込み深刻なダメージを与えることがあるものの、男性の場合は早急に医師の処置を受けたことが幸いし、視力に影響が出ることはなかった。

ちなみにヤギやヒツジに産み付けられた幼虫は成熟するまで8~10か月間寄生し、くしゃみとともに鼻孔から落ちて蛹になるという。

画像は『Ars Technica 2022年4月7日付「Doctors fish out more than a dozen tiny maggots from man’s eye」(NEJM)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)