「新社会人に贈る、一部の職場でしか使われていないけど一応覚えないといけない謎の用語集」というツイートが話題を呼んだ。
そこに並んでいたのは「行って来い」や「一丁目一番地」といった、ちょっと古風な?言葉たち……。Twitterでは「何一つ分からない」という声も多数上がっていた。もともとのツイートをしたブロガーの安斎響市さんに、投稿の背景を聞いた。(文・ふじいりょう)
「行って来い」 と言われて…… 「え?どこに?」
安斎さんが「用語集」として挙げた言葉(と意味)は以下の通り。
・行って来い(損得なし)
・えいや(勢いで行動)
・がっちゃんこ(2つ以上のものを合わせる)
・全員野球(一致団結して)
・一丁目一番地(最優先課題)
・えんぴつ舐め舐め(帳尻を合わせる)
・仁義切る(事前に挨拶をする)
・ダマでやる(気づかれずに動く)
・握る(約束や共通認識がある)
・ポンチ絵(簡単な図)
・正直ベース(本音)
・ペライチ(紙1枚の資料)
・交通整理(役割分担の再調整)
・決めの問題(上位決定者の判断次第)
・ダメ確(失敗の可能性が非常に高い)
・ガラガラポン(仕切り直し)
1987年生まれの安斎さんは、新卒入社した日系メーカーで、こうした言葉に出会ったという。
「平均年齢40代後半、上下関係が絶対で、朝はラジオ体操、飲み会では若手が宴会芸と一気飲み、という会社でした。あまりにも当然のようにこれらの言葉が使われるので、先輩にも聞くに聞けず、徐々に慣れていっていました」
当時、一番意味不明だったのが「行って来い」で、初めて聞いたときには「え?どこに?」と思ったそうだ。ただ、朱に交われば赤く染まるもので、安斎さんも「えいや、交通整理、決めの問題などは自分でも多用するようになってしまいました」と振り返る。
「あるある」と「全然分からない」と反響が二極化
その後4回転職し、32歳で外資系大手IT企業の事業企画担当シニアマネージャーに就任したという安斎さん。その経験によると「社員の平均年齢が45歳を超える職場だと、これらの用語が毎日飛び交っているイメージ」とのこと。
一方、こうした言葉が使われるかどうかは、職場によっても大きく違いそうだ。
「私自身も、転職をして、このような用語が頻発される職場と、全く使われない職場の両方を経験したので、このツイートへの反応が『あるある』と『全然分からない』に二極化するのは本当に面白いと思いました」(安斎さん)
今回のツイートは、新入社員が聞き慣れない用語に出会って困惑しないようにとつぶやいたそう。安斎さんは
「(新しい職場では)戸惑うことも沢山あると思いますが、このツイートのように、ネタにして笑うくらいの気持ちで前向きに頑張って欲しいです」
と話していた。