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ホンダの新型「ステップワゴン」は使えるミニバン? ママ目線でチェック!

2022年03月30日 14:02  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
ホンダはミニバン「ステップワゴン」の新型を2022年春に発売します。デザインは最近の主流である「オラオラ系」と一線を画し、優し気な顔つきとシンプルで四角いスタイリングが印象的ですが、気になるのはファミリーカーとしての使い勝手です。ママ目線でチェックしてきました。


○1人でも家族でも? 使い方はさまざま



ホンダが青山のウェルカムプラザでまもなく発売予定の新型「ステップワゴン」と懐かしの初代を特別展示しています。6代目となる新型は、家族の価値観の変化を見つめ、今の家族が求める安心と自由を詰め込んだ空間を表現。初代ステップワゴンの発売から26年、ライフスタイルの変化に合わせて進化したモデルを見比べることができます。



新型ステップワゴンには「エアー」(AIR)、「スパーダ」(SPADA)、「モデューロX」(Modulo X)の3タイプがあります。展示車両で目をひいたのは、スパーダの3列目シートと床下収納をアレンジして生まれた「テレワーク空間」。今回のステップワゴンでホンダが意識している「1人の時間を大切にする使い方」を具現化したのが、この車両です。



昨年の夏、キャンプ場で夫と息子が火を起こしている間、車内で原稿を書いていた筆者にとって、こういう使い方の提案は刺さるものがあります。日々のリモートワークでも、ウェブ会議中に家族のオジャマが入ることはけっこうあるので、落ち着いた場所を確保したい場合も重宝しそうです。


新型ステップワゴンの特徴は、自由度の高いシートアレンジとホンダ史上最大の車内空間です。今回の展示ではエアーのカットモデルを見ることができますが、車内に詰め込まれた荷物の量を目の当たりにすると、ステップワゴンの使い勝手がかなり具体的に想像できます。


2列目シートには、前後左右に動かせる驚きの機能が。チャイルドシートをここに乗せ、運転席のそばに引き寄せておけば、ママの運転中に子どもが泣いてもケアしやすくなります。逆に、各席の空間をずらしながら少しずつ広げると、ちょっと距離を確保して落ち着きたい「つかず離れずモード」に入ることもできます。



史上最大がウリの広々とした空間には、アウトドアレジャーの家族の荷物を積んでも十分に余裕があります。出発後に「あの荷物どこ?」となるのはロングドライブあるあるですが、広い車室と自由度の高いシートアレンジのおかげで、ドライブ中でも荷物にアクセスするのが簡単そうです。


○家族それぞれの時間を過ごせるクルマに



特別展示の取材会では、タレントの鈴木あきえさん、知育玩具や子どもの遊び場を提供するボーネルンド副社長の中西みのりさん、ステップワゴンのインテリアデザインを担当した本田技術研究所の矢口史浩さん、エクステリアデザインを担当したホンダアクセスの大西優一さんがトークセッションを行いました。



セッションでは家族の形、価値観の変化が話題に。矢口さんは「かつては家族が一緒に何かをすることが幸せとされましたが、現代の家族は例え一緒にいたとしても、それぞれ違うことをして1人の時間を楽しむことも多くなっています」と話しました。



そんなライフスタイルの変化の中で発売する6代目新型ステップワゴンでは、内装をリビングルームのような雰囲気に仕立てています。自宅にいるような安心感と、家族それぞれが自分の時間を楽しめる自由度を両立させた車内空間になっているようですね。


リビングのようにくつろいで過ごせる空間とするには、クルマ独特のネガなポイントを抑え込むことが重要です。今回の新型ステップワゴンにホンダは、乗り物酔いを低減する技術を投入しました。ヘッドレストの位置やシートの形状、窓やインパネなどのデザインの工夫により、視界が前に抜け、乗員の視野を安定させることで酔いやすさを低減しているそうで、この技術については特許も出願しているとのことです。


ちなみに、初代ステップワゴンの発売は1996年。当時のCMで使われた「こどもと一緒にどこいこう」というキャッチフレーズは、家族と過ごすことが大切にされ始めた価値観とマッチし、ステップワゴンの大ヒットにつながりました。以来、さまざまな付加価値を備えたミニバンが登場しましたが、ホンダとしてはあくまでも「家族」を主役にしてきたといいます。


懐かしの初代の車内をのぞくと、2列目と3列目を向かい合わせにしたシートアレンジになっていました。家族でお出かけするワクワク感が伝わってくるようです。今の家族の価値観に寄り添う新型は、子どものお世話と個の時間が切り替えられる、より自由で肩の力が抜けた空間に心地よさを感じます。コロナ禍で我慢も限界、発売になる頃にはきっとお出かけしやすくなっていることを願って……。特別展示は4月15日までとなっています。



松田慶子 まつだけいこ 自動車産業専門紙、満足度調査会社の自動車担当を経て、サステナビリティ専門誌で自動車産業のカーボンニュートラルなどを担当。子どもの送迎と夫の単身赴任が重なった4年間は年間1.2万キロ以上を運転。関心のある分野はサステナブルなクルマ社会、次世代の育成、環境問題など。運転は好きだけれど、適宜自動運転に切り替えてサボれるクルマの登場を心待ちにしている。 この著者の記事一覧はこちら(松田慶子)