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20代・30代が家庭菜園にかける年間使用金額はいくら?

2022年04月01日 13:21  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
タキイ種苗は、若年層を対象にした「春の家庭菜園に関する調査」をインターネットにて実施し、3月10日に結果を公表した。同調査は2月10日~13日の期間、スクリーニング調査で「家庭菜園を現在、実施している」との回答者から抽出した20~39歳の男女300人を対象に実施。



コロナ禍の影響で在宅時間が増えた中、若年層にとっての「家庭菜園」の現状と課題など、2017年に行った調査結果と比較しながら、その変化や実態を明らかにしている。


家庭菜園を実際に始めた理由は、「自分で食べる野菜を自分で作るのが面白そうだったから」(42.7%)がトップに。以下、「家計節約のためには(少しでも)自分で野菜を作るのが良いと思ったから」(24.0%)、「趣味のひとつとして野菜づくりは適していると思ったから」(22.7%)、「野菜づくりなどの農作業に興味があったから」(22.0%)、「野菜づくりができるような空いている庭や環境があったから」(21.3%)が上位に並んだ。



6位には、今回の新規選択肢「野菜を育てることで癒しが欲しかったから」(19.7%)がランクイン。3位「趣味のひとつとして」とあわせ、家庭菜園に楽しみや癒しを求める様子がうかがえる。



家族構成別に見ると、一人暮らし層では「安全・安心のためには(少しでも)手作りの野菜が良いと思ったから」(全体:11.0%、一人暮らし:17.7%)、「在宅時間の増加で家の中やベランダ、庭に緑が欲しくなったから」(全体:9.7%、一人暮らし:16.1%)、「家庭菜園やベランダ菜園はオシャレだと思ったから」(全体:7.3%、一人暮らし:16.1%)の割合が高く、オシャレさなど、20代・30代の一人暮らし層に支持されている側面が浮き彫りになった。



性年代別に見ると、男性20代では「家庭菜園やベランダ菜園はオシャレだと思ったから」(16.0%)は全体より8.7ポイント、「運動不足の解消に良いと思ったから」(14.7%)は同じく6.7ポイント高くなっている。女性20代では「在宅時間の増加で家の中やベランダ、庭に緑が欲しくなったから」(17.3%)が全体より7.6ポイント高く、長い時間を過ごす自宅に彩りを求めている人が多い。



女性30代では「安全・安心のためには(少しでも)手作りの野菜がいいと思ったから」(16.0%)が5.0ポイント、「野菜づくりは子どもの教育のためにも良いと思ったから」(24.0%)が7.7ポイント全体より高く、親目線や家族を思う気持ちが動機となることが他の性年代より多かった。


家庭菜園の継続年数は、「1年未満」(30.0%)、「1~3年未満」(39.0%)の合計が 69.0%と、「3年未満」が約7割となった。若年層ではコロナ禍以降に家庭菜園を始めた人が中心となっていることがわかる。



家族構成別に見ると、一人暮らし層ではさらにその割合が高まり、「3年未満」の人が80.6%にも上ることが判明。在宅時間の増加で、一人で過ごす時間に家庭菜園を選択する人が増加しているようだ。



「現在育てている野菜ランキング」では、1位「ミニ・中玉トマト」(57.7%)、2位「キュウリ」(33.7%)、3位「なす」(26.0%)、続いて「しそ(大葉)」と「ネギ」が24.3%で同率4位に。家庭菜園の定番野菜が上位にランクインしている。


自由回答を見てみると、リボーン・ベジタブル(リボベジ)としても人気の「豆苗」が多くの回答を集めた。部屋の中で育てられる点や土が不要な点など、育てやすさも人気の理由だと考えられる。また、「いちご」を育てている人も多く、小さなスペースで育てることができる人気のフルーツも多くの人に選ばれているようだ。



「今後挑戦してみたい野菜ランキング」でも「ミニ・中玉トマト」(18.7%)が1位となり、高い人気が明らかに。2位「しそ(大葉)」(17.3%)、3位「枝豆」(16.0%)、4位「なす」(15.7%)、5位「ピーマン」(14.7%)となり、家庭菜園継続年数の短い若年層は、まずは定番の野菜から育てたいと感じている人が多い。



続いて、育てる野菜をどのように決めているか尋ねると、トップ3は「育てやすい品種を選ぶ」(49.7%)、「あまり手間のかからないものを選ぶ」(36.0%)、「自分もしくは家族が好きな野菜を選ぶ」(33.7%)で、 2017 年の結果と同様の項目が並んだ。一方、同率3位には今回の新規選択肢「料理によく使う野菜を選ぶ」(33.7%)がランクイン。3人に1人は育てる楽しみに加え、料理に生かしたい傾向があるようだ。5位は「虫がつきにくいもの」(25.7%)となり、若年層の悩みが反映されている。


性年代別に見ると、男性20代では「種から育てるものを選ぶ」(全体:11.0%、男性20代:16.0%)、「なるべく『大変そう』なものを選ぶ」(全体:3.7%、男性20代:9.3%)の割合が全体よりも高く、「一から育てたい」「じっくり取り組みたい」という本格志向もうかがえる。



家庭菜園をやっていてよかったと思うことを尋ねると、1位「育てる喜びを知ることができた」(39.0%)、3位「季節や自然に関心が深まった」(23.3%)、4位「新しい趣味ができた」(22.0%)は、2017年家庭菜園調査(20~60代)の結果上位と同じ傾向となった。今回の新規選択肢「毎日育っていく野菜を見ることで癒された」(29.0%)は2位にランクインしており、家庭菜園で癒しやリラックス・リフレッシュ効果を感じている人も多くいるようだ。


家庭菜園に取り組む中で困ったこと、1位は「虫がつく」(39.7%)で、虫の悩みは大きいことが結果からもうかがえる。2位「うまく育たない」(35.7%)、3位「思った以上に手間がかかる」(30.3%)、4位「わからないことが多い」(24.7%)、5位「思ったほど収穫できない」(23.3%)と、育てる中での試行錯誤や難しさに困った経験のある人が多いようだ。2017年家庭菜園調査(20~60代)の結果と傾向は変化しておらず、年代にかかわらず同じトラブルに困っていることがわかった。



一方、今回の新規選択肢「忙しくて十分な野菜の管理ができない」(18.7%)は6位、「途中で面倒になり、栽培を諦めてしまった」(14.3%)が7位など、仕事や家事育児に忙しい20代・30代の悩みが垣間見える結果となった。


自由回答では「獣に食べられる」「長期間留守にするとしなびている」といった声が寄せられ、自然を相手にする家庭菜園ならではの悩みが感じられる。



今後、家庭菜園で挑戦してみたいことについては、「水耕栽培」(28.0%)が約3割で1位に。続いて2位「ブロッコリーやもやしなどのスプラウト類」(24.3%)、3位「グリーンカーテン」(22.3%)という結果となった。4位にはフードロス削減にも貢献する「リボーンベジタブル」(17.7%)、5位は栄養素を手軽に摂取することができる「機能性野菜」(14.0%)と、野菜をめぐる最新トピックスが上位に反映され、若年層の関心の高さがうかがえる結果となった。



土を使わない「水耕栽培」が人気の一方、6位「ビニールハウスを使って野菜を育てる」(13.3%)ことに挑戦したいという本格派も1割以上いることが判明。


家庭菜園の満足度では「とても満足している」(25.0%)、「やや満足している」(57.0%)の合計が82.0%となり、大多数が家庭菜園に満足していることがわかる。


一人暮らし層ではさらに満足度が高くなり、85.5%もの人が「満足」と回答。自分だけの家庭菜園づくりの達成感や、癒しを感じられることなど、さまざまな要因が考えられる。



満足度の理由では「話のネタにもなった」「家族の時間が楽しくなるから」などの人とのコミュニケーションや家庭での時間が豊かになったという声をはじめ、「環境問題に貢献していると思えたから」「実際に育て収穫することで食材の有難みがわかったから」といった学びを感じられる点に満足している声なども寄せられた。また、「成長をみるのが楽しかった」「どんどん成長するのが可愛かった」など、「マイ家庭菜園」への強い愛が感じられる意見も寄せられている。



この一年間で家庭菜園にかけている(過去にかけていた)金額では、全体では1万8,241円であったのに対し、一年間で家庭菜園にかけたい理想の金額では2万1,323円と、3,082円の差額があることがわかった。


男女別で見ると、「男性」(一年間でかける金額:2万5,460円、理想:2万9,208円)は女性(同:1万1,023円、同:1万3,438円)の倍以上の金額を家庭菜園にかけていることが明らかに。また、女性は理想との差額が2,415円であるのに対し、男性は理想に3,748円届いておらず、希望する家庭菜園にはまだ届いていないと感じる男性が多いようだ。(エボル)