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King & Prince、新曲MVで見せる等身大の姿 新たな試みを取り入れながらも一貫した王道スタイル

2022年04月06日 06:11  リアルサウンド

リアルサウンド

King & Prince

 玄関のドアを開けたら髙橋海人、車の運転席には神宮寺勇太、家を訪ねたら寝起きの永瀬廉が登場、浅草で岸優太と待ち合わせ、平野紫耀が車で迎えに来てくれる世界ーー夢のようで、どこかリアル。そんな光景が広がるMVが公開された。


(関連:【動画あり】King & Prince、新曲MVで見せる等身大の姿


 King & Princeの9枚目のシングル『Lovin’ you / 踊るように人生を。』が4月13日にリリース。発売に先駆けて、King & Princeの公式YouTubeでは“YouTube Edit”として表題2曲のMVを先行公開している。本稿ではMVを踏まえながら、両曲に触れてみたい。


 3月22日20時のプレミア公開から現在までに動画再生数490万回(※4月5日現在)を記録している「Lovin’ you」。同MVについて、岸優太が公式Twitterで「縦画面で撮ったからこそのリアリティを味わってください!!やっぱりこれは流出動画と言っても過言ではない笑笑」などと投稿。すぐさま“流出動画”のワードがトレンド入りするなど、少々心臓がバクバクする一幕もあったが、MVに収められた映像はとにかくリアリティに溢れている。


 映像ではメンバーが考えた理想のデートとして、三者三様の時間が流れる。岸とは“粋”な浅草デート。まずはお賽銭を入れて手を合わせる。きっと入念にお願いごとをしていたのだろう。恋人から遅れて階段を降りた様子からは、岸らしい一面が伝わってきた。ドライブデートに出かけたのは平野。助手席のドアを開けてエスコートしてくれる優しさに惚れ惚れ。ドキドキしっぱなしの一日の始まりだ。「どこ行きます?」なんて聞くものだから、うっかり答えそうになったのはここだけの話。神宮寺はひとまずカフェでゆっくりと食事をする。ちょっとした隙をついてイタズラをする彼。そのおかげで緊張がほどけそう。髙橋と電車に乗って出かけたら車窓からは海が見えた。窓から差し込む陽の光に照らされながら海を見て嬉しそう、その表情を見られただけで胸がいっぱいだ。


 そんなアクティブに行動するメンバーの一方で、上下スウェット姿の永瀬はベッドでゴロゴロ。まだ眠そうな彼の布団を引っ張ると、ちょっと本気で怒る姿も愛らしい。そんな等身大で、王道のデートを通してときめく時間をもたらしてくれるのがなんともKing & Princeらしい。スマホの縦位置で撮影された映像は、“私から見た彼の姿”というリスナーが主体になれる着眼点も斬新だ。


 今作はこれまでのMVとは異なり、リップシンクも彼らの武器の一つであるダンスもないグループ初の試み。「Mazy Night」など、彼らの名刺代わりのようにダンススキルを見せつけたかと思えば、「Namae Oshiete」ではダンスを交えながらストーリー仕立てで楽曲の世界観を打ち出している。過去作を踏まえると、今回はかなり思い切った舵切りだ。


 シングル初回限定盤Aには、「Lovin‘ you」のMVのほかにメンバーそれぞれのデートの様子がソロアングル映像で、また“Behind the scene”映像として、デートプランを検討するオンライン会議の映像を含むメイキングが収録される。また、同曲は平野が出演するコーセーコスメポート「ジュレームiP」のCMソングに起用されており、CMでの美しい髪に目を奪われた心の動きをわずかな目の動きで表現する演技力にも注目したい。


 一方、「踊るように人生を。」は、神宮寺が主演を務める4月25日深夜スタートのドラマ『受付のジョー』(日本テレビ系)の主題歌に起用されている。ドラマの世界観を思わせる働く人の一日を描いたポップソング。


 MVは、神宮寺のパジャマ姿から始まる。カラフルなスーツに着替えて出社するものの……いいことばかりではないのが現実。押しつぶされそうになる中で、〈もっと楽にいきましょう〉と歌う。サビからのメッセージは心が軽くなるおまじないのよう。MVも歌詞とリンクした演出で、進学や就職など新生活の始まりに相応しい世界観だ。


 2曲を通じて感じたのは、等身大の姿とファンを笑顔にするジャニーズの王道スタイルだ。現在開催中のツアータイトルに「Mr.」と、King & Princeの“原点”を刻んだ彼らの境遇とも本作がリンクする。


 永瀬は自身のラジオ番組『King & Prince 永瀬廉のRadioGARDEN』(文化放送)で、ここ最近は特にメンバーの多忙ぶりに触れている。グループとしては冠番組『King & Princeる。』の放送時間拡大、そして初の4大ドームツアーを実現。ソロとしてもドラマ出演が相次ぐなど華々しい活躍をみせるが、その裏にはメンバーの奮闘がある。多忙ぶりは容易に想像できるが、それでも彼らからは楽屋で罰ゲームで盛り上がったというエピソードが聞こえてくる。肩の力を抜いて踊るように人生を歩めたら……彼らの仲睦まじい姿と共にメッセージが心に響く。(柚月裕実)