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「プログラミング」って何? 子どもの学習前に知りたい基本

2022年04月07日 10:41  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
子どものプログラミング学習についてもっと知るために。小中学生そして保護者に向けて、作家・書評家の印南敦史さんにおすすめ本を紹介していただきます。


ふと気がつけば、「プログラミング」ということばをよく聞くようになっていましたね。だから、「え、ちょっとよくわからないんだけど」と、とまどってしまう人も多いのではないかと思います。


いや、違うかな? とまどっているのは、大人だけなのかもしれませんね。



なぜって小学校のころからプログラミングの授業をうけてきた小中学生のみなさんにとって、それはもう当たり前のものかもしれないのですから。



とはいっても、大人であろうと子どもであろうと、「プログラミングってなに?」と聞かれてスラスラ答えられる人は意外に少ないのではないでしょうか?



恥ずかしながら、僕もそのひとり。



なんとなく、「こういうものなんだろうな」というくらいならイメージできますけれど、誰かに説明してみなさいといわれたとしたら、「そんなの無理!」とアワアワしてしまったりするレベルだからです。



そもそも文系だしなー……などといいわけをしてみて気づきましたが、考えてみると、もはや理系であろうが文系であろうが関係ありませんね。いまや誰もがプログラミングを理解し、少しでも生活に役立てるべき時代なのですから。そのほうが、より心地よく生活していけるはずなのですから。



そこで、「だったらみんなといっしょにプログラミングを勉強しよう!」ということを、この記事ではお伝えしたいのです。



「プログラミングとはこういうものなんだから、しっかり覚えておきなさいよ!」とえらそうに語るのではなく(そもそも語れないし)、根底にあるのは「わからない人同士、知識や情報を分かちあいながらプログラミングについて一緒に勉強しよう」という考え方。



そんな考え方にもとづいて、プログラミングの基礎を勉強するために役立ちそうな本をご紹介しようというわけです。



ですからむずかしく考えず、気楽に読んでいただければと思います。

○プログラミングの基本をマンガで解説する入門書



ということでご紹介したいのは、『学校では教えてくれない大切なこと 25 プログラミングって何? IT社会のしくみ』(旺文社)。


タイトルからもわかるように、「プログラミングって、なんのことだかわからないよー(でも恥ずかしくて、ちょっと人には聞きづらい……)」という悩みにバッチリこたえてくれる一冊です。



最大のポイントは、マンガになっていること。だったら手にとりやすいし、リラックスして読めるでしょ?



両親がたこ焼き店を営んでいる手久野(てくの)めもりという小学3年生の女の子が、なぞの星からやってきたイカ型の宇宙人ラミンと、その息子のアルゴとの交流を通じてプログラミングを学んでいくというストーリー。



「家やお店のなかの、どこにプログラミングが使われているのか」とか、「どうしてプログラミングが重要なのか」というような「基本中の基本」が、マンガでわかりやすくまとめられているわけです。



だからすぐに読めちゃうし、知っておくと役立つことが満載。



プログラミングの本といえば、「プログラミングとは、コンピューターに任せたいことを、コンピュータが理解できることばである『プログラミング言語』におきかえて~」みたいにチンプンカンプンなことが書かれていることが多いですよね。



それがむずかしいから、その時点で、「もー、わかんない!」ってなっちゃったりするじゃないですか。



でも、ここでは身近にあるものを通じて「冷蔵庫が働いてくれるのは、コンピューター部分に、プログラムという指示書が入っていて、それをもとに指示を出しているから」という感じで説明してくれているのです。だから、「あー、そういうことか」と理解することができるわけです。



ですから読み終えたら、「日常生活のどこにプログラミングが生かされているのか知ってる?」と、友だちに自慢したくなっちゃうかもしれません。



それでいて、おさえるべきところはしっかりおさえてあるのもうれしいところ。ストーリーとは別に、「知っておきたいコンピューター用語」の解説ページがあったりもするので、最低限知っておきたい「基本」をしっかりとチェックすることができるのです。



ちょっと、例をあげてみましょう。こんな感じです。


コンピューター

電気の力を使って計算を行う機械のこと。家庭用の小さなものから、業務用の大きなものまで、まとめてコンピューターという。

個人向けに作られたコンピューターのことを「パーソナルコンピューター」という。

メモリー

コンピューターの中の部品のうち、記おく装置のこと。パソコンでは、メモリーは一時的に記おくする部分。ハードディスクなどはたくさんのデータを保存する部分。

データ

コンピューターがあつかう情報のこと。文字だけでなく、音や写真の情報などもコンピューターであつかえる。コンピューターは0と1に変換して、データをあつかっている。

プログラミング

コンピューターへの指示であるプログラムを組み立てること。プログラミングでは、コンピューターの種類や用途に合わせてプログラミング言語を使い分ける。

(114ページより)


いかがでしょう? これならわかりやすいと思いませんか?



ちなみに「コンピューターは0と1に変換して、データをあつかっている」というところのように説明文だけでは伝わりにくいことは、本文中でイラストとともにしっかり解説されてもいます。そのため、いろいろなしくみを無理なく理解できるようになっているのです。



専門的なことを知っている人にとってはものたりないかもしれないけれど、「まず基本的なことを知っておきたい!」という人にはピッタリの一冊。プログラミングを知るうえでのスタートラインとして、とことん活用できるはずです。



ぜひ一度、手にとってみてくださいね。



印南敦史 作家、書評家。1962年東京生まれ。音楽ライター、音楽雑誌編集長を経て独立。現在は書評家として月間50本以上の書評を執筆。ベストセラー『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社、のちPHP研究所より文庫化)を筆頭に、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『読書する家族のつくりかた 親子で本好きになる25のゲームメソッド』(星海社新書)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書に学んだライフハック――「仕事」「生活」「心」人生の質を高める25の習慣』(サンガ)、『それはきっと必要ない: 年間500本書評を書く人の「捨てる」技術』(誠文堂新光社)、『音楽の記憶 僕をつくったポップ・ミュージックの話』(自由国民社)ほか著書多数。最新刊は『「書くのが苦手」な人のための文章術』(3月4日発売、PHP研究所)。 この著者の記事一覧はこちら(印南敦史)