トップへ

「糸から自作したニット」元ビューティフルピープル宮川里絵が手掛けるスメイルがデビュー

2022年04月04日 12:21  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

写真
「ビューティフルピープル(beautiful people)」のニット部門で生産管理を務めていた宮川里絵がデザイナーを務める新ブランド「スメイル(SMEILE)」が2022年秋冬コレクションでデビューした。「ミニマルながらトレンドを意識したカラー展開とディテールへのこだわり」をコンセプトに、宮川が糸から製作したニットウェアを展開する。

 宮川はビューティフルピープルを退社後、フリーでニット製作に携わってきたが、糸からニットを作ることに興味を持ち、自分の中にあるモノづくりへの情熱を再認識。自分のやりたいことを100%実現するために自らのブランド「スメイル」を立ち上げた。
 スメイルでは、天然素材と合成繊維を組み合わせたアイテムを製作。天然素材にポリエステルなどの合成繊維を計算された割合で混紡することで、天然繊維だけでは求めることができない軽さやシルエットを表現したという。

 ファーストコレクションでは、宮川自身が好きだと語る中世ヨーロッパや、1980年代バブル期の日本の服装にフォーカスした12型をラインナップ。肩から袖にかけてのラインに膨らみを持たせ、肩パッドが入ったジャケットの雰囲気を再現したプルオーバーニットや、ウエストマークをして肩のラインを強調したカーディガンなど、「ファッションに情熱を感じる時代」の特徴的なデザインをニット専門ブランドならではのアプローチでデザインに落とし込んだ。そのほか、エストニア・ラトビア・リトアニアから成る「バルト三国」の伝統柄をあしらったセーターなどを揃えた。

 価格帯は、平均して5万から6万円ほど。ウィメンズニットとしては安い価格ではないが、宮川は使用している原料のクオリティ以外に紡績時の複雑な工程をその理由に挙げる。生地の中で素材の混率を変え、糸の色ではなく素材によって色の染まり方が違う性質を利用してストライプ柄を表現したり、撚糸をして表面を敢えて凸凹にして生地に表情を持たせるなど、通常のニット製作に比べ工程数を増やすことで「スメイルでしか手に入らないニット」を目指している。

 8月には、オンラインストアを立ち上げ予定。アジアを含む国内外で展開を計画している。宮川は「まずは多くの人にブランドを知ってもらいたい」と目先の目標を設定した上で「着心地や品質を担保するのは大前提。ファッション感度の高い人に着てもらえるようなブランドを目指す」とコメントした。