トップへ

「何を着るかではなくどのように着るか」カーリー元デザイナーが手掛けるパースプロジェクトがデビュー

2022年03月31日 19:02  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

写真
「カーリー(CURLY & Co.)」で立ち上げから約10年間デザイナーを務めた伊藤裕之が手掛ける「パースプロジェクト(PERS PROJECTS)」が2022年春夏コレクションでデビューした。ミリタリーや古着のテイストをベースに、現代的な視点を組み合わせたリラックス感のある日常着を展開している。

 伊藤がパースプロジェクトを立ち上げたのは、カーリーでデザイナーを務めていた時代に、優れた技術を持ちながらあまり名前が知られていない職人たちと出会ったことがきっかけ。「埋もれている優れた技術をより多くの人に知ってもらいたい」と考え、これまでとは違う工場や職人と一緒に服作りをするため独立を決意した。
 ブランド名は、「見通し、遠近法、完成予想図」を意味するPERSPECTIVEと「個性」を指すPERSONALITYを掛け合わせて命名。「服が主役になるのではなく、着用する人自身を引き立てる服」をコンセプトに、素材や着心地を追求し、着用することでさらに魅力を感じることができるデイリーウェアを展開している。メインターゲットは20~30代のメンズに設定。価格帯はジャケットが約2万~2万5000円、カットソーが約7000~1万円、シャツが約1万4000~2万2000円、パンツが約1万5000~2万5000円(全て税込)。

 パースプロジェクトとカーリーの一番の違いは、布帛を使用したアイテムをメインに展開している点。カーリーの着心地の良さを活かしながらも、製品染めやパッカリングなど、生地の表情を大切にしたクリエイションを意識している。また、襟を立てることでチャイナジャケットのように着用できるテーラードジャケットなど、1点で複数の着方を提案するアイテムもラインナップ。伊藤は「何を着るかではなくどのように着るかが重要で、ファッションの楽しいところ」と語り、カラーもあえて「曖昧でどちらとも言えない色」を多く採用している。同じ服でも着る人によって違った見え方をする服を目指しているという。
 伊藤は今後の目標について「まずはお客さんにブランドを覚えてもらうこと」とし、続けて「才能であったり素材であったり、自分が『もったいない』と感じるものの魅力をブランドを通じて多くの人に知ってもらえたら」とコメント。デビューコレクションは、広島の「シティライツ(CITYLIGHTS)」や三重の「ノックアウト(KNOCK OUT 247)」など、地方のセレクトショップを中心に展開。今後、瀬戸内のアパレル以外のクリエイターと協業して地方の魅力を伝えるポップアップイベントの開催も計画しているほか、品質には問題がないものの僅かな傷や筋があるためにB品として廃棄されてしまう皮革を用いた製品の構想も練っている。

■PERS PROJECTS:公式サイト